死刑囚最後の食事まとめ【21名が選んだ最後の晩餐を紹介】

二コラ・サッコ：バルトロメオ・ヴァンゼッティ（2名同時の食事）

1920年に起きた強盗殺人事件の犯人とされていた2人です。イタリア移民でアナーキスト（無政府主義者）だった2人に対する偏見として、冤罪の疑いが当時から持たれており、イタリアをはじめヨーロッパで大規模なデモが起こったといいます。事件は、1919～20年にかけて2件の強盗事件が発生。製靴工場をギャングに襲われ、2人が殺害されており、2人は事件の翌月に逮捕されました。

2人の食事は、スープ・肉・トースト・紅茶だったといい、電気椅子で処刑されています。この事件は再調査され、1977年に当時の裁判が敵意と偏見に基づいた誤認逮捕だったとして、無実を公表。署警備にあたる8月23日は「サッコとヴァンゼッティの日」と宣言しました。

オスカー・レイ・ボーリンJr.

1986～89年に3名の女性を誘拐・殺害した人物です。3人は強姦後に、刺殺された状態で発見されていました。4件目で銃の玉が不発だったために、殺人が未遂として逮捕。服役中に離婚したボーリンの元妻が、新しい夫にボーリンの犯行を自供したために、今までの殺害が明らかとなり死刑が宣告されました。

ボーリンの最後の食事は、あばら肉のリブステーキ・ベイクドポテトのサワークリームのせ・アイスバーグレタスで作ったサラダ・パン・メレンゲをのせたパイ、コーラだったといいます。死刑の前に犯人はインタビューを受けており、28年刑務所に収監されていたのでやっと解放されるとコメントしています。2016年に薬物により処刑されました。

ジョゼフ・ミッチェル・パーソンズ

1987年に男性を殺害した罪で死刑となった人物です。仮釈放中の身元引受人の家から逃走し、ヒッチハイクしていて乗せてくれた男性を殺害し、車を奪っています。逮捕後パーソンズは、被害者男性からセクシャルハラスメントを受けたと主張。しかし認められず死刑が確定し、薬物刑に処されました。

1999年に刑の前に希望した最後の食事は、バーガーキング特大ハンバーガー3個、大盛ポテトフライ2個、チョコチップアイスクリーム、グレープ味バブルガムだったといいます。彼の刑は、ユタ州で薬物注射と銃殺が両方行える新しい部屋での最初の執行者だったということです。

フィリップ・ワークマン

1982年に強盗殺人事件を犯した人物です。コカイン中毒であったために、薬物資金を得るためにハンバーガー・チェーン店に押し入り、警察官を1人射殺しています。逮捕後死刑が確定しました。2007年に薬物刑が執行されています。

最後の食事は、「野菜ピザをホームレスの人々に贈りたい」と言ったそうです。しかし刑務所側は「最後の食事を寄付することは出来ない」と拒否、結局普通の食事を取ったといいます。それを聞いたマスコミが死刑囚の名で宅配ピザを注文し、ホームレス施設に贈ったそうです。ワークマンは事件当時ホームレスだった経緯もあり、施設に贈りたいと考えたのだろうといわれています。

トーマス・J・グラッソ

1990～91年に2名の高齢者に強盗殺害事件を起こした人物です。2人とも80歳以上の女性で、絞殺後に財布を盗んだりしています。逮捕後は死刑廃止が盛んな時期であったものの、死刑が確定。薬物による刑が執行されました。執行前には「死を求めていたので、準備出来て喜んで待っている」と取材にコメントしています。

最後の食事は、バーガーキングのダブルチーズバーガー・半ダースのバーベキュースペアリブ・2つのイチゴミルクセーキ・ホイップクリーム・ダイスイチゴとかぼちゃの半分・ミートボールとスパゲティでした。食事後グラッソは、「自分が食べたかったスパゲティでは無かった」と報道陣に言ったそうです。

ジェームス・エドワード・スミス

1983年に保険事務所に押し入り、事務員を殺害し金品を奪う事件を起こした人物です。死刑判決が下されて、薬物による刑が執行されました。執行直前に「ハーレ、クリシュナ（ヒンドゥー教の神を祝福する言葉）」と叫んだといいます。

最後の食事に「土」を食べたいと要望したそうです。スミスはブードゥー教の元教祖だったため、宗教で使用される神聖な土を要望したと考えられています。その土を食べると、死後魂がさまよわずに幽霊の世界に行くことが信じられているそうです。しかし却下されたので、仕方なく1杯のヨーグルトを希望しています。

