炎上の激化
唐澤弁護士の登場で、一時的に「八神太一」に対する誹謗中傷は収まりました。しかし、掲示板利用者たちが恐れた「IPアドレス開示要請」は、後に3段階あることが判明します。そして、唐澤氏が行ったのは第1段階のみであり、開示されてもほとんど実害がないと判断されたのです。
さらに、最も重い3段階目は時間とお金を消耗するため、「実行されることはないだろう」との安心を与えました。
その後、掲示板利用者たちが唐澤氏について調べていくと、唐澤氏のさまざまな黒歴史が露見します。それは、過去に迷惑なブログやTwitter(スパム利用)運営を行っていたことや、実際には直前まで「IPアドレス開示要請」の方法も知らなかったことなどです。弁護士らしからぬ誤字や脱字が多かった点も、人々の批判を集めました。
さらに、唐澤氏の実家は歴史ある裕福な家庭であり、父は有名な会計士であったことから、妬みや嫌がらせを生む結果となります。そして、誹謗中傷の標的は「八神太一」だけでなく、唐澤氏にも向けられることとなったのです。
すると、今度は唐澤氏が依頼人を差し置いて、自らの保身のために動き出しました。悪意のある書き込みや画像に対し、自身へのIPアドレス開示のみを要請します。つまり「八神太一」分の要請をしなくなってしまったのです。
唐澤氏は掲示板利用者たちから「無能弁護士」と呼ばれ、炎上の激化が続くこととなりました。その後唐澤弁護士は、自身への誹謗中傷と戦うことになります。
恒心教の発足
「無能弁護士」という烙印を押された唐澤氏は、自身への誹謗中傷に対して、次々と「IPアドレスの家事要請」を行う一方、無関係の人たちも巻き込んで行きました。この行為は、後に「検索汚染防止の為」と本人が主張していますが、当時の掲示板では多くの反感を買っています。
こうして、ネット上での環境や唐澤氏自体が「ネタ性」に富んでいたことから、掲示板利用者は次第に彼を神格化し、恒心教の発足に至ったのです。
冗談で生まれた恒心教信仰者は、当時掲示板上で再熱していた「オウム真理教」の影響から、唐澤氏を「尊師」と呼ぶようになります。その他にも、唐澤弁護士が所属する事務所を「聖地」、恒心教を信仰する人を「恒心教徒」と呼びました。
恒心教の過激化
唐澤氏が行った「IPアドレスの開示要請」は、最初のころは恐れられていたものの、実害がほとんどないと判断されると誹謗中傷は再び激化しました。そしてその後、恒心教は過激化していきます。
すると、掲示板内で嫌われ者となった唐澤氏に対して、徐々に関心を寄せる人が増加したのです。「どのレベルなら訴えられるか」といったチキンレース思考が相まり、殺害予告や問題行為が100万回以上と続出。大きな事態まで発展してしまいます。
しかし、唐澤氏が掲示板側に削除を申し入れた際には却下されており、後に彼が「ネット法改正の必要性」を訴えるきっかけとなりました。恒心教の問題行動は徐々に拡大・過激化し、〇〇路線と呼ばれる数々の行いが問題視されるようになるのです。
問題行動の呼称である〇〇路線とは
恒心教には、〇〇路線という問題行為の呼称があり、多種多様な活動路線を指します。恒心教の問題行為は過去の話ではなく、現在でも問題視されているのです。
〇〇路線は、それぞれの思想や内容によって分けられ、中には過激なものも存在します。下記では、数ある〇〇路線の中から、主な8つをご紹介します。
1.布教路線
布教路線とは、利用者の多いコンテンツを利用し、恒心教を広めることを指します。中には、人気のゲームやYou Tubeを利用し、「八神太一」の本名や「唐澤貴洋」の名を晒す行為もあるようです。
また、2021年時点ではTwitterアカウントにて、堂々と恒心教を名乗る人物も多数存在しています。ちなみに、布教路線の派生として、「海外布教路線」も存在。宗教団体は国内での布教が手詰まりになると、海外布教へシフトすることがあります。
実際に、現在確認されているだけでも中国や韓国、遠くはタイやブラジルでも恒心教徒が存在しているのです。
2.事実追求路線
事実追求路線とは、インターネット上で懸念される嘘やデマを拡散せず、ありのままの情報を伝え広める路線です。数ある恒心教〇〇路線の中でも、最も効果的で正当な路線と言われています。
事実追求路線は、恒心教の基本とされる路線です。恒心教の世間的評価を下げないためにも、事実追求路線の重要性を唱える信仰者もいます。
唐澤氏の行動は事実がネタとなる認識だったため、都度公表される新事実が「恒心教」への信者熱を燃やし続けたといっても過言ではありません。
3.芸術路線
芸術路線とは、「八神太一」や唐澤弁護士および恒心教をテーマに、イラストや画像を制作する路線です。後に衰退しますが、一時人気の高かった路線のひとつとなります。
ファンシーなものからリアリティあふれるものまで、作風や作品はさまざま。現在でも、Twitter上で簡単に閲覧できます。ちなみに、現在までに生み出された制作物は、画像や動画に限らず「音楽」や「文字列」といったものも。
恒心教内でも、芸術路線の教徒を「芸術教徒」や「芸術芋」と呼ぶそうです。
4.コミケ路線
コミケ路線は、恒心教をモチーフとしたイラストやグッズをコミックマーケット(通称コミケ)で販売し、広める路線です。〇〇路線の中でも特に問題点が多く、現在では消滅したと言われています。
コミケ路線の発足は、販売計画時に同人サークルが出店したことがきっかけです。しかし、出店時に多数の問題行為を起こしたことで、恒心教内でも嫌われる原因になりました。
コミュニティの大まかな推移その物は大体史実通りではあると思いますが、彼の出した書籍の「実際の評判」について触れないのはややアンフェアなのではないかと思われます。
また炎上した要因に「妬み」を挙げるのはやや安直な気もします。
数々の問題点の存在が大前提であって、そこに嫉妬理論を持ち込むのは個人的に違和感が拭えなくて・・・