世界史の勉強法:定期テスト対策編
試験範囲を確認する
学校で行われる定期テストの「試験範囲」はページ数だけでなく、どの単元の内容が試験範囲になっているかも確認しましょう。多くの場合、試験範囲は教科書の○○ページから○○ページまでといったページ数で決められており、勉強しやすいよう内容で区切られているとは限りません。
試験範囲が一国または複数の国を含むのか、同じ時代または違う時代なのかによって出題内容は変わりますよね。例えば「古代ローマ」と「インド」が試験範囲だった場合、古代ローマだけなら紀元前700年から紀元後400年くらいまでが試験の範囲となります。
しかし、インドが加わると紀元前2300年頃から7世紀のヴァルダナ朝までが試験範囲になるかもしれません。
しかも、古代ローマとインドが試験範囲なら「季節風貿易」をつかった同時代史が出題される可能性もあり複雑さが一層増します。あらゆる出題パターンを想定して勉強ができるよう、試験範囲の内容をしっかり確認しておきましょう。
試験範囲の内容を年代順に並べ替える
試験範囲が発表されたら、教科書にある太字だけを抜き出して重要事項を並べ替えて勉強するのがおすすめです。出来事の並び替えは定期テストでは定番問題の一つですからね。
インドの王朝であれば、グプタ朝、クシャーナ朝、ヴァルダナ朝、マウリヤ朝の年代並べ替えなどは出題されやすいポイントです。
また近現代になると、より細かな並べ替え問題が出題されます。工場法、ラッダイト運動、チャーティスト運動、ロンドン万国博覧会を並べ替えよといった50年でのの出来事を並べ替えるとなると、順番をしっかり覚えていなければ正解しにくくなるでしょう。
重要年代を暗記する
定期テストのように試験範囲が限られている場合は、重要年代を片っ端から暗記するのも一つの手です。暗記専用に語呂合わせで覚える参考書も出版されていますので、有効な勉強法といえるでしょう。
とはいえ重要事項をすべて覚えるのが一苦労な人もいるはず。その際は学校の授業で「これは大事!」と先生が強調した年代を優先的に覚えるのがおすすめです。年代暗記は試験範囲が狭ければ狭いほど効果的めんですからね。
世界史の勉強法:共通テスト(旧センター試験)編
『詳説世界史』の通読
大学受験や共通テストにおいてもっとも参考になるのが山川出版社の世界史の教科書『詳説世界史』です。詳説世界史に書かれている太字や前後の文章は重要かつ要点ばかりなので必読がおすすめ。
もしあなたの世界史の教科書が山川出版社でない場合は、書店や山川出版社のサイトから『詳説世界史』を購入し夏までには通読すると良いでしょう。
主要国の通史をチェックする
世界史は欧米諸国や中国といった主要国とその周辺国の歴史によって構成されてます。かつては主要国の通史をおさえるだけでも高得点を狙えましたが、アフリカや東南アジアなど周辺史からの出題も増えているのが現状です。
とはいえ、主要国の通史が共通テスト攻略の大前提なのは今も昔も変わりません。遅くとも9月までには主要国の通史チェックを終わらさせておきましょう。また、各国の流れをつかむには漫画も効果的です。
同時代史対策の徹底
同時代史が多く出題されるのが共通試験最大の特徴です。各国の通史をチェックしたら、資料集や地図などで同じ時代の出来事を整理しましょう。多くの資料集に掲載されている世紀ごとの勢力地図を頭に叩き込めるかが同時代史攻略のカギとなります。
紀元前2世紀の地図を例にとると、中国では前漢の武帝が匈奴と戦い、中東にパルティア王国、地中海に共和政ローマが存在していたことがわかります。
5世紀になると、中国は南北朝時代、インドはグプタ朝、中東にササン朝ペルシア、東地中海にビザンツ帝国、西ヨーロッパはゲルマン諸王国というように勢力が様変わりします。
上記のような変化を文字だけで整理するのは困難です。地図を使いながら同時代の勢力を整理すると世紀ごとに各勢力の動向をつかめるので効果的ですよ。
過去問をやりこむ
共通テスト対策の仕上げはとにかく過去問をやり込むこと。問題が同じ形で出題されるわけでもないのになぜ過去問をやりこむべきかというと、共通テストの形式に慣れる必要があるからです。
