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諸葛孔明の名言10選!発言に込められた意図や背景も解説

劉備元徳を支えた蜀の軍師、諸葛孔明の名前は、小学生でも知っているほど三国志の中でも知名度の高い人物です。筆者も三国志の中で一番好きなキャラクターは諸葛孔明ですが、その言動は数多くの輝かしい功績に裏打ちされていることもあり、誰もが魅了される人物と言えるでしょう。

並外れた才覚の持ち主であるだけでなく、性格は穏やかで情にも厚かったため、多くの人に慕われていたせいか、諸葛孔明の言葉は時代を重ねても語り継がれ、名言として今も数多く残されています。

この記事では、諸葛孔明が残した名言の中からおすすめのもの10選を取り上げ、その意味や背景も合わせてご紹介します。最後には、諸葛孔明に関する書籍の紹介もしていますので、ぜひチェックしてみてください。

諸葛孔明の名言と意図、背景

諸葛孔明

兵を統率するには人の和が大切

肉まん

夫れ用兵の道は、人の和に在り

「人を統率しようとするなら、人の和を得ることが肝要です」という意味ですが、要するに人の和さえあれば、命令がなくても兵士は皆戦おうとするということです。

諸葛孔明が南征した際に出会った、雲南地方に暮らす部族を従わせるために伝えた名言です。諸葛孔明は、この部族を武力で征服しようとはせず、交流を築くことで配下にしようと考えました。そこで諸葛孔明は自らこの部族と対話を重ね、まずはこの地方を治めるための知恵を授けます。

そしてこの部族は、人の首を切ってそれを神として祀る習慣がありました。その習慣をやめさせようと、豚肉を穀物の皮で包んだものを供えてはどうかと提案します。これは現在の肉まんの原型と言われています。こうした諸葛孔明の心ある行動から、信頼関係が築かれ、この部族は諸葛孔明に服しました。

世を治めるには大きな徳を以て政治を行うべきだ

劉禅

治世は大徳を以ってし、小恵を以ってせず

諸葛孔明が、君主としていまだ未熟な劉禅に教え諭した言葉です。小さな恩恵を無闇に振りまくのは意味がなく、大きな恩や徳をもって君主は国を治めるべきであるという意味で、諸葛孔明が劉禅の父である劉備元徳と交わした言葉から引用したと言われています。

現代では、選挙で票を得ようと、選挙戦の時だけ耳に聞こえの良い言葉を連ねて有権者を惑わす立候補者もいますが、政治とは本来大きな徳を以て行うべきものであるということを、立候補者には初心にかえって再確認して欲しいものです。

学ぶことで才能は開花する

何事も学びが必要である

学ぶにあらざれば以て才を広むるなく、志あるにあらざれば以て学を成すなし

学ぶことで才能は開花するのであって、志がなければ、学問の完成はないという意味です。この名言は諸葛孔明が、嫡子に対する家庭教育について尋ねられた際の返答と言われています。

諸葛孔明自身、生活が苦しい中でも学びを続けたがために劉備元徳に出会い、臣下になることで才能を開花させることができました。身を以て体験した事実から生まれた言葉として、大変重みがあります。

人の心は他人の都合で変わるものではない

我が心、秤しょうの如し。人の為に低昂ていこうする能はず。

諸葛孔明が、無茶なことを訴えてくる人に述べた言葉と言われています。自分の心は秤のようなものであり、人の都合に合わせて上下したりするものではないという意味です。この名言は、表面的には、諸葛孔明自身が人の都合で簡単に心変わりしたりしないと言っているようです。

しかしそれだけではなく、人を動かしたいなら、まずはその人の心を動かせるように寄り添い、理解しようと心がけるべきだというコミュニケーション論にも通じる話です。立場として上に立つ人間は特に心がけたいことですね。

最後に運命を決めるのは天である

清の時代に描かれた諸葛亮と司馬懿

事を謀るは人に在あり。事を成すは天に在り。

劉備元徳亡き後、諸葛孔明は北伐を始めます。そしていよいよ宿敵の司馬懿を追い詰め火薬に火をつけました。するとその時、突然雨が降り出し、火は消えてしまったのです。この名言は、この時に諸葛孔明が言った言葉です。物事を謀るのは人間ですが、物事を成し遂げるのは天である、という意味です。

必死に努力を続けてみても、どうしても上手く行かないこともあります。非情な結果を天が授けることもあります。しかし、やるだけのことをやり尽くして、その上での結果であるなら、それはもう仕方のないことで、天命なのだと受け入れることもできるはずです。何よりこの名言が数々の功名を立てた諸葛孔明の言葉であることが、凡人の私たちに勇気を与えてくれる気がします。

部外者は口を慎むべし

清の時代に描かれた『三国志演義』の挿絵

疎きは親しきを間てず

劉表の息子であった劉琦が、後継者問題で悩んでいる時に諸葛孔明に助言を求めました。これはその時の名言で、部外者は親密な間柄の者たちに口を出すべきではないという意味です。三国志では、困り果てていた劉琦に、結局孔明は助け舟を出します。ぶれない指針を持ちながらも、つい手を貸してしまう、情に厚い孔明の一面が垣間見えるような場面です。

近年はSNSが浸透した影響で、関係ない人でも色々な声を発することができるようになりました。便利なツールとして活用する分にはいいでしょうが、何事も発信する前に一呼吸おき、この一言を思い出せると良いですね。

