未来の日本は都市国家になる?
歴史のほとんどが領域国家であった日本ですが、最近では人口減少に合わせて日本は都市国家化した方が良いのでは、という意見があります。
なぜこのような意見があるのかというと、地方の人口減少問題があるからです。2040年、日本の人口は1400万人減少すると言われています。そうなると地方の過疎化が進むため、コストの割に成果が出ないと行った事態になります。
そこで地方から都市部へ人に移動してもらい、介護や医療・ITなどのサービスを都市部に集中させます。こうすると、今よりも低コストで高品質なサービスを実現可能になります。
分散していた情報やサービスが集中することで連絡がスムーズになったり、余った土地で農業を行ったりすることで生産性も高められるというわけです。
実際に資料が作られ、国で検討していたようですが、東日本大震災後そういった資料は公表されていません。しかし、このままいけば地方の過疎化が進み、都市部に人口が集中するのは必然と言えるかもしれませんね。
古代の都市国家
古代の都市国家の特徴
古代の都市国家の特徴は、都市周辺に農地と牧地を持ち、自給自足をしていたことです。
人間は狼やトラ、人間などの外敵から身を守るために集落を形成しました。始めは食料を求めて移動する生活を送っており、集落の規模も最小限でした。しかし、農業や牧畜が発展すると人々は1か所に定住するようになります。この頃になると集落の規模も大きくなり、都市へと発展しました。
初期の都市国家は、居住地の周辺で農業や牧畜を行う自給自足体制でした。しかし、近くの都市国家どうしで交易が始まると、交易に専念し、自分たちの食料をまかなうのに十分な農地・牧地を持たない国家も現れました。
たくさんの都市国家が生まれると、強大な力を持つ都市国家が弱い都市国家を従属させたり、同盟を結んだりし、密接な関係を持つようになります。
都市国家間での協力体制が固くなるにつれ、その領域内にある程度の秩序が生まれ、治安が保たれるようになります。こうした都市国家間の協力体制は、領域国家と呼ばれる1つの国へと姿を変えました。
例えるなら、今までA国とB国だったのが、合わさってC国になるイメージです。このように古代の都市国家は、食の確保から始まり、大きな国へとゆっくり発展していきました。
オリエント文明の都市国家
古代で最初の都市国家を形成したのは、メソポタミア文明のシュメール人です。紀元前3000年ごろに生まれたシュメール人の都市国家ウルクが代表的です。
ウルクは都市の中心に神殿を持ち、居住地を囲むように城壁を築きました。農地や牧地は城壁の外に位置しています。また、青銅器や楔形文字、法典の整備などの都市文明も発展しました。
一方、ナイル川流域のエジプト文明ではノモスという集落が形成されましたが、早いうちに古王国に統合されたため都市国家には至りませんでした。
ギリシャの都市国家
紀元前800年の古代ギリシャでは人々の集住化が進み、ポリスと呼ばれる都市国家が形成されました。ギリシャは平地が少なかったため、オリエントのような領域国家は生まれませんでした。その代わりにアテネやスパルタに代表される、大小さまざまなポリスが200ほど生まれます。
ポリスでは特定の支配者が政治を行うのではなく、土地を所有する農民や商工業者らで構成された市民団が国家を運営していました。
200ほどのポリスはそれぞれ独立した国家でしたが、4年に1度オリンピアの祭典(現在のオリンピックの原形)を行い、同じ民族として交流していたようです。
ローマの都市国家
古代、ローマは1つの都市国家としてその歴史をスタートさせました。
始めはメソポタミア文明と同じ王政でしたが倒されてしまい、執政官を中心とした貴族共和制に移行。支配領域を拡大していきましたが、戦争で活躍していた平民階級の力が次第に大きくなりました。
貴族の独占的な政治に不満を持ち、平等な権利を欲した平民は、紀元前5世紀ごろに身分闘争を起こします。これにより、ローマは市民による共和制国家へと変化していきました。とはいえ、元老院が残っていたため、貴族も多少の力を持っており、完全な共和政国家とは言えないものでした。
貴族と平民による争いがありましたが、ローマはイタリア半島の統一に成功しました。都市国家として機能しながら、ローマはローマ帝国へと移行します。
しばらくは都市共和政の伝統が保たれましたが、3世紀以降は再び専制君主制となり、都市国家としての形は失われました。
とてもわかりやすい記事で、すぐに内容を理解できました。
都市国家という魅力的な存在への理解が深まり感謝しています。
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