「ミステリー小説を読みたいけれど、たくさんありすぎて何を選んでいいかわからない!」
「自分好みのミステリー小説を見つけたい!」
確かに、膨大な数に上るミステリー小説から自分に合ったものを選ぶのはむずかしいですね。それぞれ人によって好みも違うので、誰かにすすめられたものが、自分にとっても面白いとは限らないということもあります。
そこで今回は、大勢の人から支持を受け続けているミステリー小説を30冊、おすすめ順のランキングにしてご紹介します。「本格ミステリー」「どんでん返し」「暗号もの」など、さまざまなジャンルから選んでみました。自分のお気に入りのジャンルや作家を見つける参考にしていただけば幸いです。
小説ヲタクがおすすめするオールタイムベスト83冊【ジャンルや感情、気分別に紹介】
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
30位:闇に香る嘘
読んでみて
孫への腎臓移植が叶わず失望する主人公は、最後の望みをかけて兄に頼りますが、きっぱりと断られます。兄は永住帰国した中国残留孤児でした。「本当に実の兄なのか」という疑問を持った彼は兄のことを調べ始めます。
派手な事件が起こるミステリーではありませんが、戦争や残留孤児という負の歴史を身近に感じることができます。そして衝撃のラストはまさに秀逸のどんでん返し!
みんなのレビュー
兄は本当に自分の兄なのか、この難問が解き明かされたとき、その真実に驚愕した。この結末は予想できなかった。戦争という歴史が生んだ悲劇と言うべきか。
引用元:読書メーター
29位:QED 百人一首の呪
読んでみて
何かの暗号ではないか?と言われ続けてきた謎多き歌集「百人一首」。その謎解きに挑んだミステリーです。百人一首カルタのコレクターが殺されますが、その手には一枚の札が…。百人一首の謎解きと同時に事件の真相も明らかになっていきます。
何気なくカルタに書かれている文字の羅列に、さまざまな人の思いが込められていることを実感します。これを読んだ後からは、百人一首を見る目が変わるのではないでしょうか。
みんなのレビュー
28位:大金塊
読んでみて
ミステリーの巨匠「江戸川乱歩」の作品には、暗号ものもよくあります。デビュー作「二銭銅貨」もそうですが、こちらは少年探偵シリーズの中で有名な作品。お馴染みの二十面相との戦いとは関係のない普通の事件ですので、知る人ぞ知るといった作品でしょうか。
ある富豪の家から盗み出されたものは、金目のものではなく、紙切れ半分。しかしそれは先祖が残した埋蔵金の有りかを示す暗号文でした。奪われた暗号を奪還し、そして暗号解読の展開は児童文学といえども、大人も夢中になること必須です。
みんなのレビュー
少年探偵団シリーズはこの冒険描写が最高よね!ラストの洞窟、ワクワクしたわー!ヴェルヌ読んでるのかと…笑。今と違って道具が超アナログなのも、ヒヤヒヤ感が増していて、この年齢になって読んでも面白い!
引用元:読書メーター
27位:マリオネットの罠
読んでみて
破格の報酬に誘われて、住み込みの家庭教師をすることになった主人公の青年は、広大な敷地に建つ洋館を訪れます。しかしその地下室には、1人の美少女が幽閉されていました。青年は彼女を助け出そうとしますが、同時に連続殺人が起こり始めます。
青春ミステリーの第一人者である「赤川次郎」の作品は、どちらかといえば明るく楽しいイメージですが、こちらの作品からはそれらを裏返したような暗さと静けさの独特の雰囲気を感じることができます。
みんなのレビュー
26位:死と砂時計
読んでみて
架空の世界で起こる、ありえない事件の数々が不思議で面白いミステリー短編です。死刑囚だけが収容されている終末監獄に投獄されたアランが遭遇するのは「なぜ死刑執行の前日に殺されたのか?」「なぜ目立つ月夜を選んで脱獄したのか」など、奇妙な事件ばかり。
それを解決するのは、頭脳明晰の牢名主シュルツ。彼はアランを助手のように使い事件を解決していきます。そして驚きは、結末に待っているアランについての真実です。
みんなのレビュー
25位:吉原手引草
読んでみて
吉原を舞台に、その特殊な世界を見事に描きだした直木賞受賞作です。忽然と姿を消した人気の花魁「葛城」の謎を追って、1話ずつ吉原の関係者にインタビューしていく形でストーリーが展開されます。詳細な吉原の描写は、まるでその場にいるような臨場感!
知らず知らずのうちに「葛城」の魅力に読者もはまっていき、最後に用意された結末に素直に驚いてしまいます。
みんなのレビュー
最初は何があったのか読者には??なのだが店番、新造、遣手、床廻し、幇間、船頭といくにつれ徐々に核心に近づいていく。聞き手も誰なのかは謎で、最後に解き明かされる。これは直木賞に相応しい!
引用元:読書メーター
24位:邪馬台国はどこですか?
