この記事では、西洋美術史を大学受験から大学院を卒業するまでの約7年間学んだ筆者がおすすめする「西洋美術史・絵画史に関する書籍」をランキング形式で13冊ご紹介していきます。
この記事を書いた人
13位:西洋美術の歴史1
読んでみて
シリーズ全8冊の学問書。一冊4000円とお高いですが、中身は学問書レベルです。そしてシリーズ8冊展開で、古代アート史から現代アートまで網羅されています。私は全部読んだ訳ではなく、ルネサンスから印象派くらいまでの間の数冊だけ読みました。シリーズごとに完結しているので、部分読みでも全く問題ないかと思います。興味のある時代を読んでみるのもありかもしれません。
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基軸は彫刻がメインですが、アルカイック期から古典期、ヘレニズム、ローマ古典期を経て、東方へ拡がった、人間の姿をした神々の美の展開が順を追って説明されます。図版は美術全集をあらかじめ目に焼き付けてから読むと、なるほど感が増すでしょう。エトルリア美術の歴史やエジプト美術との関連性をもう少し展開してほしいところではありますが、末尾に北周のトロヤ物語の一品を紹介しているのはさすが慧眼といえます。
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12位:世界美術大全集
読んでみて
がっつり学ぶならやっぱりこれ。学校や国の図書館に置いてあるようなものです。実際私の家の近くの図書館には置いてありました。はっきりいって他の数千円で買える書籍とは次元が違います。まとめてる情報量が桁違いです。本腰入れて学びたい人はおすすめです。
みんなのレビュー
公募展に出品しています。構図、色の勉強にするために購入しました。 現代絵画に興味がありますので
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11位:世界の美術家 その生涯と作品
読んでみて
画家の生涯を知りたいならこの一冊。西洋美術史の書籍としては最適ではないが、画家の歴史、つまり生涯を覗きたいならこの一冊が間違いない。とてもシンプルな構成で、長い西洋美術史の中で指折りの画家をピックアップして、その生涯をたどり、作品を解説したのがこの1冊です。
10位:西洋美術館
読んでみて
実物が見たくなる。古典から近代西洋アートまでまとめられています。書籍にしては比較的高価な3000円という値段ですが、その価格にも納得。お子様などいる家庭には一冊置いておいても教養本として機能するのではないでしょうか?
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これしか無いですよね。もう新刊どころか手に入らないと思っていました。よかったです。
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9位:武器になる知的教養 西洋美術鑑賞
読んでみて
この絵いいね!からの脱却本。東京藝大美術館館長による書籍です。他の書籍とは違い、さすがは藝大教授という感じ。一つ一つの絵に対する深掘りがものすごいです。全体の流れも理解できるしこの内容でこの値段はお買い得です。でも入門レベルではないので、一冊入門書を読み終えてからの方がいいかなと思いました。
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この本の中でいきなりグサッと刺さったのが「感性だけで絵画を鑑賞するのは、とてももったいない見方だ」というメッセージ。有名な絵画が日本にやってくると、話題だからとりあえず見に行ってみようというような浅ましい動機が多かったように思う。美術展を観終わったあと何やらもやもやとすること(どうだった?と聞かれうまく答えられない)が多く学びなおしが必要かなと思っていた矢先にこの本に出合ったのだ。主にルネサンス以降の西洋美術史の流れとバロック、写実主義、印象派…などの代表作が紹介されているだけではなく、”表現で見る”、”史実で見る”ことにより、本編に紹介されていない作品を見た時でも理解しやすくなる「方程式」を持つことができるというもの。まさに素人だが西洋美術に関心があるという人にはうってつけの西洋美術鑑賞の解説書!これからさらに西洋美術鑑賞に深入りできそうで楽しみ。
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8位:世界アート鑑賞図鑑
読んでみて
とにかくすごい情報量です。これまで紹介してきた書籍を圧倒的に凌駕する1100点を超えるカラー写真を掲載しており、絵画・彫刻から、写真、現代美術まで、すべてのアート・ジャンルを網羅しています。
