「あの人、ソシオパスかも…」
「ソシオパスかどうか見分けるにはどうしたらいいの?」
ソシオパスという言葉自体は知っているものの、具体的にどんな人を指すのかが曖昧な人は多くいますよね。また、身近な人がソシオパスと疑われた時、どうすればいいのか心得ておきたい人もいるはず。
そこで、今回はソシオパスが持つ10の特徴を、見分け方やソシオパスと疑われた時の対処法なども交えて解説します。この記事を読みソシオパスの特徴が理解できれば、周囲の人がソシオパスかどうか見分けられるようになりますよ。
この記事を書いた人
Webライター
Webライター、岩野祐里(いわのゆり)。5歳の頃、イギリス史に夢中になり図書館へ通いながら育つ。大学では国際文化を専攻し、イギリス史と英文学の研究に没頭。その後、大学院にて修士課程を修了。研究論文は「19世紀英国の社会と犯罪」について。歴史全般の研究歴は11年、イギリス史は21年に及ぶ。現在はWebライターとして活動中。
ソシオパスとは
ソシオパスとは、反社会的な資質を持つ人を指す言葉です。反社会性パーソナリティ障害の1つでもあるため、「社会病質者」とも呼ばれ、精神疾患といった心の病ともいえます。
ソシオパスになる原因は生育環境です。幼少期の悪質な家庭環境や虐待、トラウマにより必要な感情表現が欠落した状態で成長することでソシオパスになります。
生育環境は後天的な原因といえるため、ソシオパスの治療は可能です。現在では、薬物療法や認知行動療法が有効な治療法として用いられています。
家庭問題や犯罪が絶えず起こる現代社会において、ソシオパスの存在は決して珍しいものではありません。アメリカでは25人に1人の割合でソシオパスが存在するという研究結果が出ています。
複雑な人間社会という点では日本も同じであり、アメリカの研究結果は他人事ではないのです。あなたの身近にいる同僚や上司、親しい友人、家族の中にもソシオパスがいる可能性は十分にあります。
ソシオパスが持つ10の特徴
ソシオパスが持つ10個の特徴をひとつずつ詳しく紹介していきます。
- ①視線をそらさない
- ②衝動的に行動する
- ③良心がない
- ④自分を特別視している
- ⑤魅力的な人を演じている
- ⑥無責任
- ⑦平気で嘘をつく
- ⑧感情を抑制できない
- ⑨人との共感性が低い
- ⑩快楽を追い求める
ソシオパスの特徴を一言でいえば、「自分の利益のために良い人を演じている」です。彼らは、他者との共感性を持てず自己中心的に行動します。そこに良心や責任はありません。
とはいえ、一見すると魅力的な人物なのですぐに見極めることは困難です。そこで、ここではソシオパスの特徴を10個厳選してご紹介。当てはまる項目が多い人物には注意してください。
①視線をそらさない
ソシオパスの外見的な特徴として、「視線をそらさない」ことが挙げられます。特に視線の強い人物には注意してください。
社交的で魅力的な人物を装うためにソシオパスは相手を見つめ、積極的にアイコンタクトを取るのです。もちろん、相手に気に入られたいという純粋な想いからではありません。自分の利益を追求するためです。
相手に気に入ってもらえれば、自分に都合良く利用することができます。そこに友情や愛情は存在しません。あるのは損得だけです。ソシオパスは無意識のうちに、視線で自分の利益になる相手を定めているといえます。
②衝動的に行動する
ソシオパスは基本的に後先のことを考えていません。いつでも衝動的に行動します。それが社会的に無責任で法を犯す危険な行為であっても気にしないのです。
そのため、犯罪を犯したとしてもすぐに捕まる傾向にあります。類似の精神疾患であるサイコパスの場合は、反対に計画的に行動するため犯罪を犯しても捕まりにくいです。
③良心がない
