トイレで起きた未解決事件「福島女性教員宅便槽内怪死事件」とは？

1989年の福島県で起きた、いまだ未解決の「福島女性教員宅便槽内怪死事件」。発見された被害者の状態や便槽内で遺体が見つかるなどの不明な点が多く、事件の詳細があいまいな人もいますよね。

そこで、今回は福島女性教員宅便槽内怪死事件の謎や逸話を紹介します。トイレが事件現場となった他の事件も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

福島女性教員宅便槽内怪死事件は、1989年2月28日に福島県田村郡都路村（たむらぐんみやこじむら）で起きた事件です。死亡していたのは、当時26歳で村の住人だった菅野直之さん。知人の女性教員宅の和式トイレ便槽内で発見されました。

第一発見者は、便槽内に靴があったことを不審に思った女性教員です。女性教員はそこから汲み取り口に回ったところ、人の足を発見。同僚と警察に通報し、事件が明るみになりました。

発見当時の菅野さんの状態は真冬なのにもかかわらず、上半身裸で着ていたセーターを抱きしめていた状態でした。また、目立った外傷はなかったそうです。そのため、警察は事故死と判断。死因は寒さによる凍えと狭い便槽内での圧迫による胸部循環障害と発表されました。

しかし、便器口20cm、汲み取り口36cmの便槽内に菅野さんがなぜ入っていたのか、他殺の可能性もあるのではないかといった点を残したまま、捜査が打ち切られました。

そのような背景から、平成に残る未解決事件として知られています。

福島女性教員宅便槽内怪死事件にまつわる3つの謎

ここからは、福島女性教員宅便槽内怪死事件においていまだ解明されていない3つの謎を紹介します。

福島女性教員宅便槽内怪死事件において、菅野さんがどうやって便槽内に侵入したのかは現在も謎のままです。

菅野さんの遺体が発見された便槽内の幅は便器口20cm、汲み取り口36cmの和式トイレ。そして、日本人男性の肩幅の平均は45 cmです。普通に考えても、汲み取り口から便槽内に入ろうとしても、肩が詰まってしまい入れません。

発見された際、あまりの狭さに人力で取り出せず、重機で便槽内を破壊したほどです。そのような場所に、出られなくなるリスクを承知で入ろうとは思わないはずです。また、知人の女性教員は2月24日から4日間帰省しており、家には誰もいない状態でした。

そのため、殺人説が浮上しましたが、証拠となるものが見つかっていません。

死亡前の菅野さんの足取りが不明だった点も、福島女性教員宅便槽内怪死事件における謎の1つです。

菅野さんは事件発生の2日前、2月26日に死亡していたことが捜査でわかりました。しかし、その2日前の2月24日から行方が分からなくなっていたことも明らかになりました。

そして、捜査で分かった菅野さんの足取りは、24日の昼頃に父親に家を出る旨を伝え外出したことのみです。その後、26日に死亡していたので、空白の2日間で何かが起こったことがわかります。

しかしながら、残念なことに2日間の菅野さんの動向は判明されず、謎が謎を呼ぶ結果となりました。

事件当時、菅野さんの頭に靴が置かれていた点も、福島女性教員宅便槽内怪死事件における謎の1つです。

狭い便槽内で、頭に靴を置くために手を動かすことは難しいと考えられます。外傷は少しの擦り傷と判明しているので、靴を置くために腕の大部分に傷が残ると思われます。

また、女性教員が見つけたのは一足の靴のみ。驚くことに、もう一足の靴は現場から離れた土手で見つかりました。自らの意思で便槽内に向かうのであれば、靴が土手にあることはおかしいです。

このことから事件性があったと思われますが、証拠不十分ということで事故死とされました。

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