ペラペラ見ているだけで、平気で1日過ごせちゃうくらい楽しい本です。作品の全体解説と、「この絵はここがポイントだよ!」という細部を切り抜いて解説してくれることにより、作品の詳細な理解ができました。各章の扉が、そのまま同時代の美術思潮が把握できる年表になっていて、時代順に並んでいるのも見やすさアップのポイントです。
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7位:教養としての西洋美術史 (TJMOOK)
読んでみて
最新書籍の教養本。2019年刊行の最近の本です。教養の文脈で出てきたものの、西洋美術史の流れにのっとって時代背景やアート作品を解説していく基本的な構成。ちょこちょこ教養要素が掲載されていましたが、非常に読みやすく絵も多いのでおすすめです。
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西洋美術の背景を知ることは、世界のビジネスシーンにおいて重要な共通認識であり、コミュニケーションに欠かせないもの。この本はそんな、教養としての西洋美術史を身につけるための全てがつまった一冊です。西洋美術の歴史を流れに沿って、時代ごとの背景(政治、宗教、風習、価値観)から、なぜこのような美術や様式が誕生し、どのように受け入れられてきたのかまで徹底解説。さらに時代ごとの代表作に、西洋美術史の転換点となった重要な作品もあわせ、豊富なカラービジュアルとともに紹介します。この一冊を読めば、社交場でのコミュニケーションツールが身につくのはもちろん、美術館や展覧会をより楽しめること間違いなし!
e-hon
6位:世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」
読んでみて
教養としてのアートを学びたい人には良書。 タイトルの通り「教養」として学ぶならありな書籍です。ただ活字がとても多いのと、カラーでもないので、しんどい部分はあるかもしれません。「絵をもっと理解したい」「名画を理解したい」という人にはあまり向かないでしょう。
逆にいうと、そのような書籍ばかりを見ていた人にはその時代にその絵画が生まれた歴史的背景を知れたりするので面白いかもしれません。少なくとも私はそうでした。
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西洋美術史の定番とも言える概説書である。記述が詳しいので、深い理解を得ることが出来る。西洋中世のカトリック教会のゴシック式建築は、尖塔は神を志向し、細部には悪魔や動物などの装飾が施され、聖書を建築で表現したかのようである。特に面白く感じたのは、北方ルネサンスのネーデルラント絵画である。ヤン・ファン・アイク作の「アルノルフィーニ夫妻像」(1434年)である。著者はこの作品からロウソクの火や犬などのシンボリズムを読み解いているが、オランダの歴史家でアナール学派の形成にも大きな影響を与えたヨハン・ホイジンガは、この作品に「中世の秋」を読み込んだのである。確かに、この作品に描かれている夫妻は静止している。時が止まってしまったかのように描かれている。ホイジンガは、その謎を探究すべく、中世文化史の探究に生涯を捧げることになった。この作品を中世の秋と捉えるか、ルネサンスの先駆と捉えるかについては解釈が分かれるであろう。中世から近世への過渡期の作品と見なすのが、正しいのかもしれない。
西洋絵画の読み解きは難しい。様々な解釈が存在し、図像解釈学などの学問領域も盛んである。謎が多いだけに、『ダ・ヴィンチコード』などのミステリー小説も流行するのだ。それはそれでよい。本書を読んで西洋美術史の基礎的知見を身に付けたいものである。お勧めの一冊だ。
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5位:西洋絵画の歴史 1 ルネサンスの驚愕
読んでみて
西洋美術史おすすめ本を訊かれたら、とりあえず小学館の『西洋美術の歴史 1〜3』 https://t.co/gwgTUfb5wQ と、ちくまプリマーの『西洋美術史入門』『西洋美術史入門 実践編』 https://t.co/KtG9vhFpGj を勧めている。中級以上なら中央公論新社の『西洋美術の歴史1〜8』 https://t.co/AHb01FVk4Z 。
— 壺屋めり (@cari_meli) February 4, 2019
少し長いですがとても面白いです。美術研究家の壺屋めりさんのツイートで知りました。絵画作品とそれが展示される場所との関わりに注目することによって、絵画が担わされた機能や社会的・政治的・宗教的な意味にまで迫る、斬新な内容でした。
