中国における人肉の歴史
中国は紀元前から人肉を食べる習慣があったといいます。そこでここでは、中国の人肉食の歴史を紹介します。
紀元前から食べられていた
中国では紀元前770〜221年までの間の春秋戦国時代に、人肉を食べたという記録が残っています。春秋戦国時代に書かれた「韓非子」という著書には、「紂為肉圃、設炮烙、登糟丘、臨酒池、翼侯炙(あぶり肉)、鬼侯臘(干し肉)、梅伯醢(かい)、塩漬け肉」という人肉食の記録が残っているのです。史書に書かれていることからも、当時は「カニバリズム」の習慣があった可能性は高いと考えられそうです。
その他、儒家の祖である孔子が人肉を好んで食べたという逸話も残っています。また春秋時代初頭にあった国である斉国の桓公(かんこう)が「私は色々な肉を食べてきたが、まだ人間の赤ちゃんを食べたことがない」といっているのを聞いた易牙という料理人が、自分の子どもを殺して調理し桓公を喜ばせたという話が残っています。
三国志に記述がある
有名な三国志にも人肉食の描写があります。三国志の英雄・劉備は、猟師の家に身を寄せるのですが、もてなす肉がなかったために夫は妻を殺害し、劉備に妻の肉を振舞ったそうです。
劉備には「狼の肉」と話していたそうですが、厨房で肉をそがれた妻の肉を発見し、肉が猟師の妻の肉だと分かったのだといいます。もてなす食事がないために妻の肉を差し出したという猟師の行為に、劉備は非常に感銘を受けたと美談として語られているのです。
刑を受けた人肉を食べていた
中国には凌遅の刑(りょうちのけい)という、生きたまま少しずつ細かく切り刻みながら肉をそぎ落とす残酷な刑が、清朝末期まで行われていたといいます。処刑者は支柱引き回しの末に後ろ手に縛られ、柱に左右の股と脛に釘が打ち込まれるのです。
処刑は3〜10日程度続いたといい、肉は1200〜3000回程度そがれたといいます。遺体はバラバラに解体され、新鮮な肉として販売されたそうです。唐の時代には、反乱軍の将軍をこの凌遅の刑で生きながら肉をそぎ落とし、その場で「人間しゃぶしゃぶ」をしたと伝わっています。
20世紀に食人宴会も
1965年以降、約10年間続いた「文化大革命」で、中国共産党によって何万人という人が、静粛のためにリンチの後に殺害され人肉されたと伝わっています。そこでは肉をそぎ取って食べたり、脳みそにストローを刺して吸い取ったりしていたという話です。
その様子はさながら「食人宴会」の様相だったといい、恐ろしいのはなぜリンチをして人肉食したかというと、大きな理由はなかったのだそう。その中には、1968年には中学の生徒たちが地理の講師を殴り殺した後、別の先生に心臓と肝臓を取り出させて焼いて食べたという事件も起きているのです。
中国では現在も人肉は食べられている?
中国では現在、人肉食は禁止されています。しかし人肉を食したとして罰せられる事件が起こっているのが現状です。
現在も人肉に関する事件が起きている
最近でも中国では、人肉関連の事件が絶えないといいます。例えば胎児の脳の缶詰が売り出されていたといい、缶詰には赤ちゃんの脳が入れられ、ラベルには脳の絵が描かれていたのだとか。その他、病院で胎児を買う光景も見られたそうです。病院は行列ができるほど盛況していたといい、女児よりも男児の胎児の方が高額で販売されていたといいます。
2011年には、中国産粉末入りの人肉カプセルが韓国で販売されていたという事件が起きています。滋養強壮の高価が期待されたものだといい、サプリメントとして近年まで出回っていたという話です。
醤油が人毛で作られる事件も
また、2004年には「人毛醤油」という人毛で作られた醤油が問題になりました。人毛で作られた醤油が原料を伏せられて日本などに輸出されていたのです。これは他の中国食品の含まれる成分が問題になったときに、輸入制限をかけるときに発覚したのだそう。人毛から作られる醤油は発がん性の成分が含まれているということで製造禁止になっているものの、今でも低級醤油として密造されているといいます。
人肉食は病気になるので非常に危険
人肉食は世界的にタブー視されていることが多い習慣ですが、健康的な面から見ても非常に危険といわれています。人肉を食べていると、「クール―病」と呼ばれる全身の震えが止まらない症状が起きるからです。この病気は1つの特徴として病的な笑いが止まらなくなるといい、別名「笑い病」としても知られています。
クール―病の原因は、人のプリオンと呼ばれるたんぱく質の感染性因子が原因です。最初は頭痛や発声障害から現れ始め、次第に震えが止まらなくなり、最後は重度の運動失調に陥ってしまいます。発病すると3か月〜2年の間で死亡してしまう恐ろしい病です。
胎児スープに関するまとめ
今回、胎児スープに焦点を置いて解説しましたが、感想は文化の違いというものを強く感じています。後は宗教が違えどもタブー視されていた人肉食は、恐ろしい病になるとも知り、やはり同族を食するというのは生物として良くないことなのではと感じた次第です。その国の文化があるとは思いますが、こういった事実も起きていることを知った人がいたならば嬉しく思います。最後までお読みいただきありがとうございました。