小説ヲタクがおすすめするオールタイムベスト83冊

中学生におすすめの小説・書籍30選【名作から恋愛、青春・ファンタジーものまで】

「朝読書は何を読もうかな」
「読書感想文はどんな題材にしようかな…」

多くの小・中・高では毎朝、1時限目の前に朝読書の時間を設けている学校が多いのではないでしょうか。これは、2001年ごろから文科省が推奨する「21世紀教育新生プラン」の一つの柱として、全国の学校へ伝わった新たな習慣の一つなのです。

ですが、朝読書しかり、夏休みの宿題である読書感想文など、どんな本を読んでいいのか迷ってしまいますよね。そこで、今回は、中学時代に図書室に通い、様々な本を読み漁っていた筆者が選ぶ、中学生におすすめの小説30選をご紹介いたします。

ジャンルは大きく分けて、恋愛小説、青春・ファンタジー小説、名作文学の3つに分かれておりますので、興味のある本を読んでみてください。

恋愛小説

君の膵臓を食べたい

読んでみて

小説投稿サイト「小説家になろう」にて投稿され、2015年6月に単行本化された住野よるさん原作の恋愛青春小説。主人公である「僕」がクラスメイトの山内桜良の秘密の日記帳を拾ったことをきっかけに、桜良の膵臓の病気を知ることになり…という物語。

2人の距離感が、絶妙な雰囲気を漂わせている作品です。2016年にはオーディオドラマ化されるなど、様々な媒体で楽しむことのできる作品となっています。

みんなのレビュー

泣いた! はいはい、病気で誰かが死んでしまう話でしょー子供のロマンスでしょー、と斜に構えて読み始めたのがいい意味で裏切られた。悲しさと感動のミックス涙がとまらない。最近泣いてなかったのでストレス発散させてもらいました。

読書メーター

阪急電車

読んでみて

2008年1月に幻冬舎から刊行された有川浩さん原作の短編小説集。阪急宝塚駅から阪急今津駅まで結ぶ阪急今津線を舞台にした作品で、宝塚駅から西宮北口駅までの8つの駅で起こる乗客たちのオムニバス形式の作品となっています。

「あの人達、付き合ってるのかな」、「あの人、どこまで行くんだろう」と、電車内で人間観察をしているような面白味のある作品です。2011年には映画化もされており、中谷美紀さん、戸田恵梨香さんなどが出演しております。

みんなのレビュー

登場人物達がじつに真っ当な考えを持ちシャキシャキと行動していて安心して読めて読後もほのぼのと気持ちが良いです。皆さん好ましい人物ですが特に翔子姐様には怖いけど憧れてしまいます!美人で賢く大抵の相手には威嚇の利く女で、牙を隠す術は知っているが、一度牙を剥いたら確実に相手の首を獲りにいく‥実際に居たらこういう女性は一般的には女の敵になりそうだし生きにくそうです。たまたま乗り合わせた知らない人に救われたり、学ばされたり‥人生って不思議で面白いと再認識しました。

読書メーター

時をかける少女

読んでみて

1967年、学年誌で連載されていた筒井康隆さん原作のSF小説。中学3年生の主人公・芳山和子が理科室で嗅いだラベンダーの香りをきっかけに、テレポーテーションとタイムリープの能力を持ってしまい、様々な事件に巻き込まれていく、という物語。

1983年に公開された大林宜彦監督の映画が有名な作品で、現代で言うライトノベルのようなファンタジーかつ情緒溢れる青春物語となっております。

みんなのレビュー

アニメや映画は未視聴なので、これが初めて。‬ ‪期待してたよりも淡白な感じでサラッと読めた。‬ ‪他の2編同様に設定は面白いけど、捻っていないのが自分的には物足りなかった気がする。それでも、発表当時を考えるとSFの先駆的な作品だったのかな。

読書メーター

いま、会いにゆきます

読んでみて

2003年に小学館から刊行された市川拓司さんの恋愛小説。1年前に妻である澪を亡くした主人公・秋穂巧とその息子・祐司は、澪が遺した手紙の言葉を信じ、1年後の雨の季節を待つと、そこには死んだはずの澪が生き返っており…という物語。

市川さん自身のエピソードなどが随所にちりばめられている作品で、家族の愛や夫婦の愛など、様々な愛情を感じられる作品となっています。また、2004年には映画化もされており、そちらも感動する一作となっています。

