世界で一番深い海はどこ?その水深は?深い海溝ランキングと共に紹介

第1位:マリアナ海溝

マリアナ海溝で発見されたシンカイクサウオ
出典:世界で不思議なミイ

第1位は先述したマリアナ海溝で、最も深い水深は10,994mです。マリアナ海溝は今も多くの海洋学者の興味の的となっています。水深1万mの世界は日の届かない暗闇であり、水温も水が凍る寸前の1.5℃程度しかありません。そんな中水深8,000m付近で、クサウオの一種が発見されています。

魚類としても、最も深海に住んでいる魚の一種です。ただしこれ以上深くなると生物がいる可能性は低いといわれています。なぜならば水深8,200mを超えると、水圧によってたんぱく質が安定しないからなのだそう。しかし近年、単細胞生物や微生物は深い水深でも発見されており、水深6,000mよりも水深10,000mの方が酸素の消費量が多いという報告もあるといいます。

シンカイフカウオが紹介されている動画
出典:JAMSTEC海洋開発機構

そのため水深10,000m以上には未知の生体が生息している可能性があり、今後の研究が待たれるところです。

第2位:トンガ海溝

トンガ海溝
出典:JapaneseClass.jp

トンガ海溝は、南太平洋・トンガ諸島の東にある海溝で、最も深い水深は10,800mです。これは南半球で最も深い数字であり、マリアナ海溝に次いだ深さになります。インド・オーストラリアプレートと太平洋プレートの境目にあり、太平洋プレートが700km以上沈み込んでいるために、700kmの深発地震が発生しているのです。

さらにトンガ海溝を形作ったプレートの動きは、日本やマリアナ海溝にある火山の噴火を引き起こしているといわれています。

第3位:フィリピン海溝

フィリピン海溝の地形
出典:Wikipedia

フィリピン諸島東方のフィリピン海西端にある海溝で、最も深い水深は10,540mと観測されています。1927年にはドイツ海軍巡回艦エムデンが観測して深海を発見したことから、エムデン海溝とも呼ばれていました。しかし2008年に開催された太平水深総図(GEBCO)で、フィリピン海溝という名称に統一され、エムデン海淵という名前で残されています。

エムデン海溝の他にもケープジョンソン海溝など水深10,000mを超える海溝が複数あり、多くの地震の震源にもなっているのです。

第4位:ケルマデック海溝

ケルマデック海溝
出典:Wikipedia

ケルマデック海溝は、南太平洋とケルマデック諸島の東にある海溝で、最も深い水深は10,047mです。南半球ではトンガ海溝に次ぐ深さで、インド・オーストラリアプレートと太平洋プレートによって形成されています。

2021年にはケルマデック諸島での地震が続いており、巨大地震による被害はなかったものの、日本でも10cm前後の津波が観測されました。1年に3回マグニチュード7を超える地震が観測されており、地震活動が活発な地域といえます。

第5位:伊豆・小笠原海溝

伊豆・小笠原海溝
出典:Wikipedia

伊豆・小笠原海溝は、日本の房総半島沖から南東方向に連なる海溝で、最も深い水深は9,780mです。フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈み込むような地形をしています。またプレートからは、伊豆諸島や小笠原諸島付近でマグマとなって上昇し、伊豆・小笠原弧という火山列島を形成しているのです。

1605年に起きた慶長地震の震源の1つと考えられており、南海トラフと共に将来の大地震の可能性が示唆されています。

第6位:千島海溝

千島海溝
出典:Wikipedia

カムチャッカ東岸沖から千島列島南方沖・北海道南東岸沖にかけた海溝で、一番深い水深は9,550mです。千島海溝を形成するプレート沈み込み帯は日本の北海道や東北に深刻な津波を起こす可能性も示唆されており、日本政府により研究・警戒地域の対象となっています。

また千鳥海溝の最深部にはプラスチックが堆積しているといい、海洋汚染が深刻な状況になっているのです。

第7位:ヤップ海溝

ヤップ海溝の場所(赤い矢印の場所)
出典:ResearchGate

ヤップ海溝は西太平洋・フィリピン海南部にかけてある海溝で、最も深い水深は8,946mです。太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に潜り込んでできた海溝で、環太平洋造山帯の一部でもあります。

2021年に中国の上海国際大学深部生命国際センターが海洋調査しており、ヤップ海溝にはナマコやヒトデなどの生物がいたといい、堆積物や岩石のサンプルも取得しました。

世界で一番深い海に関するまとめ

いかがでしたでしょうか?今回は世界で一番深い海を中心に紹介していきましたが、太平洋は広くて深いんだなと素朴に感じた次第です。海にはまだまだ未知な部分が多くあり、宇宙のように夢があるなと感じました。新たな研究発表を楽しみにしたいと感じています。この記事を読んだ人も、同じようにロマンを感じて頂けたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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