日本で起きた刑務所からの脱獄事件10選!映画になった脱獄犯も紹介

藤本事件:藤本松夫

藤本松夫元死刑囚
出典:onigiriまとめ

ダイナマイト爆破事件の犯人とされた藤本松夫が、有罪確定直後に熊本県の菊池拘置所を脱獄した事件です。脱獄後3週間で、最初の事件で狙われていた被害者が、全身二十数か所刺されて殺害されています。被害者発見から6日後に、山狩りにより発見され逮捕されました。

脱獄と犯行の動機は、藤本がハンセン病に羅患していると通報した、役所の衛生課職員である被害者を恨んでの犯行だと言われています。ただしこの事件は、病気の差別に基づく冤罪であったという意見も根強く「藤本松夫さんを死刑から救う会」という団体もでき、支援していました。しかし1962年に死刑が確定し、福岡拘置所で刑が執行されています。

栃木雑貨商屋一家殺人事件:菊池正

菊池正元死刑囚
出典:気になる事件

栃木の雑貨商一家3名を強盗目的で殺害した菊池正という人物が、背表紙に金きり鋸を隠した本を差し入れてもらい窓の鉄格子を切断して脱獄。「まことに申し訳ありませんが、しばらくの間命をお助けください」と書き残していたそうです。

脱獄した理由は母親に会うためでしたが、警察も見越して現場を張り込み確保しています。再逮捕後死刑が確定。最後に菊池は、

「おかやん、おかやん。助けてくれよ、おかやん」

という言葉を残したそうです。

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広島拘置所尾道拘置支所脱獄事件:氏名不明(死刑囚H)

犯人は急激に痩せて切った鉄格子から脱走した

強盗殺人や婦女暴行事件を起こし死刑判決を受けていた犯人が、広島拘置所尾道拘置支所を脱獄した事件です。脱獄の手口は拘置所に張り巡らされていた金網に穴をあけ、自作したゴム銃を使用し煙草を拘置所内に引き入れ、煙草を収監されている暴力団関係者に渡し金切り鋸を手に入れています。

さらに犯人は4日間食事を取らず急激に痩せ、金切り鋸で鉄格子を切断し脱獄しました。犯人は強盗し服を奪った学生に「死刑を求刑した検事を殺す」といっていたそうです。しかし翌日には福山で逮捕されています。逮捕までに、強盗・傷害3件・窃盗4件・同未遂1件・住居侵入1件を犯していました。犯人は1975年に死刑が執行されています。

熊本大学生誘拐殺人事件:田本竜也(後:春田竜也)

福岡拘置所で脱獄未遂が起きた
出典:法務省公式ホームページ

福岡拘置所に収監されていた田本竜也(後:春田竜也)が、看守と仲良くなったことを利用し脱獄未遂事件を起こしています。看守と田本は年齢が近く、冗談交じりで脱獄計画を語っていたといいますが、「親に一目会ってきて必ず帰ってくる」と看守を説得します。

そしてその話を信じた職員は、金きりノコや現金3000円を田本に渡していました。しかし夜間にのこぎりで窓の鉄格子を切断しようとしているところを別の看守が発見。結局この騒動で、当時の所長は自殺、共犯の看守は懲戒免職になり職員12名に減給処分が下されています。田本は2002年死刑が執行されました。

松山刑務所大井造船作業所脱獄事件:平田龍磨

逃走した平田龍磨
出典:NeeSee

初犯刑務所である松山刑務所大井造船作業所から、男性受刑者が脱獄した事件です。犯人は無施錠だった1階の作業場の窓から脱出し、近隣住宅に忍び込み現金や衣服・車などを盗んで逃走しています。そして検問をくぐりながら逃走を続け、潮が止まったタイミングで泳いで離島から本島に脱出。

その後広島市で通報があり、22日後に逮捕されました。逃走の動機は、囚人や刑務官から虐められたから脱獄したと話していたそうです。

大阪府警富田林署脱走事件:樋田淳也

逃走した樋田淳也
出典:NeeSee

2018年に富田林署に拘留されていた樋田淳也が脱走した事件です。樋田は弁護士と会うために面会室に入り、アクリル板を破壊して逃走に成功。それから樋田はロードバイクを盗んで、日本一周の旅人を装い逃走していました。

その後樋田は四国に行き、愛媛県庁に立ち寄ってプラカードを製作してもらったり、高知県の道の駅で職務質問された時も上手く逃れています。しかし49日後に、山口県周南市の道の駅で万引きされたところを逮捕されました。樋田は2019年に懲役17年の判決が出ましたが、2020年に控訴しています。

日本の脱走事件に関するまとめ

今回日本で起きた脱走事件を10件紹介しましたが、昔の脱走王などの犯行を見て驚いています。日本人の特色なのかもしれませんが、海外の大規模な脱走のようなケースは少なく、考えつかないような器用な方法が多かったのも印象的でした。この記事を読んで、初めて知ったことがあった人がいたら嬉しく感じます。最後までお読みいただきありがとうございました。

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