世界遺産マチュピチュとは?見どころや歴史、謎、行き方を詳しく紹介

太陽の神殿と陵墓

太陽の神殿(上)と陵墓(下)

太陽の神殿と陵墓は建物が一体となっており、まるで塔のような形をしていることからトレオン(塔)と呼ばれています。

下の陵墓は自然の洞窟を利用しており、中には飾り棚や3つの段がある石積みがあります。初めはミイラを納めた墓なのではないかと思われており、それが名前の由来となっています。

しかし、ミイラは見つからず、太陽の神殿の真下にあること、作物の絵が描かれた陶器が見つかったことから、大地の神パチャママの神殿ではないかと言われています。

真上の太陽の神殿はマチュピチュで唯一、カーブを描く壁が使われた立派な建物です。2つある窓からはそれぞれ冬至と夏至の太陽の光が差し込み、中の聖なる石を照らします。

王女の宮殿

王女の宮殿
出典:フォートラベル

王女の宮殿は太陽の神殿の隣にある、石積みの建物です。マチュピチュの建物の中でも丁寧に石が組み合わされており、技術の高さが見て取れます。

探検家ハイラムによると、この宮殿には太陽の神殿を守るものが住んでいたとされています。

インカ帝国では皇帝は、コヤと呼ばれる正妻と多くの側室をとっていたそうです。記録が残っていないためなんとも言えませんが、他の建物と比べて緻密に作られていることを考えれば、重要な役割にいた人が住んでいたのは間違いないでしょう。

王の別荘

王の別荘

王の別荘は、太陽の神殿の道を挟んで隣の建物です。ここはマチュピチュを建設したパチャクティ皇帝が滞在していた場所と推測されており、一説によればクスコの寒さから逃れるためにこちらの別荘に身を寄せていたのではないかと言われています。

入り口にはでっぱりのある大きな石があり、その先の部屋には石臼のようなものが設置されていることから台所と考えられています。王の部屋は意外と小さく、脇の細い通路は1畳ほどの小部屋へ繋がっています。

小部屋は外の水路と通じていることから水洗トイレ、もしくは祈りを捧げる場だったという説がありますが、はっきりとしたことはわかっていません。

現代のマチュピチュ事情

人気スポットが見られなくなるかも?

いつか行きたい観光スポットとして人気を集めているマチュピチュですが、最近では劣化が進んでいてもう見れなくなるのではと心配する声が上がっています。

その理由として観光客による人的被害があります。

用を足したり遺跡の上に登ったり、挙げ句の果てには落書きや遺跡の破壊などマナーの悪い観光客により、貴重な遺跡群の劣化が目立っているのです。また、はしゃぎすぎて転倒・転落して死者が出たこともあります。

こうしたこともあって年々制限が厳しくなり、入場制限や監視員による退場命令、ガイド同伴必須などが設けられました。さらに遺跡の劣化が激しく、実際に2019年5月15日から約2週間ほどマチュピチュの三大名所である「太陽の神殿」「コンドルの神殿」「インティワタナ」が閉鎖されたこともあります。

マチュピチュはペルーの重要な観光資源なので、完全に閉鎖されることはないでしょう。しかし、見学できる場所が減る可能性は十分あります。マチュピチュ遺跡を隅々まで堪能したい方は、できるだけ早く訪れたほうがいいかもしれません。

日本のマチュピチュ

雲海に浮かぶ日本のマチュピチュ「竹田城」

神秘的で美しい天空都市マチュピチュ。海外まで出かけなければ見られない世界遺産ですが、実は日本国内でもマチュピチュ気分を味わえる場所がいくつかあります。

最も有名なのは「東洋のマチュピチュ」と称されている愛媛県のマイントピア別子東平ゾーンです。

ここは大正5年から昭和5年まで、別子銅山の採鉱本部があった鉱山都市。山肌に沿って築かれた石造の壁や物資を運んだ鉄道跡の階段はマチュピチュをイメージさせます。山中に突然現れ、しかも霧が多いという点がマチュピチュとの共通点です。

次に有名な日本のマチュピチュは、兵庫県にある竹田城です。早朝の霧に包まれた山上の城が、まるで天空に浮かんでいるように見えるため「天空の城」と呼ばれています。映画のロケ地にもなっており、日本のマチュピチュの中では一番の人気を誇ります。

マチュピチュ観光の注意点

遺跡内にトイレがない

マチュピチュ遺跡内にはトイレがない

日本にいると失念しがちですが、マチュピチュの遺跡内にはトイレがありません。

ですが再入場が可能なので、トイレに行きたくなったら入り口まで戻ってすることができます。とはいえ、すぐに行ける距離でしたくなるとは限りません。ゆっくりと余裕を持って楽しむためにも、遺跡に入る前にトイレを済ませておきましょう。

ちなみに、遺跡入り口には赤十字診療所があります。もし体調が悪くなったときは簡単な処置や薬を購入できます。

遺跡内での食べ物の持ち込みや食事は厳禁

遺跡内での食事は禁止。ペットボトルなどは持ち込みOK

マチュピチュの遺跡での食事や食べ物の持ち込みは禁止されています。

食事をしたい場合は、遺跡の入り口にあるホテル「ベルモンド・サンクチュアリ・ロッジ」のビュッフェかイートインスタイルのカフェでとりましょう。

上記の見どころをすべて回った場合の所要時間は約3時間30分となっています。遺跡は再入場可能なので、お腹がすいたら一度出て食事を取るのもいいですね。

日差しが強く、虫が多い

マチュピチュは標高約2500m。温度差が激しく年間の最高気温は20度、最低気温は5度。

マチュピチュは最寄りの都市クスコよりも標高の低い場所にあり、紫外線が強いです。また、見晴らしの良い高地にあるため、日陰もなく遺跡滞在中はほとんど日差しが当たる環境。さらにベストシーズンの5〜10月はブヨや蚊などの小さな虫が発生し、刺されるとかゆくなります。

そのため、暑いかもしれませんが長袖長ズボンでの見学をおすすめします。虫除けスプレーなどもあるといいかもしれませんね。

マチュピチュに関するまとめ

マチュピチュについて解説しましたが、いかがでしたか?

マチュピチュを建造したインカ帝国は、文字を持たない文化だったため資料が残っておらず、建造の目的や都市の役割についてははっきりとしたことがわかっていません。だからこそ、想像する余地もあると言えます。

景色も実態も神秘的なマチュピチュの遺跡を見学しながら、遠い昔の暮らしを想像してみるのも面白いかもしれませんね。

本記事が、マチュピチュ観光を楽しむ手助けになれば幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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