みんなのレビュー

まぁ泣くわ泣くわ、なお話でした。巧が解熱剤のせいでパニック起こす辺りから始まる澪の告白が感動的過ぎて、でもって澪の手紙のシーンでは泣きはしないものの素晴らしい感動物語が綴られてて、特に言うことはありませんね。映像化された作品も当時見たけれど、この作品は映像化も原作も、どっちもどっちでいい作品だと思う。映像化に当たって少し中身は変わるとこもあるけれど、原作も原作で十分楽しめるし、感動!の期待は全くもって裏切ってこないですね。何度出会ってもあなたに恋をする。そのために澪は巧に、佑司に会いにゆくのでしょうね。

読書メーター

僕は何度でも、きみに初めての恋をする。

読んでみて

2015年にスターツ出版文庫から刊行された沖田円さん原作の恋愛小説。主人公である女子高生のセイは、ある時、カメラを持った不思議な少年・ハナと出会い、次第に2人は悩みや苦しみなどを分かち合うようになっていく…という物語。

楽しいときというのは一瞬で過ぎ去っていきますが、その一瞬を何十年と記憶出来るというのがどれだけ素晴らしい事なのか。この作品は、そういったことを実感させてくれる作品となっています。

みんなのレビュー

出会いって、当たり前の出来事として思いがちだけど、出会う瞬間にその場所を選んで、自分と相手がいたから初めてその出会いが成立する。出会いは偶然がいくつも重なり合った奇跡なんだ。

読書メーター

黄色い目の魚

読んでみて

2005年に新潮文庫から刊行された佐藤多佳子さん原作の青春恋愛小説。海辺の高校生、村田みのりと木島悟。ある時、美術の授業にて、デッサンのモデルとなったみのりの表情について、木島は考え始めるようになり…といった作品。

16歳という多感な時期だからこそ、互いの気持ちをうまく表現できないもどかしさと、自分を改めて見つめなおす、そんなことを上手く表現している作品となっています。

みんなのレビュー

高校生の男女が交互に語る青春小説。二人とも真っ直ぐで、それゆえに悩んで苦しんで。この年代ならではのピュアで清々しい物語。相手を好きになっていく課程がそれぞれの立場から丁寧に描かれていて、こういう恋がしたかったなと羨ましくなってしまった。

読書メーター

舟を編む

読んでみて

2009年から2011年に女性ファッション雑誌「CLASSY.」にて連載されていた三浦しをんさん原作の作品。玄武書房の変人編集部員である主人公・馬締光也が個性豊かな編集者たち共に、辞典「大渡海」の編纂に挑む物語。

2012年に本屋大賞を受賞した作品であり、言葉を扱う編纂部が物語の作品であり、辞書作りの難しさや言葉の面白さなどが詰まった作品です。また、キャラクター達も個性的であり、どの人物も魅力的に描かれております。

みんなのレビュー

テーマが辞書作りのため、映像より文章の方が良いに決まっていると、映画には目もくれず真っ直ぐ手に取る。プロが集まって冷静沈着に編集作業をこなしているのかと思いきや、言葉への並々ならぬ情熱の漲る、辞書作りに命を懸けた人々の物語がそこにあった。最初の印刷に立ち会った岸辺による「なんてきれいなんでしょう」の台詞には実感が湛えられ、深く胸を打たれた。それだけに完成前の松本先生の逝去が惜しく、あの世でも用例採集していてほしいと願わずにはいられない。紙の辞書の厚みは言葉の重ねてきた年月の厚みであることを再認識した一冊。

読書メーター

君は月夜に光り輝く

読んでみて

2017年、メディアワークス文庫より刊行された佐野徹夜さん原作の恋愛小説。発光病という不治の病を患った女子高生・渡良瀬まみず。その同級生である岡田卓也は彼女が死ぬまでにやりたいことを叶えるべく、まみずの夢を手助けする、という物語。

2016年に電撃小説大賞を受賞した作品で、王道な設定ながらも、その美しい描写と、懸命に生きようとするキャラクター達の動きに、グッとくる作品となっています。

みんなのレビュー

『この世界の隅々まで沢山のことを聞いて、見て、体験してください』 限りある命の終わりを自分で決めてしまうのは、本当にもったいない。 生きたくても生きられない人たちだっている。 誰かは誰かの大切な人であり、大切な人には生きててほしいって願うものだから、生きることそのものを大切にしてほしいし、自分もそうありたいとおもう。

読書メーター

半分の月がのぼる空

読んでみて

2003年から2006年に渡り、電撃文庫から刊行された橋本紡さん原作のライトノベル作品。不治の病に侵された少女・秋庭里香と、同じ病院に入院していた少年・戎崎裕一はある事がきっかけで話し相手となり、仲を深めていきます。が、ある時、里香の命がもう長くないという事を知り…という物語。

