「ストレス解消のために泣ける小説が読みたいけれど、どんないいのかわからない…」
「感動できる小説を読んで思いっきり泣きたい!」
このように考えて書店を訪れたり、Amazonで検索したりしたものの「これじゃない」とガッカリされた方も多いのではないでしょうか。
感動小説と一口に言えど、恋愛から青春、動物など幅広い範囲のジャンルがあります。泣きたくて手にとった小説を読んだら、あんまり共感できなくて泣けなかった…なんてことも珍しくありません。
そこで、あなたが共感できる感動小説を選べるように、本記事では次の5つの切り口から作品を選びました。
- 恋愛モノ
- 青春モノ
- 動物モノ
- 歴史モノ
- 短編モノ
小学生のころに小説にハマり、数々の本を読んできた私が感動できるおすすめの作品を25冊、紹介します。読みたい!と思う小説が見つかったら、ぜひ読んでみてください。
恋愛モノ
ヴァイオレット・エヴァーガーデン
読んでみて
こちらはアニメ・映画化された、恋愛感動小説です。『自動手記人形』と呼ばれる代筆屋ヴァイオレット・エヴァーガーデンの依頼主視点で話が進んでいきます。
誰もが当たり前に知っている「愛」を、元少女兵のヴァイオレットは知りません。そんな彼女が、さまざまな人の「愛」に触れて成長していく物語です。
主人公のヴァイオレットを依頼主視点で描いている、一風変わった小説です。人の残酷さやどうにもならない切なさ、誰かを思う美しさなど一人一人の心理描写が丁寧に表現されていて、胸の奥がきゅっと切なくなります。
詩的な表現が好きな方、小説を読み慣れていない方におすすめの一冊です。
みんなのレビュー
自動手記人形=ヴァイオレットの依頼主の視点から描かれるヴァイオレットの姿。そこからはアニメとはまた違う彼女の表情を見る事が出来た。感情が分からない、普通の娘とは違う、と言いながら誰よりも心に響く言葉を紡ぐ彼女は本当に美しい。けれどその美しさの影には、目を背けたくなる程の痛みも抱えているのだと改めて思い知った。アニメで一通りの話を知っているからこそ、様々なシーンが鮮やかに蘇って、様々な言葉が言葉が胸に響いて、痛む。そして上巻を読み終わって思った事はただ一つ。彼女はギルベルトと出逢えて本当に良かった。
引用元:読書メーター
ぼくは明日、昨日のきみとデートする
読んでみて
100万部突破し、映画化もされた七月隆文さんのSFチック恋愛小説です。京都の美大に通うぼくはある日一目惚れをし、高嶺の花に見える彼女に声をかけ交際することに。しかし彼女には大きな秘密があり…..という物語です。
前半はほのぼのとした展開ですが、後半からは謎が明らかになって一気に話が進みます。作者がライトノベル出身のため読みやすく、中高生も楽しめる作品になっています。タイトルの意味がわかると、一から読み返したくなる小説です。
みんなのレビュー
君は月夜に光り輝く
読んでみて
第23回電撃小説大賞「大賞」の受賞作、佐野徹夜さんの恋愛小説です。大切なひとの死から、どこか投げやりに生きている僕は、ある日不治の病を患っている少女と関わることになります。彼女の「死ぬまでやりたいこと」に付き合うことになり…..という物語です。
大切な人の死について、考えさせられるお話でした。序盤は1人遊園地、メイド喫茶、文化祭のジュリエット役などクスリとさせられる話が多いです。しかし彼女の死が近づいてくるにつれ、やるせなさやどうにかならないのか、といった苦しい気持ちにさせられます。
ストーリー展開がわかりやすいため、小説を読み慣れていない人や中高生におすすめの感動小説です。
みんなのレビュー
前半、分かりやすく感動ストーリーだなぁ⋯⋯と思ってたんだけど、ヒロインとの関わりや主人公の生き様を読んでいるうちに感情移入してしまい、ラストはめちゃくちゃ感動しました。病弱系ヒロイン、尊いすね。 こんな感想書いといてあれだけど主人公のモノローグが思春期特有の後先考えない自分よがりなものを感じてちょっと気になった。もちろんこれは姉のことやそれに付随する家族との関係、そしてそんなものを露も知らない学校の人達、という構図から誰でも起こりうる精神構造だろうなとは想像がつくが、一貫して鼻につくのでちょっと困った。
