「世界史をどうやって勉強すればいいかわからない…」
「世界史の定期テスト対策はどうすればいいの?」
「共通テストや二次試験など大学入試の世界史の勉強法が知りたい!」
とこの記事を見ているあなたは疑問に思っているのではないでしょうか。世界史の勉強と一口にいっても、定期テストや大学試験、二次試験と試験の種類によって勉強法は異なります。
いざ世界史を勉強しようにも量が多くめんどくさいと思い後回しにしてしまったり、効率の良い勉強の仕方があればなと思ったこともあるはず。そこで今回は世界史の勉強法について解説します。
世界史の特徴や勉強のコツを定期テスト・共通テスト(旧センター試験)・二次試験とカテゴリー別でそれぞれ解説します。世界史が苦手なあなたもこの記事を読めば要点をおさえて効率よく勉強ができるようになりますよ。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
世界史の3つの特徴
暗記量が膨大
世界史B用語集 | 5600語 |
日本史B用語集 | 6600語 |
地理B用語集 | 3200語 |
歴史系科目は暗記量が膨大なことで知られています。山川出版社から出版されている『世界史B用語集』、『日本史B用語集』、『地理B用語集』の収録語数を比較すると、世界史Bは約5600語、日本史Bは6600語、地理Bは3200語です。
このうち、日本史は小中学校で学習した内容も含まれますので、高校に入ってから新しく覚える単語が最も多いのは世界史ではないでしょうか。
カタカナが多い
世界史に登場する地名・人名の多くはカタカナ表記です。海外の歴史を学ぶわけですから、外国語の音を移しカタカナでの表記が多くなるのは当然のことでしょう。しかも、長い名前の固有名詞も少なくありません。
たとえば、第一次世界大戦のきっかけになったサラエボ事件で暗殺されたオーストリアの皇位継承者はフランツ・フェルディナントといいます。たった二行のうちに「サラエボ」、「オーストリア」、「フランツ・フェルディナント」と3つものカタカナ語が登場します。
また、似たような人名が多く登場するのもやっかいです。16世紀から18世紀にかけてフランスを支配したブルボン朝には、教科書の太字だけでも「ルイ13世」「ルイ14世」「ルイ15世」「ルイ16世」と4人のルイが登場します。
しかも、1830年の七月革命後に即位した王は「ルイ・フィリップ」、1848年にフランス第二共和制の大統領となったのは「ルイ・ナポレオン」。もうルイだらけで嫌になってしまいますよね。このように世界史にはカタカナで似た名前がたくさん出てくるという厄介な特徴があるのです。
通史だけではなく同時代史も重要
通史とは各国の歴史を時代順に並べたもの。日本史は日本国の通史だといってよいでしょう。世界史には主要国だけでも、中国、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシアなどは通史としての学習が必須になります。
また、共通テストなどの大学入試で70点以上を取るには通史の勉強だけでは困難です。同じ時代に何が起きたかに注目して歴史を見るという同時代史をマスターしなければなりません。
たとえば、「5世紀」といわれてその時代に世界で何が起きたのか思い浮かべられるでしょうか。ヨーロッパではゲルマン人の侵攻により西ローマ帝国が滅ぼされ中国は南北朝時代の真っただなか、インドはグプタ朝の時代でした。つまり通史が縦軸だとすれば同時代史は横軸、双方をマスターすることで初めて高得点への道が開けるのです。
世界史の勉強法と3つのコツ
教科書の太字を覚える
教科書に出てくる「太字」、すなわち歴史的な用語(人物や出来事の名前)を覚えるのは歴史学習の基本です。また、太字だけを暗記するのではなく前後の文章と一緒に覚えるのが効果的な勉強法となります。知識の整理には参考書を用いるのが効果的でしょう。
【24年11月最新】世界史おすすめ参考書11選【入門編から共通試験編・難関大学編まで】
仮に「北魏の孝文帝は、都を洛陽に移し漢化政策をおこなった」という文章で、孝文帝が太字だったとしましょう。この一文から孝文帝は「北魏」の皇帝であり、都を洛陽に移し漢化政策を実行した人物であるのが読み取れます。
とすると、孝文帝に関する問題が出題された際には「北魏」「洛陽」「漢化政策」が答えを導き出すキーワードとなります。孝文帝という人名を覚えるだけではなく、前後の文章とあわせて覚えるとどの角度から聞かれても解答できるようになるでしょう。
歴史的出来事を並べ替える
歴史を見るうえで出来事の順番を捕らえるのはとても重要です。なぜなら歴史的出来事は先に発生した原因にひもづくように結果がついてくるケースが多いからです。ゆえに出来事の順番を並び替えよという問題はよく出題されます。
古代ローマ帝国を例にあげましょう。かつて古代ローマ帝国ではラティフンディア(奴隷を用いた大農園)が盛んでした。
しかし、ローマ帝国の領土拡張がストップすると戦争の敗者を奴隷として連行するのが難しくなります。そこでローマの有力者はコロヌスという小作人をつかった大農園コロナトゥスに移行します。
領土拡大と対外戦争での勝利がラティフンディアを可能にし、ローマが領土拡大できなくなると奴隷の流入が減少したためコロナトゥスが出現したわけです。出来事の並べ替えは解答率を高めるだけでなく、因果関係の整理にもつながる効果的な勉強法といえるでしょう。
歴史的な場所や地名を地図でチェック
歴史的な場所や地名は必ず地図でチェックしましょう。せっかく教科書の太字を覚え物事の順番を理解できても、どの国や地域で起きた出来事なのかわからなければせっかくの勉強も実りづらくなってしまいます。
例えば18世紀初めに結ばれたユトレヒト条約で、イギリスはスペインからジブラルタルを獲得します。イギリスが地中海の大西洋側出口に位置したジブラルタル欲しがったかのは地中海の制海権を得やすくするためでした。文字だけでは理解しづらいですが、地図でみると一目瞭然。
また交通路を重視するイギリスは、最重要植民地であるインドへの道を確保するためエジプトも支配下に置いています。イギリスの狙いは地図上でジブラルタルとエジプト、インド、イギリスの位置を確認すると理解できるでしょう。世界史において起きた出来事の場所を地図で確認しておくと一層理解が深まりますよ。