北朝鮮の人体実験 | 北朝鮮
脱北者の証言により、北朝鮮の元捕虜に対するガス室での囚人の窒息や、化学兵器のテスト・麻酔なしの手術などがわかっています。脱北した男性は、父・母・子供の一家を透明のガラスに閉じ込めガスで窒息させた実験を目撃したと証言しています。
科学者は上から様子を覗いており、実験の目的は毒ガスによる被害者の精神状態を観察し、一定地域にいる人を殺害するのに必要なガスの量を計るためだったそうです。2017年にはアメリカの学生が北朝鮮のツアーで拘束され、半年後に昏睡状態で返される事件が起きました。この時の死因も人体実験が疑われています。
九州大学生体解剖事件 | 日本
1945年に九州方面で撃墜されたB29の搭乗員8名が、九州帝国大学(現:九州大学)で人体実験された事件です。実験には同大学15名の医学部研究者や参謀が立ち会って実施されています。実験の内容は「肺の切除」「心臓の切除」などで捕虜たちは出血多量で死亡しました。
終戦後GHQが捜査に乗り出し、裁判で軍事関係者2名・大学関係者3名に死刑判決が下されています。大学教授だった石山福二郎は取り調べ中に自殺し、遺書には「一切は軍の命令なり、全ての責任は余にあり」と書かれていたそうです。
アントラー実験 | イギリス
1930〜1940年代までの間にイギリスのボートンダウン(化学兵器工場)で、マスタードガスがイギリス人とインド人の肌を比べてどちらがダメージを与えられるかの実験をしていました。1945年以降はサリンやVXガスなどの神経ガスに変わり、約3400人が実験対象となったそうです。
1950年代にはボートンダウンの非倫理的な実験が元で、ロナルド・マディソンという空軍軍人が、サリンの実験が元で亡くなっています。マディソン氏は腕の上の布にサリンがたらされる実験をしていましたが、20分後に倒れて容体が急変し死亡したのです。
核兵器実験 | オーストラリア
1952〜1957年にかけて、イギリスとオーストラリアが合同で、西オーストラリアのモンテベロ諸島と南東の砂漠地帯で核実験を行いました。核実験時に軍人と民間人が人体実験されたといわれています。
核実験後に放射能の土埃に転がされた兵士や、衣服の放射線に対する防御性を計るために犠牲になった兵士もいました。またイギリスから重度の障がい者をオーストラリアに送ったことが分かっており、恐らく被曝して死亡したと推定されています。
グアテマラ人体実験 | グアテマラ
1946〜1948年までの間、グアテマラにおいて米国研究者が受刑者・精神疾患者・娼婦などを対象に人体実験した事件です。約1500人の男女が淋病と梅毒に感染し、性病に感染した売春婦と性交渉して感染させていました。実験にはグアテマラ政府も協力してたそうです。
実験の目的は当時の米国人男性の1割が梅毒、6割が淋病を患っており、治療法を見つけるためでした。被験者は実験の意図や感染に気づかず、2次被害も多く起こったといいます。この事実は2010年に発覚し、オバマ大統領はアルバロ・コロン大統領に謝罪しました。