ソシオパスは良心というものがなく、常に損得勘定や利害性を重要視して生きています。彼らの心には、誰かに対する思いやりや倫理観、道徳感情は存在していません。
自分にとって「刺激的で楽しいもの」が常に最優先なのです。利用価値がなくなれば、どんなに長い付き合いの相手だったとしても切り捨てます。ソシオパスには「非情さ」という言葉すら理解できないのかもしれませんね。
④自分を特別視している
ソシオパスが世界で最も大切なのは自分自身であり、自分を誰よりも特別視しています。他人に関心を示すことはなく、自己中心的な考えを持っているのです。
そのため、会話は自慢話ばかり。ソシオパスにとって、自分が世界一優れている特別な存在になります。それゆえに他人の成功や幸せには興味を示さず、友人も極端に少ないのです。
⑤魅力的な人を演じている
冒頭でも述べたとおり、ソシオパスは自分の利益を得るために魅力的な人を演じています。会ったばかりの頃ならば、まさかこの人がソシオパスだなんて思いもしないくらいです。
ソシオパスの大半が社交的で明るく、たくみな話術を持っています。そのうえ、相手を支配するために同情をひく姿さえ見せるのです。全て自分の思い通りに相手を動かすための策略といえます。
⑥無責任
無責任なこともソシオパスの典型的な特徴です。彼らは責任感が欠如しており、最初から責任を持って行動することができません。
だからこそ、責任ある仕事は避けようとする傾向があります。仕事だけでなく金銭的な面や約束事に関しても無責任です。身近であまりにも無責任な行為を行うことが多い人には気をつけましょう。
⑦平気で嘘をつく
ソシオパスは平気で嘘をつき、自分の利益のために人をコントロールしようとします。さらに悪いことに、③に記載したとおり彼らには良心がありません。そのため、嘘をつくことに罪悪感も湧かないのです。
呼吸するのと同じくらい自然に嘘をつくため、見破ることは困難を極めます。いつの間にかソシオパスのついた嘘に振り回されて、利用されていたということもあるでしょう。疑わしいと思ったら、すぐに事実確認をすることをおすすめします。
⑧感情を抑制できない
ソシオパスは人をコントロールしようとしがちですが、自分自身の感情は抑制できません。自分の思い通りに物事を進めたがるので、思い通りにならないと感情が爆発してしまうのです。
周囲を気にせず、たとえ公衆の面前であっても怒鳴り散らすこともあります。かと思えば、急に大人しくなり周りの人々を混乱させて事を思い通りにしようとするのです。
かなり迷惑な行為ですが、ソシオパスの特徴の中では比較的分かりやすいものでもあります。身近に感情の抑制が極端にできない人がいたら、ソシオパスの可能性があると思ってください。
⑨人との共感性が低い
人との共感性が低いことも、ソシオパスの特徴のひとつです。④に記載したとおり、彼らは自己中心的で他者のことを考えていません。そのため、相手の喜怒哀楽という気持ちに共感することができないのです。
特に、顕著な例としては危険な場面に立ち会った時の様子が挙げられます。多くの人が動揺し困惑している中で、ソシオパスだけは妙に落ち着いているのです。周りの気持ちに共感または同調できないことを示していると考えられますね。
ただし、ソシオパスは自分と同じ思想を持つ人物には共感を示し執着します。「依存性を持つ」といっても過言ではありません。ソシオパスと疑われる人物と話題が合ったときは、気をつけてください。
⑩快楽を追い求める
快楽を追い求めて人生を生きるのもソシオパスの特徴のひとつです。人生に楽しさを求めて生きるのは悪いことではありません。しかし、ソシオパスの場合はそのために誰かを傷つけたり法を破ることになっても構わないのです。
それほど、強く一直線に快楽を追い求めます。人を騙し、支配してでも自分の求める快楽を得ようとするのです。それがお金や地位ならまだいい方ですが、犯罪の場合は非常に危険なことになります。