マリアナ海溝の調査の歴史は?
現在日本の潜水艦のテクノロジーは飛躍的に進化していますが、それでも探査できているのは全体の5%程度といわれています。その中でマリアナ海溝も長年かけて捜査が行われてきました。そこでここでは、マリアナ海溝の捜査の歴史を紹介します。
19世紀にイギリス海軍が調査を開始
マリアナ海溝を初めて測深したのは、イギリスの調査船・チャレンジャー号でした。チャレンジャー号は1872〜1876年にかけて海底や海洋生物等の調査を行い、海洋学の基礎を築いています。1875年に行われたマリアナ海溝の測鉛線の記録は8,184mでした。そして1899年にはUSS Neroが9,363mを記録しています。
20世紀に日本の「満州」が調査
20世紀に入ると、多くの国がマリアナ海溝の探査に乗り出しました。そして日本も探査に参加しており、1925年に日本の測量船「満州」が測量に乗り出し、ケーブルを降ろして測深し9,814mを観測しています。これにより、この付近の海が世界で最も深いことを証明することになりました。
また1951年にイギリス海軍の測量船「チャレンジャー8世号」がマリアナ海溝の探査を行い、水深10,910mを測定しています。この時のチャレンジャー号は反響した音波を測定する方法を採用しており、測定場所は船の名前にちなんで「チャレンジャー海淵」と名づけられました。
有人では1960年にスイスの海洋学者ジャック・ピカールがアメリカ海軍の援助を受け、イタリアで製造した「トリエステ(潜水艦)」を作りマリアナ海溝を探索しています。トリエステはチャレンジャー海淵の底まで潜水し、当時の水深計で10,916mまで潜りました。ただし1995年に測定しなおしたところ、正確には10,911だったことがわかっています。
この時海に潜ったジャック・ピカール博士とアメリカ海軍のドナルド・ウォルシュ中尉は、海淵の底にヒラメやエビがいることに驚いたそうです。
21世紀も調査が続いている
21世紀に入っても、マリアナ海溝の調査は続けられています。2009年にはアメリカのウッズホール海洋研究所の無人探査機Nereusが水深10,902mに到達しました。そして2012年にアメリカの映画監督ジェームズ・キャメロンが1人乗り潜水艦「ディープシーチャレンジャー」に搭乗して、水深10,898mまで潜ることに成功しています。
有人潜水は2人目で、トリエステ以来52年ぶりでした。水深記録はトリエステにわずかに及ばなかったものの、単独での潜水であることと、海底までの所要時間が3時間と新たな記録を樹立しています。
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