引用元:読書メーター
君の膵臓をたべたい
読んでみて
「泣ける小説」としてランキング上位に食い込んでいる、10〜20代に大ヒットした、住野よるさんの恋愛青春小説。
高校生の志賀春樹はある日、病院で一冊の文庫本を拾います。それは、クラスメイトの山内桜良が記した日記帳でした。そこには、彼女の余命がもういくばくもないことが書かれており、春樹は彼女と深く関わることに…..という物語です。
終盤の展開は予想外で驚きでしたが、読後は優しい清涼感を感じられます。生き方について考えさせられる小説。主人公が高校生のため、学生におすすめの一冊です。
みんなのレビュー
余命10年
読んでみて
病気で亡くなった小坂流加さんの感動恋愛小説で、遺作です。20歳の茉莉は数10万人に1人という不治の病にかかり余命10年を言い渡されます。未来に対する諦めから、恋はしないと決めた茉莉でしたが…..という物語です。
限られた時間を前向きに生きていく姿に勇気づけられ、また時間のなさがどうしようもない切なさを感じさせる作品でした。特に、余命がわずかで長く側にいられないからと大好きな相手を突き放すシーンには涙がこみ上げてきます。
表現や構成について、あまり良い評価はつけられません。しかし、作者自身の体験が反映されているためリアルです。だからこそ伝わるものがある作品と言えます。
中学生や高校生、人生に悩んでいる方におすすめしたい一冊です。
みんなのレビュー
青春モノ
かがみの孤城
読んでみて
2017年5月に刊行された、辻村深月さんのファンタジー×ミステリーな青春小説です。学校での居場所をなくし、閉じこもっていた中学生こころと、似た境遇の7人が、ある日城のような不思議な建物に集められます。彼らにはひとつの課題が提示され、7人は心を通わせながら…..という物語です。
不登校で悩んでいるのは、当事者である子供たちだけではありません。母親もまた、子供の苦しみを理解しようとあがいているのです。立場の違う両者の心情が、丁寧に描かれており、少しずつ前へ進む様子に勇気づけられます。
謎が明らかになる後半は怒涛の展開で、最後には温かな感動を味わえる一冊。人間関係に悩んでいる方におすすめの小説です。
みんなのレビュー
プシュケの涙
読んでみて
2014年に刊行された柴村仁さんのミステリー青春小説。夏休み、補習中の教室の外を女子生徒が落下していきます。飛び降り自殺として、この事件は葬られようとしていましたが、目撃者を美術部の男子が問い詰めます。
絵を描きかけのままで死ぬはずがない、彼の予想は当たっていて…..という物語です。
少女の死の真相に迫っていく、構成が見事な青春ミステリーです。前半と後半で語り手が変わり、雰囲気も様変わりします。飛び降りた少女と美術部の少年の関係が明らかになり、後半につれて切なく、やるせない気持ちになる感動小説です。
みんなのレビュー
カラフル
読んでみて
2007年に刊行された森絵都さんの青春感動小説です。
生前の罪により、輪廻のサイクルから外された「ぼく」ですが、抽選にあたり再挑戦のチャンスを与えられます。自殺を図った少年の体を期間限定で借り、「ぼく」は生前の罪を思い出さなければならない…..という物語です。
コメディ調で進みますが、主人公が乗り移っている少年の問題はかなりシビアです。その少年の問題に主人公はひとつひとつぶつかっていきます。「世界って、そう悪いものでもない」と思える爽快な作品です。中高生はもちろん、大人も楽しめる小説になっています。
みんなのレビュー
西の魔女が死んだ
読んでみて
2001年に刊行された梨木香歩さんの感動児童小説。不登校になった少女が、大好きな祖母から魔女の手ほどきを受けます。魔女修行の要は、何事も自分で決めること。親の転勤が決まり、祖母の家を離れて2年、祖母がなくなり…..という物語です。
祖母の愛の大きさに、涙が止まらなくなる作品でした。魔女のトレーニングと聞くと、スピリチュアルなことを思い浮かべますが、内容は早寝早起きだったり食事をしっかり取るだったり、と当たり前のことばかりです。
読後はとても温かい気持ちになります。人生に疲れてしまった方や人間関係で悩んでいる方におすすめの小説です。
