アンディウォーホルといえばマリリンモンローのポップなカラーの絵が印象的ですよね。アンディウォーホルの作品はシルクスクリーンという技法を用いて作成されています。同じ図版のイラストを派手な色彩を用いつつもそれぞれ違った配色にしてとても特徴的ですよね。
「アンディウォーホルの作品マリリンモンローはどのような経緯で生まれたのかな?」
「アンディウォーホルの作品で人気なのはどの作品?」
アンディウォーホルの作品の魅力に迫りたくなりませんか?この記事ではアンディウォーホルの作品に焦点を当てて、有名な作品をいくつか紹介して行きたいと思います。
アンディウォーホルについて知りたい方は必見です。
アンディウォーホルの代表作
Guns

「Guns」 の概要
制作年 | 1981年-1982年 |
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寸法 | 177cm×228cm |
展示場所 | アンディウォーホルミュージアム |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン・アクリル |
「Guns」 の創作背景・解説
アンディウォーホルの作品はポップアートに分類され、明るいイメージがありますが、ウォーホル自身は結構暗いイメージのあるモチーフを絵に表しています。例えば、死刑用に使われた電気椅子、交通事故、自殺現場などもシルクスクリーンによってポップアートへと変貌させているのです。
このGunsも暗いイメージのあるモチーフですが、そのイメージを払拭するがごとく、派手な色彩で彩られています。ウォーホル自身が生きた時代の銃社会アメリカを象徴・揶揄しているのではないでしょうか。
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100Cans

「100Cans」 の概要
制作年 | 1962年 |
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寸法 | 51cm×41cm |
展示場所 | オルブライト=ノックス・アートギャラリー、バッファロー |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン・カンヴァス |
「100Cans」 の創作背景・解説
アンディウォーホルは大量生産、大量消費されるものをモチーフとすることが多く、こちらの100Cansもキャンベルのトマトスープ缶を100個規則正しく並べたという構図になっています。全部並べることによって個性の消失を訴えているのでしょうか。
アンディウォーホルの時代、多くの人がインスタント食品を食べるようになり、このような習慣が増えるにつれて、ウォーホルは危機感を感じたそうです。同じものを羅列して、みんながみんな同じように生きていては面白くないということを伝えたかったのでしょう。
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Lips,Kiss

「Lips,Kiss」 の概要
制作年 | 1950年代 |
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寸法 | 36.8cm×28.7cm |
展示場所 | アンディウォーホルミュージアム |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | ブロッテドラインスタイル・非吸水性紙 |
「Lips,Kiss」 の創作背景・解説
Lips,Kissはアンディウォーホルが初期の商業デザイナーの頃に描かれた作品です。ブロッテドラインスタイルと呼ばれる非吸水性の紙にインクを載せて、別の紙に転写するという手法を用いて描かれました。のちの作品とは異なり、繊細な線で描写されています。
この頃から、微妙に色の違う同じモチーフを並べていくというスタイルが始まっています。アルバムのカバーや広告のデザインを頼まれるようになったのもこの時期からです。
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ダブル・エルヴィス

「ダブル・エルヴィス」 の概要
制作年 | 1963年 |
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寸法 | 211cm×135cm |
展示場所 | ニューヨーク近代美術館 |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン・カンヴァス |
「ダブル・エルヴィス」 の創作背景・解説
アンディウォーホルは大衆に広く支持されたスターをシルクスクリーンで多く描きだしました。モハメドアリ、ミックジャガー、マイケルジャクソン、ジェームズディーンなどそうそうたるメンバーの肖像画の作品が残っています。

エルヴィスプレスリーとは実際に親交があり、ダブルエルヴィス制作中にツーショットで写っている写真も見受けられます。また、エルヴィスの作品は「トリプルエルヴィス」「レッドエルヴィス」など数種類の作品が残されています。
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花

「花」 の概要
制作年 | 1964年 |
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寸法 | 55.8cm×55.7cm |
展示場所 | ハーシュホーン美術館 |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン・カンヴァス |
「花」 の創作背景・解説
今やウォーホルの代表作となっているこの作品ですが、きっかけは美術館のキュレーターであった友人からの助言でした。暗いイメージの対象をモチーフとしていたウォーホルに「もっと明るい絵を書くべきだ」と進言し、誕生したのがこの「花」です。
ウォーホルはたまたま新聞で見つけたハイビスカスの花をモチーフに、ウォーホルの代名詞と言えるシルクスクリーンで大量生産してこの作品を仕上げています。この作品はもともと芸術として描かれたわけではなく、商業広告として用いるために製作されたという話もあります。
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バナナ

