シャチは人間を食べることはある？人を襲わない4つの理由と過去の事故

シャチが人間を襲った事故は？

基本的には人を襲わないシャチですが、シャチが人間を襲った事件も起きているようです。そこでここでは、シャチが起こした人身事故について紹介していきます。

3件死亡事故を起こした殺人シャチがいた

シャチが人を襲った事故で有名なのは、アメリカ中の水族館を転々としていたシャチ「ティリクム」が起こした事故です。シャチが人を襲った事故といえばティリクムといえるぐらい有名な存在で、なんと2名の調教師と侵入者1名の死亡事故に関与しています。

ティリクムは体調が6.9m、体重が5,400㎏ある雄のシャチで、これは人が飼育しているシャチの中では最大級のものです。死亡事故に多く関与していることから凶暴なシャチなイメージがありますが、普段は技の習得に熱心でショーも積極的なシャチだったといいます。

シャチの「ティリクム」が起こした事故は？

人間が嫌いではなく、むしろ人間が大好きだったというティリクム。そんなティリクムが起こした事故はどういったものだったのか？紹介していきます。

1件目：調教師を溺死させた事故

1991年にカナダの太平洋シーランドという水族館で、調教師の勉強をしていた21歳の女性がプールに落下し、女性が溺死する事故がありました。この時ティリクムと他2頭のシャチがいましたが、3頭で女性をプールで引っ張ってしまい、女性を溺死させています。

事故は観客が見ている中で起き、一度女性は岸に辿りついたものの、観客の前で女性をまた水の中に引きずり込んでいます。飼育員たちは浮き輪を投げましたがそれらもシャチは遠ざけてしまい、結果として助かりませんでした。この事故により1992年にティリクムは別の水族館に移され、太平洋シーランドはまもなく閉園しています。

2件目：忍び込んだ人間を溺死させた事故

1999年にフロリダ州オーランドのシーワールドで、29歳の男性がティリクムの背中で死亡した状態で発見されています。男性は閉園後もシーランドに留まっており、勝手に水槽の中に入っていった人でした。

ティリクムは男性を攻撃したと見られ、数多くの裂傷や打撲傷などが残っていたといいます。死因は溺死でした。

3件目：ショーの途中で溺死させた事故

ティリクムは2010年にベテランの調教師の女性をプールの中に引きずり込み死亡させています。ティリクムはショー後に女性が撫でた際、髪か左手を咥えて水の中に引きずり込みました。この様子を多くの人が目撃しており、女性から気をそらすため餌を投げ入れたりして助け出そうと試みています。

最終的には医療用のプールに誘い込みティリクムを落ち着かせ、その時に女性を口から放しましたが、女性は既に死亡していました。女性は多くの場所を骨折し、髪の毛は頭皮から離れ、左腕は切断されていたといいます。

事故が起きた理由は、ティリクムが技を成功させた後は笛が吹かれ餌が与えられますが、ティリクムは笛の音を聞き逃してしまったようで餌を貰えなかったためです。そしてプールをさまよった後に、女性を咥えてプールの中に引きずり込んだといいます。

3件の死亡事故を起こしたティリクムはどうなった？

ティリクムは2011年にショーに復帰しています。復帰後は、ティリクムの子供や孫と一緒にショーに出演していたそうです。事故後は人の手で撫でるのではなく、撫でるための高圧ホースを導入し、取り外し可能なガードレースを取り付けています。

ティリクムは2016年に細菌感染し治療を続けるも、2017年に亡くなりました。そして現在は世界各地で21頭の子孫が活躍しているそうです。なお、ティリクムを題材にしたドキュメンタリー映画「ブラックフィッシュ」が2013年に放映。海洋哺乳類をエンターテイメント産業の一環として利用することについて、議論を投げかけるきっかけとなりました。