最強は誰?幕末の四大人斬りを逸話や伝説と共に紹介

幕末の四大人斬りが出てくるおすすめ作品

漫画編

「るろうに剣心 – 明治剣客浪漫譚 – 」

和月伸宏が原作の、河上彦斎をモデルにした緋村剣心が主人公の漫画です。岡田以蔵をモチーフにした鵜堂刃衛という人斬りも出てきます。基本的にフィクションですが、斎藤一など実在の人物も登場しているため、歴史が好きな人にはその人物の背景もわかるが故に話に奥行きが出ることから、興味深い物語となっています。

原作の漫画から、アニメ、ミュージカル、実写映画とメディアミックスが行われています。

「銀魂」

空知英秋による漫画作品で、攘夷志士である坂田銀時を主人公にしています。フィクションですが、坂田銀時が昔、吉田松陽(吉田松陰がモデル)に桂小太郎(桂小五郎、後の木戸孝允がモデル)と共に師事していたりと、所々で史実とリンクしているあたりは、『るろうに剣心』と似ています。沖田総司は「沖田総悟」として登場しています。

原作の漫画から、アニメ、実写映画とメディアミックスが行われ、どれも人気を博しました。

歴史映画編

「人斬り」

969年公開の五社英雄監督作の時代劇映画です。「人斬り以蔵」という司馬遼太郎の原作を元に作られていて、岡田以蔵を勝新太郎、田中新兵衛を三島由紀夫が演じるという豪華な作品で、とにかく登場人物の迫力が半端ないのに圧倒されます。DVD化されていないのが残念でなりません。

ちなみに、三島由紀夫はこの一年後に割腹自殺しています。

「るろうに剣心」

河上彦斎をモチーフにした主人公緋村剣心を、佐藤健が演じた大人気シリーズの一作目です。2012年公開のこの作品では、岡田以蔵をイメージした鵜堂刃衛を吉川晃司が演じていました。大友啓史監督が今までにないワイヤーアクションを使った大胆な演出で作り上げた時代劇作品で、漫画原作の実写化として興行的にも大成功を修めました。

シリーズ最終章2部作が2021年に公開待機しています。

歴史ドラマ編

新撰組血風録

司馬遼太郎の同名小説を原作にした、1965年放送の時代劇ドラマです。かなり古い作品ですが、新撰組を描いたドラマとしては今でも最高傑作との呼び声が高いもので、沖田総司を演じた島田順司は、土方歳三役の栗塚旭と共に当たり役と言われ、大きなブームを牽引する存在になりました。

三谷幸喜がこのドラマの熱狂的なファンで、自身の大河ドラマ「新選組!」に二人が出演したことも話題になりました。

大河ドラマ「龍馬伝」

2010年放送のNHK大河ドラマ「龍馬伝」には、岡田以蔵役に佐藤健が抜擢されました。大森南朋演じる武市半平太に心酔し、心ならずも暗殺に明け暮れる複雑な表情や、福山雅治演じる坂本龍馬を慕って目を輝かせながら共に過ごす様子など、岡田以蔵の人間としての姿を魅力的に演じ、佐藤健の名前が幅広い世代に知れ渡るきっかけになりました。

小説・歴史書編

「幕末動乱の男たち(下)」

史伝小説という、フィクションをできるだけ排した物語を描くことに注力した作家、海音寺潮五郎の作品です。田中新兵衛と岡田以蔵、河上彦斎が「三刺客伝」の中で取り上げられています。

人斬りとしてフィクションで描かれる機会が多い彼らについて、冷静な視点でなぜ暗殺者になってしまったのかを語っている珍しい作品です。

「幕末」

司馬遼太郎が幕末に起こった暗殺事件を取り上げている短編小説です。「花山町の襲撃」で天満屋事件が、「猿が辻の血闘」で朔平門外の変が取り上げられています。こうした細かい事件を単独で扱う小説はあまりなく、フィクションもありつつも暗殺事件を客観的に比較できる点で面白い作品です。

幕末人斬りに関するまとめ

いかがでしたか?

歴史資料から読み取れる、幕末の人斬りと呼ばれた男たちの実像は、人を斬ることに快感を覚えていたような異常者ではありません。どの人物についても史料が少なく、推測でしかありませんが、胸の内で様々な葛藤があり、覚悟を決めて人斬りとなっていったように思います。

暗殺者であることはさておき、自分の行動に責任を持つ、つまり、そこから生じる全ては自分が引き受けると腹を括れる人は、人間的に強いですし魅力的です。フィクションの世界でこれだけ彼らに人気が集まるのは、それゆえと考えられます。

幕末に流星の如く現れ、利用され、消されてしまった「人斬り」と呼ばれた男たちは、ほとんどが20代から30代のうちに人生の幕を閉じましたが、それが彼らの覚悟の結末だったのだろうと感じました。

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