ベートーヴェンの名言8選!発言の意図や背景もエピソードと共に解説

ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンは18世紀を代表する作曲家で、「西洋音楽史上極めて重要な音楽家」と称されることもあるほど有名な人物です。

楽聖 ベートーヴェン

情熱的でインパクトの強い楽曲の数々はもちろん、聴力を失いながらも作曲家として大成していくその生き方は、時代を超えて私たちに感動をくれる人物です。そんなベートーヴェンについて「どんな言葉を残したのだろう?」と気になることはありませんか?

今回は、筆者がベートーヴェンの言葉や生涯に励まされたことを思い出しながら彼の名言についていくつかご紹介したいと思います。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

はじめに・自称「無給の秘書」シンドラーの存在について

ベートーヴェンにはプロデューサーの存在があった?

ベートーヴェンには多くの逸話や会話録が残っていますが、それらのほとんどが捏造ではないかといわれています。何故かというと、ベートーヴェンにはアントン・シンドラーという秘書がおり、そのシンドラーは「ベートーヴェンの名声を後世に残すためにはどんな捏造も厭わない」というような人物だったからです。彼はベートーヴェンが難聴を患い筆談で会話するようになるとその会話録を捏造し或いは演出するようになりました。

ですので、これからご紹介するベートーヴェンの名言についても創作である可能性が高いということを胸にとどめておくことが必要です。それにしても、ベートーヴェンには身近な人物に「この人を有名にしたい」と思わせる魅力があったことは確かでしょう。

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ベートーヴェンの名言8選

「不屈の人」ベートーヴェンを表している名言1

逆境を乗り越えようとしたベートーヴェンならではの名言です。

神がもし、世界でもっとも不幸な人生を私に用意していたとしても、
私は運命に立ち向かう。

ベートーヴェンは20代後半ごろから難聴を患います。音楽家でありながら日々少しずつ耳の聞こえが遠くなっていく絶望感は、想像を絶するものだったでしょう。絶望から彼は32歳の頃に自殺を決意します。しかし激情のまま遺書を書いていくうちに自身の底知れない音楽への情熱を知り、生きることを選びました。

耳の不自由な音楽家である自分が、その仕事と人生を全うすることが後世の人に勇気を与えられるのではないかと思いそれを自らの使命と架すことを決めたのです。ベートーヴェンの強い決意が伺える名言です。

「不屈の人」ベートーヴェンを表している名言2

本心と向き合い、弱音を吐くこともありました。

できることなら私は、運命と戦って勝ちたい。 だが、この世の中で、自分が最もみじめな存在なのではないか、 と感じてしまうことが、何度もある。 あきらめるしかないのだろうか。 あきらめとは、なんて悲しい隠れ家だろう。 しかも、それだけが今の私に残されている隠れ家なんだ。

不屈の精神力で希死念慮と戦ったベートーヴェンですが、親友に宛てた手紙では正直な不安・弱音を漏らすこともあったようです。

音楽に対して誰よりも熱意を持っている自覚があり、音楽家としての生涯を全うしたいという志がありながらも、聴力を失っていることから悔しい思いをすることも多かったのではないでしょうか。「諦めることができたら楽なのに」という悲痛な思いが伝わってきます。

「不屈の人」ベートーヴェンを表している名言3

「運命」という言葉に説得力があります。

人間はまじめに生きている限り、必ず不幸や苦しみが降りかかってくるものである。しかし、それを自分の運命として受け止め、辛抱強く我慢し、さらに積極的に力強くその運命と戦えば、いつかは必ず勝利するものである。

ベートーヴェンの有名な作品に交響曲第5番「運命」があります。「ダダダダーン」とまるで音を叩きつけるようなあのフレーズは、一度耳にしたら忘れられないほどの強いインパクトがありますね。しかしこの「運命」というタイトルはベートーヴェン 自身が付けたものではありません。

秘書・シンドラーの手記によると、シンドラーが「(交響曲第5番の最初の)この4つの音は何を表しているのですか?」とベートーヴェン に尋ねたところ「運命が扉をノックしている音だ」とベートーヴェンが返答した、ということが書かれています。このエピソードから日本では交響曲第5番を「運命」と呼び、今日に親しまれているのです。

シンドラーの手記の真偽は不確かですが、ベートーヴェンの生涯や作品の魅力からは強い説得力が感じられます。

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