「バナナ」 の概要
制作年 | 1967年 |
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寸法 | 不明 |
展示場所 | 不明 |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン |
「バナナ」 の創作背景・解説
アンディウォーホルの代表作の一つです。「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」のジャケットに使用されていることが有名ですよね。アンディウォーホルはこのアルバムのプロデューサーを務め、アルバム制作に参加する条件としてニコの参加を提案したという逸話もあります。
アルバムのジャケットに「バナナ」を使った意味は「ゆっくり剥いてみろ」というメッセージを込めるためだそうです。最近ではシンガーソングライターのあいみょんさんがこの作品のファンだということが知られています。
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マリリンモンロー

「マリリンモンロー」 の概要
制作年 | 1967年 |
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寸法 | 91.5cm×91.5cm |
展示場所 | シカゴ美術研究所 |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン・カンヴァス |
「マリリンモンロー」 の創作背景・解説
マリリンモンローの死をきっかけに作られた作品です。アンディウォーホルが映画「ナイアガラ」のスチール写真を元にマリリンモンローの肖像画を切り出し、シルクスクリーンで大量に製作します。当時はウォーホルの作品が世に普及していなかったので、芸術界に衝撃を与えました。
最初の頃はこれを芸術とみなしていいのかと批判の声が多かったのですが、今やウォーホルの代表作品として世の中に認められています。大量生産を豊かさの象徴としてとらえていた当時のアメリカに疑問を投げかける作品でもありました。
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ジョンレノン
「ジョンレノン」 の概要
制作年 | 1986年 |
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寸法 | 不明 |
展示場所 | 不明 |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン |
「ジョンレノン」 の創作背景・解説
ジョンレノンの逝去後に作られた作品です。アルバム「melon avenue」のカバージャケットに使用されました。アンディウォーホルは1987年2月に亡くなっていますので、このジョンレノンの絵は晩年の代表作品と言えるでしょう。
実はジョンレノンとアンディウォーホルは1970年頃から親交があり、アルバム「imagine」のカバージャケットの写真をウォーホルが取ることになっていたそうです。結局、ジャケットに使用されたのはオノ・ヨーコが撮ったポラロイド写真だったそうですが、ツーショット写真も多く残っており、二人の親交が深かったことが伺えます。
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毛沢東

「毛沢東」 の概要
制作年 | 1973年 |
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寸法 | 不明 |
展示場所 | シカゴ美術研究所 |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン・カンヴァス |
「毛沢東」 の創作背景・解説
アンディウォーホルが毛沢東の製作をしたきっかけは、アメリカ大統領のリチャードニクソンが中国に訪問したことで、これは冷戦の開始の合図ともなる重要な出来事です。ウォーホルが中国の全体主義によるプロパガンダ美術に不快感を表しているとされています。
こちらの作品は天安門広場に掲げられている毛沢東の肖像画を元にシルクスクリーンで製作したもので、文化大革命後の中国を表しています。本来の地味な色使いと対照的に派手な色合いで装飾されており、落書き芸術へのオマージュであるとされています。
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自画像

「自画像」 の概要
製作年 | 1979年-1986年 |
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寸法 | 様々 |
展示場所 | ポールゲッティ美術館など |
時代様式 | ポップアート、近代美術 |
種類や技法 | シルクスクリーン・カンヴァス |
「自画像」 の創作背景・解説
アンディウォーホルは自身の顔写真もシルクスクリーンでポップアートへと変貌させています。
自画像は約8年に渡って数種類の作品が残されていますが、もっとも最初の作品はオークションで2017年に約9億円、6枚組の自画像は2014年に約31億円で落札されています。
ウォーホル自身は白銀の髪の毛がトレードマークでしたが、これらの作品群では赤や黄色などウォーホルらしい奇抜な色で髪の毛が染め上げられています。
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アンディウォーホルの作品集
アンディ・ウォーホル全版画 第4版[増補改訂新版]
限定1500部で販売されているアンディウォーホルの作品集です。1997年発売の第3版から改訂し、更に充実した一冊となっています。1950年代のシルクスクリーンが始まる前の作品から初期の版画、未出版の版画に至るまで500点の作品が収録されています。
テート・モダンのキュレーターであるドナ・ディ・サルヴォのエッセイ「アンディウォーホルの版画づくりの起源」も収録されています。30cm×25cmの大型本なので見ごたえ抜群です。
アンディウォーホルの作品を購入できるサイト
アンディウォーフォルの作品は以下のサイトからも購入できるので、チェックしてみてください。
アンディウォーホルに関するまとめ
アンディウォーホルの作品は現実世界にはありえないような色彩で描かれており、強烈なインパクトとともに不思議な印象を与えてくれますよね。シルクスクリーンという技術の誕生当初は世間から批判を受けたウォーホルでしたが、現在では多くの人に愛されています。
今回はウォーホルの作品の一部を紹介させていただきましたが、まだまだ多くの作品がありますので、この記事を参考にさらにアンディウォーホルの魅力を知っていただき、彼の世界観に浸ってほしいと思います。
それでは、長時間をこの記事におつきあいいただき、誠にありがとうございました。