ファンタジーや異世界物などが多い、ライトノベル作品にしては珍しい穏やかな日常が描かれている作品となっております。

みんなのレビュー

伊勢市の病院を舞台にしたボーイミーツガール、青春小説。 急性肝炎で長期入院して進級が危ぶまれる高校生裕一と、重い心臓病のため幼い頃から病院生活の理香を中心に裕一の友人たちや看護師、医師などが織りなす物語。不器用な裕一が理香のために行動する姿が青春だなと思う。命の限られた理香を守り一緒に歩いて行こうとする裕一の心の成長が眩しい。

読書メーター

どこよりも遠い場所にいる君へ

読んでみて

2017年に、集英社オレンジ文庫から刊行された阿部暁子さん原作の青春恋愛小説。主人公・月ヶ瀬和希は秘密を抱えており、白井のいない場所として離島の学校へと転校しました。ある時、島の入り江で倒れていた少女・七緒を発見したことで、2人はある謎を解き明かすことに…という作品。

読みやすい文体で、情景なども丁寧に描かれている作品となっております。また、続編である「また君と出会う未来のために」と合わせて読むのもおススメです。

みんなのレビュー

表紙の絵で自分の中の物語が始まるように、物語の描写がそのまま文章とぴったりとはまり、最後まで心地よく流れるように終えました。神隠しやマレビト、離島、秘密など面白いキーワードを使いながら、またとても登場人物のしっかりした設定もあって、最後までとても面白かったと思います。後半はなるほどそういう展開になるのかとまたもう一度読み応えがあり、終始とても面白かったです。他の作品も是非読んでみようと思いました。

読書メーター

青春・ファンタジー小説

化物語

読んでみて

2006年に講談社BOXから発売された西尾維新さん原作のファンタジーライトノベル作品。日本の田舎町に住む主人公・阿良々木暦が、「怪異」にまつわる少女たちに翻弄されながらも、その怪異の事件を解決していく物語。

2009年にアニメ化されて以降、その独特な世界観などが人気を博し、〈物語〉シリーズとして「偽物語」「傷物語」など様々な作品がある人気の作品となっております。

みんなのレビュー

自粛期間にアニメにハマってしまい、原作シリーズを大人買い。初めてライトノベルというジャンルを読んだが、文体のテンポと台詞が軽く、活字なのにマンガを彷彿させる。 全体のストーリーはアニメで既に知っていたが、原作では更に会話や言葉遊びが深く描かれていて、個人的には原作の方が好み。 先にアニメを見てから読んだからか、台詞が声優さんに脳内変換して読めるので、面白さが更に倍増している気がする。

読書メーター

ぼくらの七日間戦争

読んでみて

1985年4月に角川書店から刊行された宗田理さん原作の青春小説。主人公・菊池英治ら1年2組の男子生徒達は、廃工場へと立てこもり、「解放区」として理不尽な校則などで縛り付ける大人たちへ反旗を翻そうと奮闘する物語。

1988年に公開された宮沢りえさん主演の映画で名前を知っている方も多いと思われる作品で、中学生たちが大人への不信感と社会の閉塞感に立ち向かって行く物語となっています。

みんなのレビュー

何十回目の再読。私を本の世界に連れてきてくれた運命の本です。小3の時、初めて手に取った小説で、6時間半かかって一気読みしました。夏の夢のような、輝かしい青春の一瞬が蘇ってきます。今じゃこうはいかないんだろうなと思う部分が沢山あって、小学生の頃とはまた違った感覚で読めました。それがなんとなく寂しい。純粋に、英治たちの戦いに憧れられないことが。仲間を大事にしてるというより、仲間を無条件に信じて自分たちはなんでもできると思っている「ぼくら」が羨ましいと思いました。いつのまにか、中学を卒業しちゃったな、自分。

読書メーター

カラフル

読んでみて

1998年に理論社から刊行された森絵都さんのファンタジー小説。自殺した「ぼく」は、天国での抽選に当選し、中学生の小林真という少年の体に乗り移り、「前世の過ちを償うため」に下界での「修行」の日々を送ることになる、という物語。

会話のテンポなどもよく、読みやすい作品となっております。そして、読み進めていくうちに、自分の生きている世界は、実はとても色鮮やかであることを再認識させられる物語となっています。

みんなのレビュー

天国の抽選で当選し、前世で犯した罪を贖うためにこの世に魂だけ戻された主人公。服毒自殺した14歳の少年(小林真)の人格として二度目の人生(期限付き)がほぼ強制的に始まる。どん底の家庭環境と知らされるが、まわりにいる人間は自分がそうと思い込んでいるだけでさまざまな側面があること、真の周囲の人間と交流するにつれて白黒はっきりつけられないことばかりでこの世がカラフルであることを知る。衝突や傷つくことが怖くて自分の思い込みのまま自分も他人も決めつけがちだが、ちゃんと話すことで納得できることも許せることも増えていく。

