全国に900人以上いるとされる指名手配犯。交番や駅に貼られた指名手配犯のポスターを見かけたことのある人も多いでしょう。ただ、逃亡犯が捕まったというニュースはあまり聞きませんよね。
特に重要指名手配犯などは全国各地にポスターが貼られているのに、彼らは一体なぜ捕まらないのでしょうか?
この記事では指名手配犯が捕まらない理由と、今も逃げ続ける有名な指名手配犯を紹介します。万が一指名手配犯を見つけた時の対処法も紹介するので参考にしてください。
この記事を書いた人
Webライター
Webライター、吉本大輝(よしもとだいき)。幕末の日本を描いた名作「風雲児たち」に夢中になり、日本史全般へ興味を持つ。日本史の研究歴は16年で、これまで80本以上の歴史にまつわる記事を執筆。現在は本業や育児の傍ら、週2冊のペースで歴史の本を読みつつ、歴史メディアのライターや歴史系YouTubeの構成者として活動中。
そもそも指名手配犯とは
誰もが目にした事のある指名手配犯のポスターですが、そもそも「指名手配犯」とはどんな人物を指すのでしょうか。ここではまず、指名手配犯の定義や種類について簡単に解説していきます。
指名手配犯の定義や種類
指名手配犯とは、指名手配されている被疑者を指す言葉です。事件を担当する警察署は全国の警察に向けて、氏名・顔写真・外見の特徴・事件内容等を発信し、被疑者の逮捕を要請できます。情報の発信と被疑者の逮捕を要請する事を「指名手配」と呼ぶのです。
基本的に軽微な犯罪や所在が判明しているケースに指名手配が適応される事はありません。指名手配犯になるのは被疑者の所在が不明であり、殺人などの重い罪を犯しているケースです。
ちなみに指名手配犯には治安的、社会的に著しく危険で全国的な捜査を行う必要がある者を「警察庁指定特別手配被疑者」と指定しており、過去にはオウム真理教関係者など53人が指定されたものの、2022年2月現在は該当者はいません。
また指名手配犯のうち、全国警察を挙げて捜査をする必要性がある者を「重要指名手配被疑者」と指定しており、2021年11月時点で13人います。私達がポスターなどで目にする指名手配犯は彼らの事を指すのです。
指名手配犯の検挙率
指名手配犯の検挙率の詳細なデータは不明です。ただ、警察庁は2019年10月と11月に全国の警察が343人の指名手配犯を逮捕したと発表しています。逃亡して半年以内に約9割が逮捕されています。そして11月末の指名手配犯は新たに追加された者を含めて939人です。
つまり指名手配犯の約3割が逮捕されている事になります。2018年の刑法犯の検挙件数は35%で、指名手配犯の逮捕件数と大差ありません。この検挙件数が多いか否かは皆さんの考えによりますが、指名手配だけが「逮捕されていない」という事はないのです。
それでも指名手配犯が逮捕されないと私達が考えてしまうのは「重要指名手配被疑者」のポスターの印象がそれだけ強いからかもしれません。私達が目にしない指名手配犯は日々逮捕されているのです。
指名手配犯が捕まらない理由
では6割の指名手配犯はなぜ捕まらないのでしょうか。大別すると、指名手配犯が捕まらない理由は、次の5つに分けられます。
- 容姿が写真とかけ離れている
- 既に指名手配犯が死亡している
- 国外逃亡している
- 周囲に気付かれない
- 警察の手が回らない
順番に解説していきますね。
理由1.容姿が写真とかけ離れている
1つ目の理由が指名手配される被疑者の顔写真が実際の容姿とかけ離れているケースです。写真写りの良し悪しや写真の角度で、実際の容姿と違って見える事は良くあります。この他には整形を行なって顔を変えている被疑者もいるのです。
有名なのは2007年3月に千葉県市川市で英語講師・リンゼイさんを殺害した市橋達也です。彼は人相を変える為に自己整形手術を行った人物です。内容はほくろはカッターでそぎ落とし、下唇もハサミで小さくする等であり、その執念は凄まじいものでした。
ただ整形の効果は大きく、事件当初に公開された写真と2009年11月に公開された写真は全くの別人でした。これだけ顔写真と容姿が異なれば、通報されなかった事も頷けます。新たな顔写真が公開されてから間もなく、市橋は逮捕されたのです。
なお指名手配の期間が長い程、当時の写真と容姿はかけ離れていきます。近年ではAIが指名手配犯の現在の顔を予測する事が出来るそうです。より精度の高い写真が使われるようになれば、被疑者逮捕の大きな戦力になる事でしょう。
理由2.既に指名手配犯が死亡している
