太平洋戦争の戦犯ランキングTOP11

5位:土肥原賢二 – A級戦犯

土肥原賢二
出典:Wikipedia

土肥原賢二は陸軍大将を務めた人物です。1931年に土肥原は奉天特務機関長となり、満州事変の際に奉天臨時市長となりました。そして、中国の華北(河北省や山西省、山東省など)を日本の支配下に置く華北分離工作を断行します。

強い決意のもと華北分離工作を強硬する姿勢は、『アラビアのロレンス』ことエドワード・ローレンスを用い「満州のローレンス」と呼ばれていました。

終戦後はA級戦犯としてGHQに逮捕されます。極東国際軍事裁判では、華北分離工作を中心とした中国での強硬政策が咎められました。結果として死刑を言い渡され、1948年に絞首刑を執行されました。

4位:板垣征四郎 – A級戦犯

板垣征四郎
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板垣征四郎は関東軍参謀長、陸軍大臣を務めた人物です。板垣は1929年に関東軍参謀に就任すると、石川莞爾と共に柳条湖事件を発生。それに伴い、満州事変を起こしました。また満州国建国後、独立の目を他に向けるために上海日本人僧侶襲撃事件を起こしました。

満州国における影響力を強めた板垣は、満州国とソビエト連邦の国境戦争である張鼓峰事件を起こします。しかし、張鼓峰事件に反対だった昭和天皇から反感を受け、柳条湖事件についても怒りを買いました。また、不拡大方針を破った上で勃発したノモンハン事件を黙認し、関東軍の指揮を現地に任せる方針を取りました。

終戦後はA級戦犯として指名され、極東国際軍事裁判に出廷。中国やソビエト連邦に関する罪や太平洋戦争決行の罪を問われ、死刑判決を受けます。そして、1948年に死刑が執行されました。

3位:木村兵太郎 – A級戦犯

木村兵太郎
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木村兵太郎は陸軍大将を務めた人物です。木村は1941年から1943年まで陸軍次官、1944年にはビルマ方面軍司令官に任命されました。翌年にはイギリス軍がビルマへ侵攻。その際に指揮がまともにできないほど、動揺していました。そして、木村は司令部のあるラングーンから撤退します。

司令部がラングーンを放棄したことにより、指揮系統は崩壊。その結果、多くの犠牲者を出しました。また、日本と盟友関係にあった外国要人や在留日本人を見捨てた木村には、厳しい目が向けられました。

終戦後にはA級戦犯として逮捕されます。極東国際軍事裁判では、第3次近衛内閣と東条内閣で陸軍次官を務めていたことで死刑を言い渡されました。そして、1948年に絞首刑が執行されました。

2位:及川古志郎 – 戦犯指定無し

及川古志郎
出典:Wikipedia

及川古志郎は海軍大将、海軍大臣を務めた人物です。及川は1940年の第2次近衛内閣時に海軍大臣に就任しました。1941年には南部仏印進駐が原因で、及川が期待を寄せた日米交渉が決裂。

同年に近衛私邸で行われた荻外荘会談で、近衛総理からアメリカの要求を呑むか日米開戦かを聞かれた際、全て総理に任せるとし自分の意見は言いませんでした。

また、及川の海軍大臣在任中に日独伊三国同盟や南部仏印進駐といった日本の今後を決める政策が実行されます。そのような状況で及川は、重要なことは漏らさず政策が決まった段階で発表する形式をとっていました。このようなことをした理由は、反論を言わせないためでした。

終戦後は公職追放を命じられます。そして、1958年に75歳で亡くなりました。

及川は海軍大臣でありながら、戦争を知らない近衛総理に意見を委ねたことや、国の方針を決める大切なことを相談せずに決めてから周囲に伝える無責任さが大きく目立ちました。そのため、戦犯として指定されておりませんが、上位の方にランクインさせていただきました。

1位:近衛文麿 – A級戦犯

近衛文麿
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近衛文麿は第34代、38代、39代の総理大臣を務めた人物です。近衛は1937年に第34代総理大臣に就任。第1次近衛内閣を発足します。盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が起こった際、近衛は不拡大方針を掲げました。

しかし、実際には軍事予算を増加させるという不拡大方針とは真逆のことをしました。翌年には、中国の国民政府を相手にしない第一次近衛声明を発表し、日中の和平交渉を断念します。

続く第3次近衛内閣では、第2次近衛内閣で実行できなかった南部仏印進駐を実行します。中国側の物資供給ルートを仏印進駐で塞ぎ、日中戦争の長期化を防ぐことが狙いでした。しかし、仏印進駐をきっかけにアメリカとの関係が悪化。次第に日米戦が現実のものになると内閣総辞職を行い、全責任を放棄しました。

終戦後、近衛はA級戦犯として巣鴨刑務所に出頭するようGHQに命じられます。しかし、青酸カリで服毒自殺し、54歳で亡くなりました。

近衛文麿とはどんな人?生涯・年表まとめ【政策や戦争責任、スパイ説や死因も紹介】

太平洋戦争戦犯ランキングに関するまとめ

今回は、太平洋戦争の戦犯者をランキング形式で紹介しました。多くの要因が絡んで起こってしまった太平洋戦争。多くの悲しみが生まれてしまった戦争を、起こそうと思って起こしたのではないと思います。

どの戦犯たちも日米開戦後は、早期収束を図るため交渉に励みました。しかし、一度起きてしまったものは中々止まることなく進み続けてしまいました。そのため、彼らは戦を起こした戦犯でもありつつ、戦争に翻弄された被害者の一面もあると感じました。

この記事を通して、太平洋戦争や太平洋戦争に関わった人物に興味や関心を持ってもらえたら幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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1 COMMENT

チロ

無抵抗な市民に、無差別爆撃(殺人)や科学者に、事実を隠蔽しアインシュタイン初め、科学者にナチスに、使用すると偽り、ユダヤ人科学者に、核を製造させ、実際は、ユダヤ人救出に人力を尽くした日本の広島、長崎に核攻撃を行った、トルーマンが抜けてる

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