アメリカ独立戦争でのフランスの動き
イギリスを弱体化させるため戦争に参加
フランスは、仇敵であるイギリスを弱体化させるため、そして北米におけるフランスの植民地を復活させるため、独立戦争に参加しました。
しかし、10億リーブルもの戦費がかかった上、アメリカ合衆国の貿易上の一番の相手国はイギリスとなり、アメリカにおける元フランス領を取り返すこともできませんでした。
アメリカ独立戦争からフランス革命へ
アメリカ独立戦争は、フランス革命の原因の一つになりました。
アメリカ独立戦争に参加したことで、ただでさえ財政難だったフランスは、さらなる財政悪化を招きました。この財政悪化を打開しようとフランスで三部会が開かれます。
この三部会で国王は、第1身分、第2身分にも課税しようとしましたが、貴族達に否決されてしまいます。そのため、第3身分の平民が中心となり国民議会が開かれたことで、フランス革命へと進んでいきました。
フランスにとって独立戦争は、フランス革命のきっかけとなった戦争となりました。
アメリカ独立戦争を年表で振り返る
1764年 – 「砂糖法が制定」
外国製ラムの輸入を違法とし糖蜜の関税を引き下げたため、ニューイングランドのラム蒸留所や商人は大打撃を受けました。
1765年 – 「印紙法が制定」
この法により新聞、本、パンフレットなど植民地で印刷される全てのものに課税されるようになり、植民地の人は「表現・言論の自由」を奪うものとして大反発しました。翌年1766年に廃止されます。
1767年 – 「タウンゼント諸法が制定」
イギリスから入ってくるガラス・鉛・茶などに課税をかけられました。その結果植民地では本国イギリス製品の不買運動がおこなわれ、茶税を残し廃止されました。
1770年 – 「ボストン虐殺事件」
本国イギリスからの課税に反対する運動が続いていたマサチューセッツ州で、抵抗運動を抑えようとした本国イギリス軍と、反対集会に集まったボストン市民の衝突です。5人の市民が死亡しました。
1770年 – 「茶法が制定」
これはイギリス東インド会社がアメリカに輸出する紅茶を免税とする法で、イギリス東インド会社によるお茶の独占権を意味するものでした。
1770年 – 「ボストン茶会事件」
同年に制定された茶法に対して12月、反発する急進派の人達が先住民に扮し、ボストン港に停泊中のイギリスの商船に乗り込み、342箱の茶葉(1万5000ポンド)を海に投げ捨てました。
これがボストン茶会事件です。
植民地側が「茶会を開いただけ」という冗談を言ったことからボストン茶会事件と名前が付けられました。独立戦争のきっかけとなった事件の一つです。
1774年 – 「第1回大陸会議の開催」
ボストン茶会事件の後、ボストン港は封鎖、マサチューセッツの自治の制限、軍隊の駐屯とその費用の押し付けがされたたことを受け、ジョージアをのぞく12の植民地代表がフィラデルフィアに集まり、第1回大陸会議を開きました。
「宣言と決議」が採択され、本国との通商を断絶することになりました。
1775年 – 「レキシントン・コンコードの戦い」
植民地側の武器弾薬の押収しようとしたイギリス軍と独立軍の最初の武力衝突で、ボストン郊外のレキシントンとコンコードで起こりました。
1775年 – 「第2回大陸会議」
1775年5月、13植民地全ての代表が参加し、ジョージ・ワシントンが総司令官に就任しました。
1776年 – 「アメリカ独立宣言」
原案はトマス・ジェファーソンによるもので、アメリカの自由・平等など基本的人権、イギリス本国への革命権を認めるものとなりました。
1777年 – 「サラトガの戦い」
フランスのラ・ファイエット、ドイツの軍人フリードリッヒ・ヴィルヘルム・フォン・シュトイベン、ポーランドのコシューシコなどが義勇兵として参加しました。
1780年 – 「武装中立同盟の成立」
ロシアのエカチェリーナ2世を中心にヨーロッパ諸国の参加する武装中立同盟がつくられ、イギリスは国際的に孤立していきました。
1781年 – 「ヨークタウンの戦い」
独立軍は、チャールズ・コーンウォリスの率いるイギリス軍を降伏させ、戦争は植民地の勝利というかたちで終結しました。
アメリカ独立戦争を学べるおすすめの書籍
アメリカ独立革命 (日本語)
アメリカ建国史の第一人者である著者が、自らの専門書を一般向けに要約したものです。13植民地の成立、アメリカ独立戦争前、アメリカ独立戦争での戦い、そして憲法の制定までのアメリカについて書かれています。アメリカ合衆国という国が、どのように始まり、作られていったのかを知りたいかたに分かりやすく解説しています。
アメリカ独立戦争について、アメリカという国について知りたい方におすすめの一冊です。
アメリカ独立戦争〈上〉 (学研M文庫)
アメリカ独立戦争に関して日本語で書かれた数少ない本の中の一冊です。上巻では、アメリカ独立戦争が起こるまでのアメリカについて書かれていて、特に独立戦争へとつながる重要な位置づけであるフレンチ・インディアン戦争について詳しく書かれています。
アメリカ独立戦争といっても、戦争に至るまでには長い道のりがあり、様々な要因が重なっているため、この本を通してアメリカ独立戦争に至までのアメリカ社会(植民地社会)を知ることで、独立戦争についてより深く理解できるでしょう。
アメリカ独立戦争〈下〉 (学研M文庫)
アメリカ独立戦争について知るための入門書として最適な一冊です。下巻では独立宣言から始まり、フランスの参戦やサラトガの戦い、そして最後のヨークタウンの戦いへと戦争の流れが詳しく書かれています。
また、初代大統領ジョージ・ワシントンが指揮官として、統率力、カリスマ性など実際はどうだったのか、この本を読むことで分かるかもしれません。和平を結び、ワシントンが初代大統領として就任するところで終了します。
【24年11月最新】アメリカの歴史をよく知れるおすすめ本ランキングTOP7
アメリカ独立戦争に関するまとめ
現在は世界の大国として君臨するアメリカ合衆国ですが、元々はヨーロッパ諸国の植民地としてスタートし、戦争を繰り返しながら大国イギリスから独立と自由を勝ち取りました。つまり、古い体制から新しい体制へと変わった最初の国がアメリカ合衆国といえるでしょう。
独立戦争は、入植者たちにとっては古い体制からの自由を手にした正義の戦いだったといえます。
しかし、コロンブスがアメリカに上陸する前からそこには、先住民が住んでいました。入植者達が独立を勝ち取って作り上げたアメリカ合衆国は、先住民たちの土地を奪った上に成り立っている国でもある、ということも知っていただければ幸いです。
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