ベルベル人とは、マグリブ地域に古くから住む諸民族の総称です。その存在は紀元前から認められています。
また、トゥアレグ族・リーフ人といった多民族から多くの影響を受けたことで、さまざまな文化と共存した民族でもありました。
そんな長い歴史を持つベルベル人ですが、
「ベルベル人ってどこの人たちなの?」
「ベルベル人には美人が多いって本当?」
「ベルベル人出身の有名人が知りたい!」
など、ベルベル人の詳細が気になっている方も多いはず。
そこで今回は民族の歴史に詳しい筆者がベルベル人の特徴や築いた王朝、有名美女からイケメンまでをわかりやすく解説します。この記事を読めば、ベルベル人について漏れなく理解を深められますよ。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
ベルベル人とは?
ベルベル人とは、マグリブ地域に古くから住むトゥアレグ族・リーフ人といった諸民族の総称です。もともとは白人の肌を持つコーカソイドでしたが、トゥアレグ族との混血によって一部の民族は黒人の肌を持つネグレクト化しております。
ベルベル人の名前の由来は、「聞きにくい言葉を話す者」、「訳の分からない言葉を話す者」の意味を持つギリシャ語・バルバロイからつけられました。そのこともあり、ベルベルと呼ばれることを嫌がる現在のベルベル人たちは自分たちのことを「誇り高き自由人」の意味を持つアマーズィーグと呼んでいます。
また、ベルベル人は古くから住んでいたマグリブ地域はモロッコやアルジェリア、モータリニアなどの北アフリカの西側を指します。「西方」の意味でも用いられました。
マグリブ地域に侵攻したアラブ人によって、イスラム化したベルベル人たちはアラビア語を強制的に話すことを義務付けられます。そのことにより、ベルベル人が興した王朝は多々ありますが、ベルベル語を公に話す機会はなくなりました。
ベルベル人の抑えておきたい4つの特徴
数多くの敗北と差別を経験した民族
ベルベル人は紀元前のころから侵略者との戦いに明け暮れ、敗北した後に服属という道をたどった悲運な種族でもあります。ベルベル人を服属した民族はローマ人やアラブ人であり、彼らにベルベル語を軽視されたことによってラテン語やアラビア語を話すよう指示されました。
そして、ベルベル語を話すことから差別を受け、ベルベル人と呼称されました。
美人とイケメンが多い民族
ベルベル人は美人とイケメンが多いことで有名な種族。女性は「色っぽくて、魅力的」、男性は「根性があって、勇気がある」と評価されています。しかし、男性の評価は時々「頑固で融通が利かない」と悪い意味でとられることが多々。
このような評価をアラブ人たちは言葉遊びのように使い、アラブ人男性がベルベル人女性と付き合った時は羨ましがれ、逆にアラブ人女性がベルベル人男性と付き合うと心配されることもあります。
部族ごとに異なる民族衣装
ベルベル人は多くの民族の総称なので、民族衣装も民族ごとにバラバラ。特にトゥアレグ族は青いターバンを民族衣装として使用することから「青衣の民」として知られています。
また、男性が顔まで衣装で覆っているのに対し、女性は皮膚を出していることが特徴。これには男性であることの象徴や悪霊から身を守るため、おしゃれの一部分としての意味があります。
クスクスやタジン鍋などを生み出した食文化
マグリブ地域は砂漠が大半を占め、水が乏しい場所。しかし、その場所だからこそ水を使わない料理・タジン鍋やクスクスといった食文化が生まれたことも特徴です。
タジン鍋はタジンと呼ばれる鍋を使用し、野菜から出る水分を利用し蒸し焼きにした料理。クスクスもタジン鍋と同じ原理で作られています。加えて、雪解け水で農作物の栽培や家畜の飼育もしているので、食材に豊富な場所でもあります。