神隠しからの生還者4選:海外編
次に、海外で実際に起きた神隠しの事件で、奇跡的に生還した人を4人紹介します。
アガサ・クリスティ:アガサ・クリスティ失踪事件 – 1926年
ミステリーの女王と名高いアガサ・クリスティが36歳の時に起こした失踪事件です。警察は事件に巻き込まれた可能性も視野に入れて捜索していましたが、11日後に保養地のホテルに別人名義の部屋にいたところを無事に保護されています。名義には夫の愛人の名前が使われていました。
失踪の理由はクリスティが詳しく語らなかったために詳しいことは不明ですが、最愛の母を亡くした悲しみのせいや、夫・アーチボルドの浮気に傷ついていたためといわれています。失踪当日クリスティは住み込みのメイドに外出すると伝え、行き先を告げずに自転車で外出したそうです。
なお発見された時のクリスティは、記憶がはっきりせずに、体調も悪そうだったといいます。結局自分からの失踪だったのか、事件に巻き込まれたのかははっきりと分からないままとなっています。
スティーブン・ステイナー:スティーブン・ステイナー誘拐事件 – 1972年
1972年のアメリカ・カリフォルニア州で、7歳の少年だったスティーブン・ステイナーがケネス・パーネルという男に誘拐され性的虐待を受け続けていましたが、7年後に自力で生還した事件です。その時に新たに誘拐されていた少年も一緒に救い出したために、全米のヒーローとなりました。
スティーブンは学校帰りに車に乗せ「経済的理由で両親は育てられなくなり自分が預かった」と嘘をつき、家に留まらせていました。その間強姦をし、偽名を使って学校に通わせたりしています。スティーブンは捜査の手が伸びそうになると何度も引っ越しさせられていますが、親に捨てられたと信じていたために逃げ出さなかったそうです。
しかし14歳の時に、男が新たに5歳の男の子を誘拐してきたために自分が騙されていたことに気づき、男の子を連れて脱出。犯人は事件当時こういった事件に対応する処罰が無かったために、懲役5年の刑で済んでいるそうです。少年は助かった後も苦悩が多かったといい、結局24歳の時にバイク事故で死亡しています。
ショーン・ホーンベック:ショーン行方不明事件 – 2002年
2002年にアメリカで当時11歳だったショーン・ホーンベックくんが、自宅から自転車で外出したのを最後に失踪し、2007年に無事保護された事件です。両親は必死の捜索を続けていたものの、手がかりも無く未解決となっていました。そしてショーン君は4年後に、無事保護されています。4年間の間、誘拐した男性の子供という事にされ、近所の子供と遊んだりと普通の生活を続けていたそうです。
犯人はマイケル・デブリンというピザ屋の店長をしていた男で、勤務態度も良く誘拐するような人物には見えなかったといいます。ショーン君はデブリンの家で4年間過ごしていましたが、自宅から車で1時間くらいの場所でした。
近所の子供と遊んだり、スケボーなどで良く遊んでいる姿を見かけており、近所の人も犯人の子供と信じて疑わなかったといいます。なぜショーン君が逃げ出さなかったのかは諸説がありますが、精神的に逃げられないように圧迫されていたのではと憶測されています。
コリーン・スターン:コリーン・スターン監禁事件 – 1977年
1977年にコリーン・スターンという20歳の女性が、突如行方不明となった事件です。女性はヒッチハイクで乗せてもらったキャメロン・フッカーという監禁好きの男の車に乗ってしまい、7年間監禁された生活を送っていました。
犯人は被害者を過度な虐待で洗脳し、3年7か月後家族に自分を婚約者だと紹介させ、探さないように巧妙に立ち回っていました。婚約者として騙した後も、コリーンさんは常に鎖に繋がれていたそうです。しかし最終的に、フッカーの妻と共に逃げ出して事件が発覚しています。
ヒッチハイクの時に犯人は妻と8か月の子供を車に乗せていたので、コリーンさんもすっかり気を許していたそうです。しかし途中で態度が豹変し犯人は自らを「K」と名乗り、自分は奴隷組織の人間で、反抗すれば家族を皆殺しにすると脅して地下室に監禁しました。被害者は鎖で繋がれ、食事は1日1回でコップも水1杯だったといいます。そのうえ1日22時間もの間、棺桶に寝かされていました。
しかし次第に犯人の妻が良心の叱責に耐えきれずに、奴隷組織の話は嘘だとコリーンさんに教え、二人で逃走。その後犯人は逮捕されています。犯人は誘拐・婦女暴行・拷問などの罪で合計104年の禁固刑を受けました。コリーンさんは現在新しい名前に変わり、虐待を受けた女性を助ける機関で働いているそうです。
神隠しの考えられる原因
これまで日本と世界で起こった神隠し事件で生還が叶った事件を紹介しましたが、実際解決した事例を見ると、下記の4つの理由が考えられそうです。ここでは神隠しの原因と考えられる4つの理由をまとめてみました。
拉致や誘拐
神隠しと呼ばれる事件で、一番多い理由は拉致を含めた「誘拐」といわれています。家出とは考えにくく、突然の失踪の場合は拉致や誘拐が疑われます。実際に生還した人を見ると何かの目的で誘拐された人や、「可愛いから」というような理不尽な理由で誘拐された事件も多くある印象です。
家出や迷子
事件性がない失踪で幼児ならば迷子、大人ならば家出の可能性があります。実際に神隠し事件と言われていた事案で、「目を離した隙に迷子になった」事例や、家の事情などから家出していて戻ってきたケースもあるからです。幼い子供はわずかな時間でも目を離さないようにしないといけないのが分かります。
殺人事件
失踪して発見されない場合、最悪の事態は失踪者が殺害されている場合が想定されます。そのために失踪事件は、事件性も視野に入れた捜査が行われています。失踪事件として捜査されていたものの、殺人事件だったという事例も多くあるのです。
本当の神隠し
非現実的ですが「異次元を移動した」など、どの説でも説明がつかないような事例もあります。被害者が見つかっても失踪中の記憶があいまいであり、大きな怪我なども無く、何があったのかよくわからないケースです。事件性が薄いために再調査がされていませんが、もしかしたら何か事件性があるのかもしれません。
神隠しを生還した事件に関するまとめ
いかがでしたか?今回「神隠し」と言われるような、忽然と消えたものの無事に生還できた事件を紹介しました。感想ですがその多くは誘拐・監禁であり、非常に恐ろしさを感じています。紹介した事件は無事に生還しましたが、もしかしたらどこかで同じようなことが起きているかもしれません。そのため常に、周りに気を配っていたいと感じた次第です。最後までお読みいただきありがとうございました。