ナチス・ドイツが行った人体実験とは?主な内容やその影響を紹介

ナチスが行った人体実験とは?

分かっているだけで15種類以上の実験が行われている
出典:sienanews

裁判で明らかになった人体実験の内容は、記録に残っているだけで15種類以上判明しています。そこでここではその中から特に悪名高い実験を5つ紹介していきます。

双子の実験

ハンガリーの双子を見る医師
出典:クールダンプ

アウシュビッツ強制収容所の医師ヨーゼフ・メンゲレが中心に行い、1943〜1944年にかけて約3,000名の双子を対象に実験し、戦後まで生き残ったのはわずか150名程度だったそうです。研究項目は双子の遺伝子学で双子を性別や年齢でわけ、異なる医薬品を目に注入して目の色が変わるかの実験したり、双子を縫い合わせて結合双生児のようにしたとされています。

断種実験

アウシュビッツ強制収容所に収容されたユダヤ人
出典:コロナッシングラボ

アウシュビッツ、ラヴェンスブリュックなどの強制収容所で、1941〜1945年まで断種実験が行われていました。実験対象となったのはロシア人・ポーランド人・ユダヤ人などで、少ない費用で気づかれずに断種してしまうのを目標として研究されていたようです。この実験で数千人の人々が、X線照射や手術で精管や卵管の摘出手術をしたりしています。被験者は長く副作用に苦しめられることとなりました。

毒ガス実験

皮膚を人為的に毒ガスを塗られ大火傷を負わせられた
出典:「神アニメ・アニソン・ボカロ研究所」

「ロスト」と呼ばれるマスタード・ガス(毒ガス)による火傷の効果的な治療法を開発するための実験が、多くの強制収容所で繰り返し行われていました。被験者は毒ガスを体に塗られ、全身やけどで酷い苦しみを味わったといいます。治る過程が記録されていましたが、中には助からない人もおり、助かったとしても盲目になったり傷跡が残ったりと非常に苦しみました。なお死亡者は解剖され、被験者や被験者の臓器の写真が写真集として公刊されています。

超高度実験

通常の被験者では苦しむために囚人を利用した
出典:クールダンプ

ドイツ空軍が高度での気圧に耐えられるかを調査するために、低圧実験室にダッハウ収容所の囚人を使用して高度20,000mの気圧まであげて実験しています。当初は志願者で実験していたそうですが、酷く苦しむために実験は中断。そのため空軍医師がナチス親衛隊の承認を得て始めたのだそうです。実験にはユダヤ人・ポーランド人・ロシア人捕虜約200名が駆り出され、約80名が亡くなっています。遺体は解剖され、かろうじて生き残った人は酷い後遺症に悩まされました。

海水実験

海水実験ではモップがけされた床の水を舐める程苦しんだという
出典:クールダンプ

ダッハウ収容所で行われた人体実験で、非常時に海水を飲めるかの実験でした。被験者は主にロマで構成された44名で、情報収集の目的で肝臓や脊髄を穿刺しながら海水を飲み続けさせられています。グループは4つにわけられ、1つ目のグループは水を全く与えられず、2つ目のグループは通常の海水を、3つ目のグループは塩味を隠した海水で4つ目のグループは塩分を取り除いた海水が与えられました。被験者たちは酷い脱水症状となり、亡くなる人もいました。

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