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五経とは?四書五経や六経の内容、孔子との関係について詳しく紹介

五経とは、儒教で基本とされる経書の総称です。簡単にいうと中国の古典のようなもので、中国の思想に影響を及ぼしています。古代の人の含蓄あふれる言葉が記されており、ときには現代を生きるわたしたちの悩みを解決する言葉もあります。

「五経ってなに?」
「五経ってどんな内容なの?」
「五経と孔子の関係って?」

この記事をご覧になっている人はこのようなことを思っているのではないでしょうか?

そこでこの記事では、五経とはなにかについて孔子との関係を交えて紹介します。また内容についても触れていきますので、本記事を読むことで五経のイメージをつかめます。ぜひ、参考にしてください。

五経とは?

中国の古書

五経とは、儒学で尊重される五部の経書の総称です。儒学とは、孔子を創始者とした学問であり思想のことで、経書は社会や国家のあり方や基本理念を示す書物のことを差します。

『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』の5つから構成されており、科挙の必須科目として取り上げられていました。

五経の順序

上で挙げた五経の構成『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』の順番は、実はランダムに並べたわけではなく、意味があります。この順番は昔の中国で習っていた順番で、宋の時代に朱熹(朱子)が定めたものです。これは古文の順序で、今文は少々異なります。

今文は孔子が学んだ順序に基づいており『詩経』『書経』『礼記』『易経』『春秋』の順番です。

五経と孔子の関係

孔子

五経は、孔子が登場する以前の書物を原典として、それを孔子が現在の形にしました。孔子は上で挙げたように、五経を経典とする儒教の創始者で、道徳を身につけた君子による政治を理想としました。始めは五経のうち、『詩経』『易経』『書経』をテキストとしていました。

なぜこの3つの経典が最初だったのか、まず孔子は政治の理想の起源を古代中国の伝説的聖人、堯・舜時代にあるとしました。そして、周王朝の徳に周公旦に理想的な政治の実現を見たのです。これらの時代について書かれた『書経』が経典となりました。

『詩経』『易経』も孔子の理想とする政治に必要不可欠なものと考え、テキストとしていたのでしょう。『礼記』『春秋』は少し遅れて経典化されました。

五経と六経の違い

五経と六経の違いは、見てわかる通り数です。もともと五経は「六芸」や「六経」と呼ばれていました。なぜかというと、単純に6つの経典から成り立っていたからです。『詩経』『書経』『礼記』『易経』『春秋』、そして今はない『楽経』で構成されていました。

秦の始皇帝

『楽経』は秦の始皇帝によって行われた焚書坑儒によって散逸してしまい、内容が伝わりませんでした。そのため『楽経』を除いた5つの書物を称して『五経』となったのです。

四書五経について

四書五経とは、上で挙げた五経の5経典と『大学』『中庸』『論語』『孟子』の四書を合わせた、計9書の総称です。

四書は南宋の時代に朱子学の始祖である朱熹が成立させたものです。四書は五経の前に読む入門書として位置しており、科挙の必須科目として取り上げられています。科挙とは、中国の官吏採用試験制度のことで、簡単に言うと国家公務員試験です。

五経の内容

五経

五経は孔子がまとめたもののため、理想的な君子になるために必要なことが書かれています。簡単に各経典の内容について紹介していきます。

易経

易経で用いられる八卦の図

易経は、大ざっぱに言ってしまえば古代中国の占いの書です。しかし内容は占いだけに止まりません。この世の万物は陰と陽の二種で構成されていると易経では解釈されており、自然や春夏秋冬を含めた宇宙を通して、先を見通すことや道理がまとめられています。

そのため内容は幅広いものとなっており「易経を学べば占う必要もない」と『筍子』の言葉が遺されているほどです。特に戦国時代から秦漢にかけて、儒学者はその思想や主張を根拠づけるために、『易経』の解釈に結び付けて展開したこともありました。

そのため中国人の人生観や世界観に大きな影響を与えています。

書経

書経

書経は、政治について書かれた書です。紀元前600年ごろに書かれた政令集で、内容は中国で政治が行われてから、歴代王朝の聖王や賢臣が民を良い方向へ導くことに勤しむ様子が記録されています。

とても古い書で堯、舜、夏、殷、周時代のことが書かれています。殷は紀元前1600年頃と言われており、それ以前ともなると神話の時代です。

著者については諸説ありますが、現在最も有力と言われているのが、もともと存在していた書を孔子が編さんしたものが『書経』と呼ばれるようになったという説です。

詩経

詩経

詩経は、中国最古の詩集です。漢詩の原型でもあるため、儒教で経典化されました。西周の時代に歌われていた民謡などを孔子が編集したと言われています。詩という通り、四文字や五文字の漢字から構成されているものや、七字句・三字句からできる歌が記されています。

詩経ができた当時は王が民衆の思いを感じとるために記録されていました。現在では、殷・周王朝時代から春秋時代の人々の暮らしを垣間見れる貴重な資料として扱われています。

