「朝鮮戦争ってどんな戦争?」
「何がきっかけだったの?」
「日本は朝鮮戦争に関係があるの?」
本記事を読んでいるあなたはこのような疑問を抱いているのではないでしょうか。朝鮮戦争とは1950年に朝鮮半島で勃発した戦争です。
朝鮮半島は日本のすぐ近くにあるため、かねてより日本とは深い関わりがありました。しかし、朝鮮戦争は第2次世界大戦の終戦後に起こったにもかかわらず、日本ではよく知らない人が多く、学校の授業でも深くは触れていないようです。
今回はそんな朝鮮戦争について、原因から結末までをわかりやすくまとめました。日本との関係ついてもわかります。この記事を読むと、現在の日本と朝鮮半島の関係についても、理解が深まると思います。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
朝鮮戦争とは
朝鮮戦争は1950年6月25日に始まり、3年ほど続きました。朝鮮半島で現在の北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と韓国(大韓民国)のどちらが主権を握るか、という民族同士の争いでしたが、この2つの国を援助するという名目で大国が介入してきました。
北朝鮮を援助していたソ連、ソ連と同盟関係にあった中国、そして韓国を援助していたアメリカの争いが朝鮮戦争だったとも言えます。これは社会主義と自由主義のぶつかり合いでもあり、世界の国々に大きな影響を与えました。
朝鮮戦争の参加国
朝鮮戦争は現在の北朝鮮と韓国の争いでした。しかし、この2つの国を援助していた大国の存在、さらには国連が介入したため、朝鮮戦争の参加国は多く、世界中に影響を与えていました。
北朝鮮側の参加国 | 韓国側の参加国 |
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現在の北朝鮮 (朝鮮民主主義人民共和国) | 現在の韓国 (大韓民国) |
北朝鮮を援助した現在のロシア共和国 (ソ連) | 韓国を援助したアメリカ合衆国 |
ソ連と同盟関係にあった中国 | アメリカを中心に結成された国連軍 (イギリス、フィリピン、オーストラリア、カナダ、 ベルギー、タイ王国など、計22カ国で構成されていた) |
日本は公式には参戦していませんでしたが、別の形で協力していました。
朝鮮戦争の目的
南北に分断された朝鮮半島を統一することが朝鮮戦争の目的でした。北朝鮮は「国土完整(共産主義で国家統一を図る)」、韓国は「北進統一(自由主義で国家統一を図る)」のスローガンを掲げ、自国の政治体制で半島を統一しようとしたのです。
だからこそ朝鮮戦争は社会主義と自由主義のぶつかり合い、東西冷戦の影響を大きく受けた戦争だと言えます。
朝鮮戦争勃発の原因
朝鮮戦争勃発の原因は、朝鮮国内が反米に傾いたからで、金日成はアメリカを追放して、社会主義の国を作ろうとしました。しかし、そこにはソ連の思惑も関係していました。
先程も説明しましたが、日本の統治が終わり、朝鮮半島は混乱状態になりました。政府が武力でこれを抑えようとしたことで、朝鮮半島内の人々はアメリカに対して不信感を抱きます。北朝鮮はソ連の支援を得て、武力侵攻して国を統一したいと考えますが、最初からスムーズに支援を得ることはできませんでした。
北朝鮮への支援には、アメリカの手前、ソ連はあくまでも慎重な姿勢でしたが、1950年に態度が一変します。ソ連が原爆の製造に成功して、アメリカと並ぶ核保有国になったことで、北朝鮮への支援を決定、朝鮮戦争が勃発することになったのです。
朝鮮戦争の結末
1953年7月27日に北朝鮮は国連軍と休戦協定を結びました。休戦時に戦線があった北緯38度線付近は軍事境界線となり、それを境に現在の北朝鮮と韓国が存在することになりました。
あくまでも休戦であり、終戦ではないため、2つの国はいまだに戦時中で、平和条約は結ばれていません。また、北朝鮮とアメリカの間にも平和条約は結ばれていません。
2018年には、南北首脳により終戦を目指した板門店宣言が発表されましたが、実現には至りませんでした。
日本と朝鮮戦争の関係
朝鮮戦争は日本にとって明暗両方の面を持っていました。
朝鮮戦争当時、日本はアメリカを筆頭とする連合国に占領されていました。日本は朝鮮戦争で戦う国連軍に物資を輸送したため、国内は好景気になります。
しかし、実際にはそれだけではなく、日本から掃海(敵が海に撒いた機雷を処理して、味方の安全を確保すること)部隊や従軍看護師などを派遣し、犠牲者も出ています。国内でもきな臭い事件が起こり、人々は再び戦争への不安にさらされることになりました。
誤字がひどすぎる。