「胎児スープって中国にあるって本当?」
「胎児スープは今も食べられているの?」
日本で「中国では胎児を食べる」と報道されたことがある「胎児スープ」。中国を旅行しても気づきにくいですが、本当に今でも胎児スープという料理は食べられているのか?もし食べているならば、なぜ食べられているのか?その他中国の人肉食の歴史を含めて解説していきます。
この記事を書いた人
フリーランスライター
フリーランスライター、高田里美(たかださとみ)。大学は日本語・日本文学科を専攻。同時にドイツ史に興味を持ち、語学学校に通いながら研究に励む。ドイツ史研究歴は約20年で、過去に読んだヨーロッパ史の専門書は100冊以上。日本語教師、会社員を経て結婚し、現在は歴史研究を続けながらWebライターとして活躍中。
胎児スープとは?
胎児スープとはどういったものなのか?詳細を解説していきます。
胎児を使用したスープ
胎児スープとは、その名の通り「胎児を具材としたスープ」です。中国では「嬰児湯」と呼ばれ、両脚羊と呼ばれる食用の人肉を利用しているといわれています。なぜ胎児を食べるのかというと、漢方として滋養強壮のために食べているのだそう。嘘か本当かはわかりませんが、地方では今でも食べられているという話を聞きます。
中国では人肉も食べる
中国は昔から人肉を食べる文化だったといわれています。中国の史書には、「親に自分の肉を食べさせる」という話が親孝行話として存在するのだそう。ただし中国に住んでいる人の話を聞いてみると、「人肉食の話」をしたら「知らない」と驚いたといい、決して一般的ではないといいます。
しかし歴史書に「人肉食」が書かれているのは事実であり、戦前の日本を代表する東洋学者・桑原隲蔵(くわはらじつぞう)氏によると、人肉食の記録には以下のパターンが見られたそうです。
- 飢餓のため
- 兵糧攻めのため
- 嗜好として食した
- 遺体を食べると死者に苦痛を与えると信じていた
- 唐の時代から人肉を薬剤として用いられた
ただしこれらはあくまで一部の人がしたことであって、「中国文化」というのは言い過ぎだろうといわれています。世界でも人肉を食べたという話は各地で残っており、中国が特段珍しいわけではありません。例えば日本でも飢饉が続いたり、太平洋戦争時も人肉食をしたという話が残っています。これと同じように中国人にとっても、知っている人は知っているといった話なのかもしれません。
胎児スープはどんな料理?
人間の胎児をスープにしているという「胎児スープ」とはどんな料理なのか?分かっていることを解説していきます。
6~7か月の胎児を食べる
胎児スープは、月齢6〜7か月の「女児の胎児」を食すそうです。なぜ女の子の赤ちゃんなのかというと、中国の「一人っ子政策」が影響しているといいます。1人しか子供を持てないならば男の子が良いという親が多く、女の子は間引きや遺棄されていたという話が残っているのです。真相はわかりませんが、かなり説得力のある説に感じてしまいます。
価格は5万円程度
胎児スープを食事するときの値段ですが、一杯5万円程度といわれています。そのために富裕層がメインの客層なのだとか。2007年にメディアで話題になった胎児スープは、この料理を提供するお店で「排骨(パイグウ)」と頼むと出てくるといわれています。排骨とは骨がついたお肉と言う意味で、胎児スープの隠語として使われているという噂です。