みんなのレビュー
西の魔女=おばあちゃんの家での日々の記録。赤毛のアンとトトロを一緒にしたような自然の中での生活が素敵です。そこで魔女修行という名の生き抜く為の修行を行います。いつでも穏やかに孫を見守るおばあちゃんのあたたかさが溢れていて、読んでいて幸せな気分になれます。
引用元:読書メーター
マレ・サカチのたったひとつの贈物
読んでみて
2018年に刊行された王城夕紀のSF感動小説。女子大生の坂地稀はある日、自分の意志とは関係なく世界中をワープする病気「量子病」にかかってしまいます。
いつまで目の前の人といられるか分からず、また再会できる保証もありません。出会いと別れを繰り返す彼女の行き着く先は…..という物語です。
世界中を飛び回る、という設定通り場面転換が多いのが特徴の作品です。まさに一期一会な主人公は、出会いの大切さを教えてくれます。SF好きな方や理系の方におすすめの小説です。
みんなのレビュー
動物モノ
旅猫リポート
読んでみて
福士蒼汰さん主演で映画化された動物系感動小説。
野良猫だったナナがサトルと暮らし始めて5年、とある事情からサトルはナナを手放すことになります。「僕の猫をもらってくれませんか?」1人と1匹が、懐かしい人々を訪ねて回る物語です。
猫の視点から描かれており、物語が進むにつれて彼らの事情が明らかになっていきます。最初はナナの斜に構えた語り口調がユニークでくすりと笑えますが、後半になるにつれてナナとサトルの絆に涙が止まらなくなる小説です。ねこ好きも、そうでない方も楽しめる作品です。
みんなのレビュー
世界から猫が消えたなら
読んでみて
2013年に本屋大賞のノミネートされた川村元気さんのファンタジー感動小説。
1匹の猫と一緒に暮らす郵便配達員の「僕」はある日、悪魔に余命がわずかであると告げられます。「世界からひとつなにかを消すと、1日寿命が伸びる」と言われ、悪魔の提案に乗った「僕」ですが、猫を消すことを提案され…..という物語です。
「世界から猫がいなくなったとしたら」という新鮮で独特な設定の作品です。時計やテレビ、インターネットがもしなくなってしまったら、どんな世界だろうと想像がふくらみます。ページ数が少なく、サラッと読めるので普段小説を読まない方におすすめです。
みんなのレビュー
おやすみ、リリー
読んでみて
2017年に発売されたスティーヴンさん著、越前敏弥さん翻訳の半自叙伝です。
ぼくはある日、愛犬リリーの頭に小さな「タコ」が張り付いていることに気付きます。その日から当たり前の日常は終わり、リリーは日に日に弱って…..という物語です。
主に飼い主の「ぼく」視点で描かれた日記帳のお話です。自叙伝とうたっている通り、愛犬との別れまでの日々を綴っているため、犬を飼ったことのある人にとって共感できる部分が多くあります。これから犬を飼おうと思っている方や現在飼っている方におすすめの小説です。
みんなのレビュー
人生を変えてくれたペンギン
読んでみて
22ヵ国で刊行されているトム・ミッチェルさん著、矢沢聖子さん翻訳のノンフィクション小説です。浜辺で重油まみれになったペンギンを見つけ、教師は拾いました。それからペンギンは学校の屋上で暮らすようになり、2人は絆を深めていきます。
著者の深いペンギン愛が詰め込まれた作品です。著者の後を追う姿や人と心を通わせるシーンなどが描かれており、人と動物の絆について考えさせられます。最後は少し切ない気持ちになりますが、読後は温かい気持ちになりますよ。
みんなのレビュー
通い猫アルフィーの奇跡
読んでみて
2015年刊行のレイチェル・ウェルズ著、中西和美翻訳の動物小説です。
ある日突然、飼い主を無くして野良猫になったアルフィーは、ある住宅地へとたどり着きます。そこで通い猫として生きようと決めたのですが、訪ね先の住民はみんな問題だらけで…..という物語です。
小さな猫が懸命に生きるお話です。飼い主やお姉さん猫からもらった愛を、今度は与える側になるアルフィーの姿に涙が止まりません。猫好きの方や猫を飼っている方におすすめの感動小説です。
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