礼記

礼記

礼記は前漢時代の終わりに書かれた、政治や冠婚葬祭、祭事などの儀礼の解説・理論集です。政治や倫理、宗教、祭事など幅広い範囲の「礼」について49編に渡って記されています。

礼について書かれた本は「礼記」の他に「周礼」「儀礼」がありますが、その中でも礼記が最も読みやすく、礼を理解するのに優れていると言われています。49編はそれぞれ独立しており、『大学』と『中庸』は後に四書として独立しました。

春秋

春秋

春秋は、中国春秋時代について記された歴史書です。内容は、王や諸侯の死亡記録、戦争や諸侯同士が交わした盟約などの外交、日食や地震などの自然災害の記録が主に記されています。年月日ごとに紀元前722年〜紀元前481年の242年間の内容が年表風に書かれています。

儒教では、『春秋』は孔子自身が作った、または孔子が手を加えたという説があります。しかし孔子が『春秋』のどの部分に手を加えたかはわかっていません。

四書五経の覚え方

テスト勉強をしている男性

世界史の試験では四書五経の9つの書が何か、問われることがあります。数が多くて覚えにくい、という方のために覚えやすい語呂合わせを四書と五経に分けていくつか紹介します。

「師匠の申すことはなかなかの大論争を招く」

師匠(四書)の申す(孟子)ことはなかなかの(中庸)大論争(大学・論語)を招く、です。長文は苦手、という方は四書の頭文字(孟子・論語・大学・中庸)をとって

「もちろんだっちゅーの」

も覚えやすくておすすめです。続いて五経は

「五人兄弟は来季の春も易しい詩を書く」

五人兄弟(五経)は来季(礼記)の春(春秋)も易しい(易経)詩(詩経)を書く(書経)、です。頭文字だけをとると

「春に礼、易しい詩を書く」

も暗記が簡単です。あなたオリジナルの語呂合わせを考えるのも楽しそうですね。

五経にある格言・名言

本とメガネとスマホ

五経は、論語で有名な孔子がまとめたこともあり、含蓄のある格言や名言が豊富です。2つほど紹介するのでぜひご覧ください。

「凡そ人の人たる所以は礼儀なり。礼儀の始めは、容体を正し、顔色を斉え、辞令を順にするに在り」
人の人たるゆえんは礼儀にある。礼儀の始めは姿勢や態度、歩き方を正すことであり、その次に表情を和やかにし、最後に言葉づかいを気をつけること。

こちらは礼記に記されています。人としての基本を記したもので、礼儀の基本は

  • 姿勢や態度を正す
  • 顔色を整える
  • 言葉づかいに気をつける

とされています。良い印象を与える態度や表情、言葉づかいができたなら、良い人間関係を築けるでしょう。もし人間関係で悩みがあるなら、礼儀を見直すと改善できるかもしれません。

「己を修めて人を責めざれば、則ち難より免る」
ひたすら自分を磨くことに努め、人の過失を咎めない。これを心がければ、危難を免れることができる。

こちらは春秋に記されています。与えられた仕事をこなし、行動や批判を慎んで相手側に付け入る隙を与えなければ、トラブルがおこることもないという言葉です。口は災いの元、とも言えます。悪口や陰口はいずれ言った本人に返ってくるものです。

そんなことを言っている暇があったら、自分の成長のために時間や体力を使う方が有意義です。自分のための努力は、いずれあなたを助けてくれるでしょう。

五経を深く知るためのおすすめ本

四書五経入門


四書五経について簡単にまとめられた、数少ない本です。各書個別に、分けられて解説されることが多いのですが、こちらの本は四書五経すべてが一冊にまとめられて解説されています。中国思想についても触れられるため、中国の思想に興味のある方にもおすすめです。

全体的にわかりやすく書かれているため、入門書としても最適です。

四書五経ー中国思想の形成と展開


入門書ですが、少し学術的色合いが濃い書籍です。四書五経の各経典の概説があり、それぞれのイメージをつかめます。

中国の思想の変化と日本への影響、四書五経の現代における役割なども書かれており、知的好奇心を満たす内容になっています。

五経に関するまとめ

いかがでしたか?最後に本記事の内容を簡単にまとめます。

  • 五経は儒教の基本となる5つの経典のこと
  • 五経はもともとあった書を孔子がまとめたもの
  • 五経は『易経』『書経』『詩経』『礼記』『春秋』の5書から構成されている

五経は中国の古典です。古代からの知識が詰めこまれており、読むことでその叡智を感じとれます。なにかに行き詰まったときは五経を読むと、解決の手がかりがつかめるかもしれません。

今回、五経の名言について軽く触れましたが、感銘を受ける格言はまだまだありますので、ぜひ読んでみてください。

本記事を読んで「五経について理解を深まった」「この機会にさらに五経について知りたい」と思っていただけたら幸いです。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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