2つ目が理由が指名手配犯が死亡しているケースです。人知れず自殺したり、別の誰かに殺害される等して遺体が公にならない限りは「彼が指名手配犯」だと分かる事はないでしょう。被疑者を逮捕できない為、警察としては非常に悔しいケースだと言われています。
死亡した有名な指名手配犯の1人が、2001年4月に徳島市と淡路島で放火殺人を起こした小池俊一です。「おい、小池!」と書かれた指名手配書を見た人は多いのではないでしょうか。
彼は2005年から岡山市のアパートで15歳年上の女性に匿われていたものの、2012年10月にアパートで病死。小池は最後まで同居女性に名前を名乗らなかった為に火葬が出来ず、不審に思った葬儀屋が警察に通報した事で、彼が小池だと判明したのです。
小池の容姿は顔写真と大きく異なっており、ずっと老けて見えたそうです。今この瞬間も死という形で捜査を免れる被疑者がいるのかも知れません。
理由3.国外逃亡している
3つ目の理由は国外逃亡して日本にいないケースです。
日本が「犯罪人引き渡し条約」を締結している国は日本と韓国のみ。それ以外の国は日本の指名手配犯を引き渡す義務はありません。これは日本に死刑制度があり、自国民が死刑にされる事を恐れる為とされます。
国外逃亡した指名手配犯として、2009年6月に起きた横浜港バラバラ殺人事件で実行犯に殺害を命じた近藤剛郎がいます。彼は同年12月に国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国外指名手配犯となりました。
近藤はタイに潜伏しているとされますが、事件から10年以上が経過しても逮捕、発見されたという話は聞きません。タイは日本の暴力団が潜伏している国であり、捜査の網にかかりにくいのでしょう。※覚醒剤密輸の損害を取る為に殺されている説もあります。
タイの他にはフィリピンに逃亡するケースも多いとされます。逃げ得のように見える国外逃亡ですが、近年では外聞を気にして捜査に協力する国も増えており、強制送還されるケースもあります。
理由4.周囲に気付かれない
4つ目が周囲に気づかれずに普通に生活しているケースです。指名手配犯はホームレスのような生活を送っていると思いがちですが、ホームレスは主従関係が厳しく、刑事と関わりを持つ者もいます。また警察から職務質問を受ける確率も上がるのです。
都会は人も多く、他人の顔をあまり見ません。「何か」を感じ取っても見間違いと思い込んでしまいます。まさに「木の葉を隠すなら森の中」であり、大都会ですれ違った人物が指名手配犯の可能性もあるのです。
特異なケースですが、1982年に松山市で強盗殺人を起こした福田和子は15年にわたり逃走劇を続けた女性です。彼女は石川県能美市で和菓子屋の後妻(入籍はしていない)として2年間生活していました。福田は接客も特異で、店は大繁盛していたそうです。
近年ではSNSの発達に伴い、個人情報が簡単に漏洩する時代です。そんな時代でも注意深く人の顔を見なければ「怪しい」とは感じないのかもしれませんね。
理由5.警察の手が回らない
5つ目の理由は警察が捜査を十分に行えていないケースです。刑法犯認知件数は2003年から減少しているにもかかわらず、2020年の件数は614231件です。これは1日に1682件のペースであり、警察は日々捜査に追われているのです。
ただ警察も指名手配犯の逮捕には意欲的で、毎年11月は「指名手配被疑者捜査強化月間」としています。前述した通り2019年の10月と11月に343人の指名手配犯が逮捕されました。ちなみに容疑者の逃亡期間は半年以内が9割で303人でしたが、5年以上は僅か2人です。
2010年に殺人などの凶悪犯罪は時効が撤廃され、捜査が打ち切られる事はなくなりました。ただ新たな事件の捜査が始まれば、過去の事件の捜査規模が小さくなる事は避けられません。逃走する期間が長いほど、指名手配犯は警察の目から逃れる事が出来るのです。
うぃあちーんーこー
ほんとほんと
色々と勉強になりました。ありがとうございます!
喧嘩しないで
?
このコメントカオス
匿名でしか生きれないカスが
お疲れーーーー
まぁーまぁー
指名手配犯にされた」または
指名手配された」だと分かりやすいかな
逮捕されたな
ふぇー
トウーーース
うるせえカスども
それなwww
この記事書いた奴あほかよwww
アホはお前な?
基礎知識身に着けてから語れ
バカが
バカで草www
アホがよ
小暮洋史の項目で、
「指名手配犯された」という表現がありますが、
日本語としておかしいです。
別に間違っちゃいないぞ
おかしいだろ
どうでもいいわ
それな