みんなのレビュー
ルネサンス期の絵画を、その置かれた場所に着目して読み解いていく。それによって、美術館や美術書ではわからない、この時代の絵画の「機能」が見えてくる。徳島の大塚国際美術館に、聖堂などを実物大のタイルで復元する「環境展示」があるが、それはまさにこの発想である。立体である建築物の中に定位置を得て、平面芸術である絵画が、重層的な意味を持つ。引用画像もオールカラーであり、文章もわかりやすい。今後のシリーズにも大いに期待したい。
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4位:いちばん親切な 西洋美術史
読んでみて
いわゆる西洋美術史の入門書です。時代ごとに見開き1ページ構成になっていて、その時代に起きた出来事や画家や建築家などが説明されています。ちょっと堅い部分はあるので、どちらかといえば、上記で紹介した「西洋美術史入門」の方が好きでした。
みんなのレビュー
西洋美術の歴史を時代や特徴ごとに紹介した本。テーマごとに見開きになっている。掲載作品が多く、ビジュアル中心の構成。オールカラーで印刷も良好。また、単行本サイズでありながら少し横が長くなっており、このおかげで作品の写真の収まりがよく、見やすくなっている。222ページと分量もある。解説文は冗長さがなく、それほど細かくはないものの、それぞれの様式や時代の作品のポイントをコンパクトに押さえたものになっている。取り上げられている時代も、古代エジプトやメソポタミア、エーゲ文明、古代ギリシャ、古代ローマと古い時代から順に丁寧に取り上げられている。内容的には絵画が多いが、彫刻や建築もカバーされている。「いちばん親切な」というのはどうかと思うが、内容と分量とオールカラー印刷であることを考慮すると悪くないし、内容と比べるとお値段もお高くはない。
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3位:知識ゼロからの西洋絵画史入門
読んでみた
山田五郎さんの本です。タイトルの通り本当に入門中の入門。西洋美術史を本当にざっくりと学ぶにはとてもよい本かと思います。薄くて持ち運びやすいので気軽に読めます。カラーで絵も載っているので、文字ばかりの書籍が苦手な人にも良心的です。
みんなのレビュー
西洋美術史をざっくりと学ぶにはとてもよい本。他の入門書に比べて読みやすく、エピソードも面白い。電車の中で気楽に読めて、ある程度、美術史の流れがわかってくる。美術史は概略を知っていた方が美術鑑賞が楽しめるということは、分かっていても、持ち歩けないような分厚い入門書や、絵の載っていない新書版の入門書などを読む気はなかなか起こらない。その点、この本は絵がある程度の大きさでちゃんと載っていて、しかも薄くて、筆者が山田五郎氏なので親しみもある。とてもよい入門書だと思います。
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2位:西洋美術史入門
読んでみて
実物が見たくなる。 書籍のタイトルからしてちょっと堅そうな感じがしていたし、表紙もちょっとダサいから期待していなかったけど読んでみたらびっくり。とてもわかりやすく、しかも細かい情報が詰まっています。この本を読んで本当に実物が見たくなりました。好奇心を掻き立てる一冊でした。
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1位:巨匠に教わる、絵画の見かた
読んでみて
読みやすさ、満点でした。初心者向けの書籍です。イラストや挿絵がふんだんに使われており、難しい言葉も少なめです。絵については関心があるが、どのようなことから始めればいいのかわからないという方、また絵の見方の例を知りたいという方にはもってこいの一冊。電子書籍がないのが、もったないです。
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終わりに
いかがでしたでしょうか?
西洋美術史に関する数多くの書籍がありますが、手に取る本を間違えると挫折してしまいます。どの本を買えば良いか分からなかったら、2冊目で紹介した「西洋美術史入門」を手にとってみてはいかがでしょうか。
情報量も豊富で、読みやすく包括的に学べると思います。以上、西洋美術史の書籍をまとめました。
詳しい
コメントありがとうございます!記事を執筆する励みになります。引き続き宜しくお願い致します。
めちゃくちゃ参考になりました!
> 名無しマンさま
嬉しいコメントありがとうございます!
ぜひ長い美術史の旅に浸っていただければと思います。