【3分で分かる】太陽黒点とは?周期や変化、温度、与える影響まで解説

皆さんは太陽黒点をご存知でしょうか?太陽黒点は太陽表面にある黒い点のような部分のことです。

太陽黒点は周期的に変動しており、数日で消えるものもあれば、数ヶ月続く黒点もあります。黒点の数は太陽の活動性を示していて、重要な指標の一つとされています。

いまだ謎の多い太陽ですが、この太陽黒点も解明しきれていない謎の一つです。この記事では太陽黒点について解説したのちに、地球へ与える影響なども含め、お伝えしていきます。

太陽とは?誕生からその歴史、地球に与える影響までわかりやすく解説

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

太陽黒点とは

太陽黒点

太陽黒点の発生

ガリレオ・ガリレイ(1564~1642)

1600年初頭、ガリレオ・ガリレイの発明した望遠鏡によって太陽の観測が行われるようになりました。

観測とともに望遠鏡も進化し、1612年1月、ドイツの天文学者であるクリストフ・シャイナーによって太陽黒点が観測されました(1609年にガリレオ・ガリレイの方が先に黒点を発見していたという説もあり、クリストフ・シャイナーとどちらが先に黒点を発見したのか争われていました)。

なお、霧や黄砂などによって太陽の強い光が遮られると、肉眼で黒点が観測できることもあり、紀元前においても、世界各地で黒点の記録が確認されています。

太陽黒点の特徴

太陽黒点は、黒点内部の磁場を表す磁力線が狭く密集して形成されると考えており、磁束管の一つであるとされています。黒点が黒く見える理由として、大量の磁力により、太陽の光と熱エネルギーが遮られてしまい、磁束管部分のみ温度が上昇せず、他の太陽表面部と比べて暗く見えるためです。

そのため太陽の表面部に当たる光球はおよそ6000℃と高温なのに対し、同じ表面に発生する黒点は4000℃と2000℃程低くなっています。

太陽黒点のS極とN極
出典:公益財団法人日本極地研究振興会

磁石にS極とN極があるように、強い磁力を放つ黒点にも対になって現れることがことが多く、それぞれS極とN極があります。さらに黒点は中心にある「暗部」とその周囲の「半暗部」で構成されており、半暗部の方が色は薄く磁力も弱いため、暗部より温度も高くなっています。

一般的に黒点は集団で発生することが多く、それらは「黒点群」と呼ばれ観測のポイントとされています。黒点群は、その時の形態によって分類されており、「双極性黒点群」と「単極性黒点群」にわけられます。双極性黒点群は、黒点群の中でも東側と西側で、それぞれ大きい黒点が見られる黒点群を指します。それに対し単極性黒点群は、大きい黒点が一つのみの黒点群を指しています。

太陽黒点の変化

太陽黒点の移動

太陽黒点の移動

太陽黒点はずっと同じ位置にあるわけではなく、日々形が変化したり、太陽の自転運動によって位置が変わったりしています。

黒点は平均して2週間程度は同じ位置にあるとされていますが、数日と短い期間でなくなってしまう黒点もあれば、1ヶ月と長い期間にわたって観測できる黒点もあります。

太陽黒点の周期

マウンダー極小期に寒冷化現象により凍ったテムズ川

太陽表面にある黒点は常に変化しています。黒点の形だけでなく、その形態や数も変わっており、おおよそ11年程度の周期があるとされています。この11年という周期には謎も多く、世界中の研究者達が解明に努めています。

太陽黒点の極小期(黒点の数が少ない時期)は太陽の活動が少なく、磁場も弱くなるとされています。1645年~1715年の70年間は黒点がほとんど観測されない「マウンダー極小期」と呼ばれ、各地で寒冷化現象が起こる異常気象に見舞われました。

黒点の多い極大期と極小期を比較しても、その違いはほとんどなく、光の放射量が0.1%変動するだけでした。そのため黒点の数と異常気象に関して、因果関係は判明していません。

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