気にくわない人とも仕事は協力してすべし

法正

好尚同じからざると雖も、公義を以て相取る

劉備元徳が呉との戦いに破れたと聞き、諸葛孔明はもし法正が生きていればこんなことにはならなかったと嘆いたと言います。法正とは蜀の政治家で、劉備元徳が漢中王になるために大きな功績を挙げた人物です。

有能な法正ですが、性格は執念深く、一度恨みを抱くと必ず処刑まで持ち込むなど、諸葛孔明とは正反対の性格だったようです。しかし仕事に関しては諸葛孔明は法正と協力して行います。それについて述べたのがこの名言です。たとえ馬が合わない人間でも、自分の感情は二の次にして、公の場では協力しようという意味です。

成功の鍵はチャンスを掴むこと

赤壁

夫れ必勝の術、合変の形は、機に在るなり

必ず勝てるかどうか、変化を上手く捉えていけるかどうかは、好機を捕まえられるかどうかにかかっていると言う意味です。諸葛孔明の抜きん出た才能の一つに、チャンスを見逃さずに捉えることのできる能力があったのだと思います。赤壁の戦いで東南の風を吹かせるなどは、まさにその一つですね。

好機がいつなのか判断するためには、地道な情報収集はもちろん、豊富な知識が必要です。諸葛孔明はただ天才だっただけではなく、そうなるための努力を重ねてきた人だった訳です。

部下の小さな功績も見逃してはならない

諸葛孔明が信頼していた部下の馬謖

小善を必ず録し、小功を必ず賞せば、則ち士勧まざる無し

良いことは小さなことでも必ず記録しておき、功績は小さなものでも必ず評価すれば、部下はすすんで働くものだという意味です。諸葛孔明は、軍師として戦をすることも上手でしたが、内政を充実させるため、部下を上手く使うことにも長けていました。それはこうした諸葛孔明の信念があったからでしょう。

幼い頃、些細なことでもきちんと見ていて褒めてくれた親のことや、目立たずともやっていたことを評価してくれる先生のことは、成長してからも覚えていたりしませんか?そういった小さなことの積み重ねが、人を成長させ、さらには今度は自分が評価してあげる側に立っていくようになるのだと思います。

将も常に部下と同じ環境にいるべし

扇子

夏に扇を操らず、雨に蓋を張らず、衆と同じくするなり

将だからといって夏には扇子を使って涼しくしたり、雨が降っても傘をさしてはいけません。将も常に部下と同じようにしていましょうという意味です。

これも諸葛孔明の人身掌握術の一つでしょう。諸葛孔明が息を引き取った時、蜀軍の末端の兵士までが大いに嘆き悲しんだと記録にありますが、日頃の諸葛孔明の謙虚な姿勢が、自然と兵士たちの心を掴んでいたことの証だと言えると思います。

諸葛孔明の名言集や関連書籍

「諸葛孔明 人間力を伸ばす七つの教え」

諸葛孔明の教えを、人間力を伸ばすために必要な内容として七つの項目に分け、解説している書です。諸葛孔明の後継者となった姜維が、授業のようにして進めながら教えを説明するという形式が面白いです。また、教えについてもきちんと具体例が出ているので、三国志にあまり詳しくない人でも理解しやすいと思います。

「諸葛孔明 上・下」

三国志を扱った小説はたくさん出版されていますが、諸葛孔明に焦点を絞った作品は意外と少ないものです。中でもこの作品は、上下2巻というコンパクトな内容で、手が出しやすい小説と言えるでしょう。

また、他の本でよく描かれるような神がかった諸葛孔明というよりは、人間味に溢れた諸葛孔明の話なので、三国志演義のようなエンタメ重視のような話が苦手な人にもおすすめです。第26回吉川英治文学賞を受賞しています。

「柴錬三国志 英雄・生きるべきか死すべきか 上・下」

柴田錬三郎による三国志シリーズのうちの、劉備元徳亡き後を描いた2冊です。諸葛孔明の南征と司馬懿との宿命の戦い、そして諸葛孔明亡き後の姜維率いる蜀の戦いが描かれています。三国志をテーマにした小説でも、劉備元徳他界後の世界を詳しく描いた作品は少ないので、異色の内容です。

柴田錬三郎の三国志シリーズは、筆者は中学生の時に出会って以来再読を重ねています。柴田錬三郎の小説は、出てくる登場人物たちの情が濃くて泣かされるものが多いです。この小説に出てくる、劉備元徳を見送った後の諸葛孔明は特に、先が見えすぎているからこその切なさが胸を打ちます。三国志関連の小説では一番のおすすめ作品です。

諸葛孔明の名言についてのまとめ

成都武侯祠の諸葛孔明

いかがでしたか?諸葛孔明は今から1800年ほど前に生きた人ですが、現代でも十分通用する名言をたくさん残しています。諸葛孔明の業績の素晴らしさもさることながら、部下を強引に従わせず、自然に心を掴んで動かすことのできた力は、どんな時代でもお手本にすべきことでしょう。諸葛孔明の言葉は、今も多くのビジネスマンの指針になっているというのも頷ける話です。

三国志はストーリー自体も面白いですが、生きる上で助けになるような言葉も多く収められています。諸葛孔明のようにはなれなくても、その一片でも心に留め、行動できるようになったら、きっと人生はより豊かになると思います。この記事を通して、生涯大切にしたい言葉に一つでも出会えたなら嬉しいです。

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