ナチスの低温実験 | ドイツ
1941年にドイツ空軍は、低体温症の予防と治療を目的として凍結実験を行っています。主な被害者はロシア人捕虜で、ロシア人の耐寒能力がドイツ人よりも高いのかを調査するためだったそうです。
1つの実験では、被験者はタンク1杯分の氷水に5時間入れられたといいます。その他-6度の屋外に裸のまま数時間放置させた人もいたそうです。この実験を元にナチスの医師は「海と冬から生じる医学的問題」として発表しました。実験で約100名が命を落としています。
ロックフェラー医学研究所の人体実験 | アメリカ
1911年ロックフェラー医学研究所において、野口英世は進行性麻痺性疾患である梅毒の病原菌を発見し、146名の患者にこの病気を感染させました。被験者はマラリヤやハンセン病など梅毒以外の入院患者で、健康な孤児の子供も対照比較するために梅毒に感染させています。野口や他の医師は実験の意図を被験者に説明していませんでした。
当時この実験は野口が、傷つけられやすい孤児と入院患者の人権を侵害したと非難されています。この批判に対してロックフェラー医学研究所は、「野口は被験者に投与する前に自分自身も抽出物を試験しており梅毒には感染しない」と指摘しました。しかし1913年に野口の梅毒感染が発覚し、結局実験の安全性が疑問視される結果となりました。
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名古屋市立乳児院の乳児に対する人体実験 | 日本
1955年に1名の乳児が人体実験により死亡した事件です。死亡した乳児は「乳児下痢症」が死因でした。同施設では乳児の親に承諾もなく、予備実験もされずに「大腸菌」を摂取した結果だったといいます。告発された側の名古屋市大学小児科教授は大腸菌と死亡乳児の因果関係は否定していますが、死ななかった2児に大腸菌を服用させた事実は認めています。
ナチスの焼夷弾実験 | ドイツ
1943〜1944年にかけてブーヘンヴァルト強制収容所で、焼夷弾のリンに対する有効な医薬品の有効性を試す人体実験をしています。被害者はユダヤ人などで、リンにより火傷をさせられました。火傷の傷は様々な医薬品が試され、多くの人が亡くなっています。
実験の結果多くの被験者が死亡しましたが、生きていても死後の効果を知るために殺害されたそうです。運よく生き残った人たちも多くの場合は身体障害が残り、後遺症に苦しむこととなりました。
スタンフォード監獄実験 | アメリカ
1971年にアメリカのスタンフォード大学で行われた心理学の実験です。実験はスタンフォード大学において、刑務所を舞台として役割を与えることで、その役割にあわせて行動することを証明することでした。実験は生徒に協力させています。
生徒を囚人役と警備役にわけて、数日間様子を見る予定でした。実験では警備役の3分の1が普段見られない凶暴性を出し、囚人役の生徒はショックで逃げ出す人も多かったそうです。あまりに非人道的なために実験は6日で中止になりましたが、警備役は「話が違う」と続行したがっていたといいます。
人体実験の歴史に関するまとめ
いかがでしたでしょうか?倫理に反する世界の人体実験を紹介していきましたが、医学的好奇心が発端で人間はどこまでも残酷になれる生き物なのだなと執筆を終わって実感しています。現在は厳しくなっていますが、二度とこのような実験が起きないことを祈らずにはいられません。