外国との関係は?平成時代の外交問題
日本では元号が平成へと変わったとき、世界でも新しい時代が始まっていました。
ドイツでのベルリンの壁の崩壊、東ヨーロッパでの革命、ソ連の崩壊などで世界地図が変わり、2001年のアメリカ同時多発テロはイラク戦争やアフガニスタン紛争へと発展しました。
その結果ブラジル、ロシア、インド、中国などの国が世界に影響を与えるようになり、日本の外交も変わったのです。
アメリカの同時多発テロで勢力図も変わった?
2001年のアメリカ同時多発テロ事件では、ワールドトレードセンターや国防省にハイジャックされた旅客機が突入するなどして、多くの死者と負傷者を出しました。
事件を起こしたのはイスラム過激派のアルカイダという組織でしたが、アメリカは態度を強硬化させ、これがイラク戦争、アフガニスタン紛争へとつながます。日本ではイラク戦争へ自衛隊を派遣。政治と経済がより一層アメリカ寄りになりました。
また、資源価格の上昇により、アラブ首長国連邦などの資源国や、2000年代に著しく経済成長したブラジル、ロシア、インド、中国が世界に台頭することになりました。
世界金融危機で存在感!中国が世界を引っ張る時代に
2007年、アメリカのサブプライムローン問題が表面化して、世界金融危機が起こります。
サブプライムローンはアメリカのあまり豊かではない人を対象にした住宅ローンのことです。ローン返済金を受け取る権利は証券として売られ、投資の対象になっていましたが、返済できない人が増えたため、証券としての価値が暴落。
投資をしていた証券会社などの金融機関は大損をしました。これがリーマンショック、ドバイショックなどです。ここで中国がアメリカの債権を大量に引き受け、景気刺激策を行いました。日本はアメリカだけを見つめているわけにはいかなくなったのです。
平成時代の歴史年表
今まで紹介してきた平成時代の出来事を年表にしました。年表は20世紀と21世紀に分けてあります。すべての出来事を載せてあるわけではありませんが、歴史の流れを目で見ることで、もっと平成時代がリアルなものとして迫ってくるのではないでしょうか。
平成時代・21世紀が訪れるまで
1989年 – 平成と改元、ベルリンの壁が崩壊、東西冷戦が終結
ベルリンの壁の崩壊、東欧諸国の独立、そして冷戦の終結で、世界は平和になるのかと思われましたが、すぐに湾岸戦争が勃発。日本は多額の支援を行いますが、小切手外交と皮肉交じりに言われてしまいます。
とうとう日本が戦争に加担するときがくるのか、世界はどのように動いていくのか、不安を感じた人も多かったはずです。
1991年 – 湾岸戦争勃発、ソ連崩壊、バブル経済崩壊
ソ連の崩壊で世界の行方がどうなるかわからない中で、日本ではバブル経済が崩壊しました。生活が激変した人もいたでしょう。長い不景気の時代が続き、私たちの価値観は大きく変わり、生活は地味で堅実なものになりました。
また、湾岸戦争が始まり、日本では自衛隊の海外派遣を行うことになりました。演習ではなく、実際の任務としての海外派遣に戦争の影を感じた人もいたのではないでしょうか。
1995年 – 阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件
同じ年に災害が立て続けに起こったためにショックを受けた人も多かったでしょう。
阪神淡路大震災は兵庫県を中心として、大阪、京都などの近畿圏に大きな被害をもたらしました。木造家屋が倒壊し、下敷きとなったことで多くの人たちが亡くなりました。このときに建築基準法が注目され、震災の後も定期的に見直されています。
地下鉄サリン事件では、現在の東京メトロ千代田線、丸ノ内線、日比谷線の電車車両内で神経ガス・サリンが撒かれました。結果として14名の方が亡くなったことは決して忘れられません。治安が良いはずの東京で起きた無差別テロは私たちの意識を変えたのです。
21世紀になってから平成時代の終わりまで
2001年 – アメリカ同時多発テロ発生
21世紀を迎えたばかりのときに起こった大規模なテロ。日本人も犠牲になりました。このテロのせいで起こったのが2003年のイラク戦争やアフガニスタン紛争です。
イラク戦争ではアメリカなど4カ国で作られた有志連合がイラクで大規模な空爆を行い、多くの民間人が犠牲となりました。これがさらなるテロ行為を生み出し、アメリカは自爆テロと対テロ戦争の泥沼にはまり込んでしまいます。争いで争いを終わらせることはできないと多くの人が学んだはずです。
2008年 – リーマンショック
2001年に就任した小泉首相の構造改革で、景気が回復しかけていた日本を世界的な不況が直撃しました。
この不況の原因は、アメリカの投資銀行・リーマン・ブラザーズ・ホールディングスがサブプライムローン問題により破綻したことでした。アメリカの住宅ローン問題が日本に大きな影響を与えることに、グローバル化を感じた人もいたでしょう。
2011年 – 東日本大震災
2011年3月11日に東北地方を中心に発生した大地震です。震源域は広く、岩手県沖から茨城県沖にまで及んだため、東北から関東にかけての広い地域で大きな揺れが観測され、停電などの被害を被りました。
いまだかつて経験したことのない揺れに加えて、津波と原発事故も発生、死者・行方不明者は2万2千人余りで、これは関東大震災・明治三陸地震につぐ規模の被害です。私たちの生活は根底から揺るがされ、2020年現在も復興は終わっていません。
2016年 – 熊本地震発生
2016年4月14日夜、熊本県と大分県で起こった最大震度7の地震。最大震度7が4月14日と16日の未明の2度観測されたのが、この地震の大きな特徴です。このため余震を恐れる人々が、すぐ逃げられるようにと車中泊をするケースが多く、エコノミークラス症候群が注目されました。
また、国の特別史跡である熊本城も大きな被害を受けました。特に築城当時から残っていた東十八間櫓・北十八間櫓が石垣とともに崩れたのは、熊本の人たちにとって大きな悲しみとなりました。
2019年 – 改元
新天皇の即位に先立つ2019年4月1日に新しい元号・令和が発表されました。
令和は万葉集巻五、梅花の歌の序文をもとにした言葉です。さまざまな解釈の仕方がありますが、令という字には良い、美しいという意味、そしてめでたいという意味があるそうです。
天皇の譲位による改元だったことで、前もって国民に新しい元号を知らせることができました。このため、皆が余裕を持って新しい時代の訪れを受け入れることができたようです。5月1日には皇太子が天皇に即位、新しい時代がめでたく幕を開け、現在に至っています。
平成時代に関するまとめ
日本の平成時代について、解説しました。平成時代に特徴的だった4つの出来事、
- バブル崩壊
- 自然災害
- 戦争のない平和な社会
- ITの発達
について解説し、それが私たちに与えた影響と変化も紹介しました。また、この時代には経済のグローバル化により、外国との関係も大きく変化しました。そのきっかけとなった出来事も紹介してあります。
これからのことを再確認することは、私たちがなぜ今の位置に立っているのか、これからどこへ向かえば良いのか、ヒントになるに違いありません。