バートン・ケイ・カークハム

1955年にコロラド州で強盗を働き、1956年にユタ州で食料雑貨店に武装強盗を行い2人の店員を殺害しています。死刑判決が下され、絞首刑に処されました。

カークハムの最後の食事は、ピザとアイスクリームをだったといいます。ピザにはチーズや肉・野菜が含まれているのでこれを食べれば十分だと語っていたそうです。死刑の前日には両親と一緒に映画を見たりして、ピアノを弾き「もっと練習しなきゃ」と職員に話したと伝わっています。

ドビー・ギリス・ウィリアムス

1984年に強姦目的のために浴槽で女性を殺害し、死刑となった人物です。しかし犯人は生まれながらの精神障害を持っていたために、知能指数が65で死刑執行の基準を満たしておらず、女性を殺害できるはずがないと擁護団体が擁護した人物でもありました。その中で、DNA鑑定が杜撰であると弁護側が指摘したものの、結局再検査せずに刑を執行しています。

彼の最後の食事は、かなりの甘党であったために12のキャンディーバーとアイスクリームを頼んでいます。食事後、薬物刑に処されました。

ジェラルド・リー・ミッチェル

1985年に1人を殺害、1人に重傷を負わせた罪で死刑となった人物です。義理の弟とその友人に、「マリファナを売ってやるからお金を持ってこい」と恐喝。そしてお金を持ってきたところをショットガンで射殺し、お金と自動車を奪って逃走しました。銃撃により義理の弟は助かったものの、1人が死亡。逮捕され、2001年に薬物による死刑が執行されました。

最後の食事は、ジェリーランチャーズのキャンディーだったそうです。様々な味があるタイプのキャンディーを希望したと伝わっています。日ごろから、キャンディーが好きでよく食べていたそうです。

ステファン・アンダーソン

1979年に強盗で服役していた刑務所に服役を脱走し、服役中を含め少なくとも8名を殺害した人物です。殺人は同じ囚人仲間や、逃走先で強盗に入り住人を殺害したりしています。近隣住民の通報により逮捕され、1981年に死刑が確定しました。

最後の食事は、ホットチーズサンドイッチ・ピーチパイのスライス・ホミニ―ととうもろこしのミックス・チョコチップアイスケーキ・生ラディッシュだったといいます。生ラディッシュが印象的ですが、何か特別な意味があったのかもしれません。

ゲイリー・カーズ・シモンズ

1996年に、口論した男性をライフルで殺害した罪で死刑となった人物です。殺害した男性を肉切り斧でバラバラにし、川にいたワニたちに食べさせたといいます。その場に居合わせ殺害を免れた女性は、箱に詰め込まれていたものの、何とか抜け出すことに成功し警察の通報に成功。シモンズは逮捕されました。

シモンズの最後の食事は、ピザハットピザ・2キロのパルメザンチーズ・ランチドレッシング・チェリーコーラボトル2本・ランチドレッシング10カップ・ハラペーニョナチョチーズ・イチゴシェイク2杯・イチゴアイスクリーム1リットル・ドリトスナチョチーズ味1㎏だったといいます。トータルで2万9千カロリーにもなったそうですが、これを半分ほど食べたそうです。

「最後の食事」の歴史

「最後の食事を受刑者の希望の食事に…」という法の慈悲ともいえるこの制度は、死刑制度が始まった頃からある制度だといわれています。最も有名なのが、イエス・キリストが十字架刑に処される前の使徒たちと食べた「最後の晩餐」でしょう。

中世ヨーロッパでは、最後の食事は死刑囚の魂を満足させ、死者の霊が死刑執行人を呪う可能性が低くなると考えられていたようです。その後更に最後の食事は進化していき、絞首刑に処される人はお酒を、銃殺刑に処される人は煙草を提供されていました。現代では、最後の時へのささやかな優しさとして出されるようになっています。

そして近年は、テキサス州では大量の食事を注文したものの結局食べなかった死刑囚もおり、最後の食事を廃止しました。また厨房で作れるメニューに限らせたり、値段の上限を決めている州も存在するようです。

死刑囚最後の食事に関するまとめ

今回死刑囚の食事について記事にしましたが、書いていて感じたのは沢山食べようという人か、全く食事を食べられない人と別れている印象を受けています。最後の時が分かっている人の心理は本人で無いとわかりませんが、少しでも死刑への恐怖を紛らわせる意図の最後の食事は死刑囚への法の慈悲なのだろうなと感じた次第です。最後までお読み頂きありがとうございました。

なお、以下の記事では「死刑囚が放った最後の言葉」をまとめているので併せてご覧ください。

死刑囚の最後の言葉ランキング100選【日本&海外】