読んでみて
地下1階にあるバーのカウンターに集う3人の人物+バーテンダー。歴史好きの彼らが交わす歴史談義は「邪馬台国はどこなのか」「聖徳太子の正体は」など実に興味深くて楽しいものです。しかしその自由な発想は、驚きべき新事実を導きだしていきます。
さまざまな歴史の謎を解き明かしていく、1編読み切りの奇想天外な推理が並ぶ人気の短編集です。整然とした論理に「本当にそうだったんじゃないのおー」と思わず言ってしまいたくなること請け合いです。
みんなのレビュー
歴史も考古学も証拠の積み重ねが大事であり、それをすっ飛ばした展開はご愛敬。怒る人もいるかもしれないが、妙な説得力を一緒に楽しんだ方がお得。
引用元:読書メーター
23位:人麻呂の暗号
読んでみて
こちらはミステリー小説の枠から外れますが、暗号解読の楽しさをじゅうぶんに楽しめるドキュメンタリーとも言うべき作品です。誰もが知っている存在である「万葉集」。一見のどかで美しい風景や気持ちを読んだこの和歌集を暗号として読み解いた時、その裏には陰謀と悲痛な哀しみの心が浮かび上がってきます。
漢字と韓国語を駆使して万葉集に挑むやり方に賛否両論あるところですが、暗号解読の過程は面白く、言語そのものに対する興味と楽しさを味わえます。
みんなのレビュー
今読むとすごく主観的で、興奮して突っ走って書いてる感があるけれど、目の付け所はすごく面白いし、梅原さんの「水底の歌」と合わせて読むと本当に面白い。「ナラ」が韓国語で「国」だと知った時、日本の歴史のひもが一つほどけた感があったっけ。
引用元:読書メーター
22位:本陣殺人事件
読んでみて
探偵「金田一耕助」を世に送り出した「横溝正史」の作品は、どれもなかなかのおどろおどろしさと独特の雰囲気で、入っていきにくい方もいるかもしれませんが、短編集なら読みやすいのではないでしょうか。
表題作の「本陣殺人事件」は、旧家の婚礼の夜に起こった密室殺人事件。金田一探偵のデビュー作であり、密室とそれを構成する複雑な物理式トリックが有名です。
みんなのレビュー
金田一の大活躍やおどろおどろしい雰囲気というよりはトリックに重きを置いた作品中でした 密室殺人や顔のない殺人と言ったスタンダードと言うかオーソドックスと言うかまずそこを手掛けた、手掛けてみたかったという印象でした
引用元:読書メーター
21位:メルカトルかく語りき
読んでみて
このシリーズでしょっちゅう出てくるレビューが“読む人を選ぶ”というものですが、その意見どおりかなり独創的なストーリーです。本格ミステリーでありながら、予想をくつがえす推理を展開するのがダークで個性的な探偵「メルカトル鮎」です。
ではミステリーではないのかというと、きちんと本格ミステリーしているところが摩訶不思議。探偵の論理に驚き呆れて丸め込まれてしまう快感を、ぜひ味わってみてください。
みんなのレビュー
20位:猿丸幻視行
読んでみて
暗号ミステリーといえば必ずといっていいほど挙がる歴史ミステリーの名作です。百人一首の中の謎の人物「猿丸太夫」の正体と、いろは歌に隠された暗号。それが解き明かされていく過程は驚きの連続です。
現代の主人公が意識だけタイムスリップし、シンクロした明治の民俗学者「折口信夫」目線で語られていくという、ちょっとややこしい設定ですが、そんなことも忘れてしまうほど物語にはまり込んでいくこと必須です。
みんなのレビュー
19位:涙香迷宮
読んでみて
小説家、翻訳家、思想家、ジャーナリスト他、その肩書は数知れないマルチな才能をもった人物「黒岩涙香」が仕掛けた謎は、まさに怒涛の暗号世界!しっかり頭を働かせていないとわけがわからなくなりそうな言葉の嵐には驚愕の連続です。
連続殺人を含め、謎を解くのは天才囲碁棋士の少年ですが、暗号だけでなく彼の博識もすごい。暗号や言葉遊びに興味のある方におすすめです。
みんなのレビュー
18位:第三の時効
読んでみて
刑事たちが主人公の「F県警強行犯」シリーズの連作短編集です。表題作である、時効寸前の事件に仕組まれた意外な事実「第三の時効」を始め、それぞれの事件や捜査に挑む個性的な刑事たちがとてもリアルです。
事件だけでなく警察内部の事情や、登場人物たちの人間関係や心の葛藤など、実に見事に描き出されています。実際にドラマ化もされましたが、まさに質の良い刑事ドラマをみているような臨場感です。
みんなのレビュー
捜査一課強行犯係の連作短編集。長年の刑事の勘と犯人を憎む執念、前を読む力、閃き、どれにも長けた者がカリスマ性をもち 班長として事件解決に導く。その凄腕は本当に圧巻。のめり込んで読んでしまった。
引用元:読書メーター
17位:ロートレック荘事件
読んでみて
ロートレック本人は出てきませんが、屋敷に飾られている絵や彼本人の存在は重要なモチーフになっています。優雅なバカンスの最中に、銃声と共に起きた殺人事件。全員怪しげに見える登場人物、動機、トリックというこれぞ本格の謎解きミステリーの展開です。
賛否両論もあったという驚愕の結末は、一瞬「え?」と固まってしまうほどの衝撃度。「筒井康隆」唯一のミステリー小説は歴史に残る名作です。
みんなのレビュー
16位:シートン探偵記
読んでみて
歴史人物が探偵役を務めるミステリーを多数送り出しているのが「柳広司」。探偵たちはマルコポーロやザビエルなど実にマニアックな顔ぶれ。そして動物記で有名なこのシートンもユニークな探偵ぶりを発揮します。
動物に関する事件ならではの知識を駆使した謎解きは、驚いたり納得したりの連続でとても楽しい!また「カランポーの悪魔」と呼ばれたオオカミの話は感動です。