試験範囲が限られている定期テストと範囲が決められていない同時代史ありの共通テストは別物といっていいほど出題傾向が違うので、共通テスト用に自分の思考を変える必要があります。
世界史の勉強法:個別試験・二次試験対策編
各大学の出題傾向をチェック
共通テスト後に行われる各大学の個別試験・二次試験は大学ごとに出題傾向が異なります。例えば北海道大学は大問3問構成で各時代や地域からまんべんなく出題され、青山学院大学では近現代の国際関係や文化史から出題されるケースが多いです。
このように各大学で出題傾向が異なるため、過去問集の「赤本」で事前に出題傾向を把握しておきましょう。
論述対策
世界史の論述は大きく分けて大論述、中論述、小論述の3つです。大論述は300字以上、中論述は100~300字程度、小論述は100字以下の論述問題をさします。
大論述の代表は東京大学。2019年には「18世紀半ばから1920年代までのオスマン帝国の解体過程」を450~600字で論述せよという内容が出題されました。小論述の例としては2020年首都大学東京の「この皇帝(ユスティニアヌス)の内政面での活動を50字以内で説明しなさい」などがあります。
論述対策では覚えてきた知識をとにかくアウトプットするのが大切です。教科書の文章を参考にしながら、歴史用語を自分の言葉で説明する訓練を積み重ねましょう。
可能であれば世界史の教員・指導者から添削指導を受けるのがお勧めです。模範解答を見るだけではどのように修正すればよいか判断が難しいですよね。客観的にみてもらい端的にまとまっているか添削してもらいましょう。
おすすめの世界史参考書&問題集
『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書』
この参考書の特徴
今までの参考書にありがちだった年号暗記や教科書内容の羅列といったわかりにくさを改善した画期的な参考書。地域や主役となる国を固定する方法は世界史を理解する上でとても有効です。
地図や関係図、概念図などを豊富に用いてわかりやすくまとめられているので、受験生にもおすすめです。
みんなのレビュー
わかりやすい!世界史って、高校でとらなかったから、中学生レベルしか知識がなかったけれど、かなり、学べた。これで、ヨーロッパ文学とか、西洋美術とかも、もう一回触れてみたくなった。きっと、もっと知識面で理解できるはずだ。積読になっていたのが、もったいなかった。
読書メーター
『 NEW青木世界史B講義の実況中継』
この参考書の特徴
世界史参考書の定番「世界史実況中継」です。会話形式で解説されているので読みやすい反面、かなり細かな内容までふれています。難関大学につきものの論述問題に対応するには、最低限でも実況中継レベルは頭に入れておかなければなりません。
今回紹介しているのは第一巻ですが、本編だけでも全4巻と大ボリュームです。正直、共通試験や中堅大学で必要な知識以上内容なので、この本を活用するのは難関大を受けるか、より詳しい内容を知りたいかに限られるでしょう。
みんなのレビュー
余計なことや間違ったことが書かれていて大事なことが書かれてないみたいなレビューをみるけど、それは山川の一問一答や用語集と照らし合わせて赤字になってるところをこの本に自身で注釈したうえでさほど重要でないと思われる部分は読み飛ばせば良いっていうか、本書は世界史に触れる下地を作る(流れを摑む)ための本だと割り切ってるからさほど気にならない。むしろ無味乾燥とした教科書に比べて、青木先生が『世界史』という原材料に塩胡椒を振ってみんなが食べられるように味付けしてくれてるから、世界史の勉強が楽しく思えてくるまである。
読書メーター
世界史勉強法に関するまとめ
いかがでしたか?
今回は世界史の勉強法について解説しました。社会系科目の中でも暗記量の多い世界史を独学で勉強するのは至難の業、定期テストや共通テストで苦戦する学生が多い科目です。
しかし、この記事を参考に要点をおさえながら効率よく勉強できれば苦手科目だった世界史も得意科目になるでしょう。
今回の記事を読んで少しでも「そうだったのか!」と思っていただき日々の勉学の助けになれば幸いです。