まだまだあるオペラの名曲2選
もちろんモーツァルトのオペラで素晴らしいのは「三大オペラ」だけではありません。イタリア語、ドイツ語など様々な言語のオペラを書きました。その中から少しだけご紹介します。
歌劇 女はみなこうしたもの よりアリア「岩のように動かずに」
「女はみなこうしたもの(コシ・ファン・トゥッテ)」は「女性なら誰でも絶対に浮気をする」と主張して引かない老学者と、「それでも自分の恋人だけは絶対に違う」と主張する青年2人が、自身の恋人である姉妹に恋を仕掛けて実験をする、という内容のオペラです。
このアリアはその姉妹の姉・フィオルディリージが自らの貞操を誓って歌う曲で、約4分もある、アリアにしては長めの大曲です。
歌劇「後宮からの誘拐」序曲
「後宮からの誘拐」はモーツァルトがザルツブルクからウィーンに移って初めての作品です。トルコのハーレムを題材にした作品で、このトルコ風でエキゾチックな序曲が人気を博しました。
また当時は宮廷で上演されるような作品はイタリア語のオペラが一般的でしたが、この作品はドイツ語で書かれました。こういった点や、ハーレムといった舞台背景が許された点など、当時のウィーン宮廷の啓蒙的で寛容な風潮が推測できます。
交響曲編 モーツァルトの代表曲2選
交響曲は元々歌劇の序曲であり、ザワザワしている客席の意識を舞台に向けさせるための役割がありました。歌劇(オペラ)を多数作曲したモーツァルトですので、交響曲にも素敵な曲が沢山あります。
アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク
ものの数秒で聴き覚えのあるメロディに気づくでしょう。「小夜曲」と言う野外で演奏されるロマンティックな曲です。
可愛らしいメロディが弦楽器の輝かしい響きとマッチしており、世界中で今なお愛されている曲です。
交響曲40番 第1楽章
モーツァルトの数少ない短調の曲です。明るい曲を数多く作曲したモーツァルトですが、このような暗い曲にこそモーツァルト自身の内面が現れていると言われています。また交響曲39番、40番、41番はモーツァルトの「三代交響曲」と称され、傑作とされています。
モーツァルトが30代になる頃はフランス革命の影響などもあり、それまで仕事を提供してくれた貴族たちの立場も無くなってきたためモーツァルトの仕事にも大いに影響しました。35歳の生涯を終える直前は経済的にも苦労したとも言われています。この曲の「溜め息のモチーフ」とも言われる憂いのあるメロディも、彼の内面から出たものなのでしょうか。
「鍵盤曲編」モーツァルトの代表曲2選
モーツァルトと言えば「目隠し鍵盤を弾く」などと言ったエピソードもあり、浮世離れした天才と思われることが多いですが、楽譜だけを見ると実は計画的で現実的な作曲家です。
その点がよくわかるのが鍵盤の楽曲で、構成などはとても緻密に作られています。曲にもよりますが、難易度もそこまで高くないのも魅力的で、ピアノレスナーにとっても馴染みがあります。子どもの発表会だけではなく、大人のピアノレッスンなどにも適しています。
ピアノ協奏曲第20番 ニ短調 K.466
映画「アマデウス」でも流れた曲です。ピアノ協奏曲というのはピアノの独奏とオーケストラが合わせる曲のことを言い、この20番は数ある協奏曲の中でも人気がある、ピアニストにとっても憧れの曲です。
モーツァルト作品に珍しい短調というだけではなく、強弱や展開の緩急が激しく、感情的な印象があるのもとても珍しいです。
モーツァルト/ピアノソナタ第16(15)番第1楽章
モーツァルトの時代は、「メロディー+伴奏」というホモフォニー様式が確立された時代でもあります。この曲を聞くと「右手がメロディーで、左手が伴奏」という役割がはっきりわかりますね。
ピアノ初学者でも挑戦しやすいピアノソナタとなっており、スムーズな伴奏と軽やかなメロディが特徴です。