読書メーター

きみの友だち

読んでみて

2005年10月に新潮社から刊行された重松清さん原作の青春小説。不慮の事故で足が不自由になってしまった主人公・和泉恵美は周りの同級生と壁を作るように孤立しておりました。しかし、病弱な同級生の楠原由香との出会いをきっかけに、恵美と由香は仲良くなっていき…という物語。

様々なクラスメイトが登場し、クラス内の微妙な人間関係が描かれております。また、この作品を読むことで、「友達」という曖昧な存在の大切さに気付くのではないでしょうか。

みんなのレビュー

子供の学校の推薦図書を読む。小学生から中学生の成長過程の日常とは、葛藤とは。中々に面倒臭くこんがらがっている。生まれつき病弱な女の子の柔らかい笑顔と交通事故により足が不自由になった女の子の素っ気ない物言いが、混ざり合い無敵な二人になる。いろんな悩める子供の物語、最後に成長した姿を垣間見れるのもホッとした。友だちは百人も要らない。その一人と出会えれば。

読書メーター

西の魔女が死んだ

読んでみて

1994年に単行本が発売され、2001年には新潮文庫から文庫本が刊行された梨木香歩さん原作の小説。主人公であるまいは、不登校になってしまい、「魔女」と呼ばれるおばあちゃんと暮らしており、おばあちゃんから「魔女」になるための修行をしていたのですが…という物語。

筆者もおばあちゃん子なので、この作品を読み終えた時には、感動しました。おばあちゃんの愛情というのは、時としていらないと感じてしまいますが、それでも、大きな愛情があるんだと、あらためて気づかせてくれる作品です。

みんなのレビュー

直感は大事だけれど、それは激しい思い込み、妄想となってその人自身を支配してしまう。直感は、心の中にしまっておきなさい。いつかそれが真実であるかどうかわかるときがくるでしょう。って言うおばあちゃんのセリフに、自分自身に思い当たる節があって、納得した。なかなか言語化できない自分にとっては、それを言葉にして伝えてくれているため、とてもわかりやすいし、気づかされる貴重な本。大切なことを忘れてしまいそうになったとき、この本を読みたい。

読書メーター

The MANZAI

読んでみて

1999年に岩崎書店から初版が刊行されたあさのあつこさん原作の青春小説シリーズ。中学2年生の主人公・瀬田歩は、同級生の秋本貴史から「付き合ってほしい」と言われ、文化祭で「漫才・ロミオとジュリエット」を披露することになるのだが…という物語。

実際の漫才のように、テンポのいい掛け合いの多い作品となっており、主人公たちが中学生という事もあるので、共感しながら読める作品となっているのではないでしょうか。

みんなのレビュー

切ない気持ちにもなるし、くすっと笑えるし、 読んだ後の読了感は良かったです。 ふつうにいきるってなんなんだろうなぁ。 思秋期の頃の、もやもやギスギスした感じは、今でもなんとなくざらっと思い出すけど、普通に生きることにもう抵抗すら感じないし、そう自分の子どもにも生きてくれた方が、本人が楽だろうなぁと思うし。 でも、そういうことに抵抗感を感じる、でも大胆なことはできない主人公に、なんとなく共感を、なつかしく思い出す感じ。

読書メーター

DIVE!!

読んでみて

2000年から2002年にかけ、講談社から全4巻が刊行された森絵都さん原作のスポ根青春小説。飛び込み競技を題材にした作品で、赤字に瀕したダイビングクラブを立て直すべく、五輪出場を目指すコーチとそのクラブの生徒達の群像劇を描いた物語。

一見すると馴染みのない競技に思える飛び込みですが、読み進めていくうちにその競技の奥深さなどを知り、次の五輪の時には注目しながら見れるスポーツになっているかもしれません。

みんなのレビュー

主人公は中2の飛び込み選手。存続の危機にあるダイビングクラブで、パッとしない戦績、ハンパな意欲のまま過ごしていた彼が、新コーチに期待をかけられ、努力することで手応えを感じ、内なる力を覚醒させていきます。“つねに全力で体当たりできる何かが必要”というコーチの熱意が周囲を巻き込んでいくさまが面白いですね。「憂鬱な日は気持ちを前にもっていくため、あえて心とは反対の行動をとることにしている」という発想もユニーク。時速60キロで飛び込むのは私には無理っぽいけど、この種目、楽しいかも。(対象年齢は12歳半以上かな?)

読書メーター

火花

読んでみて

2015年、文芸雑誌「文學界」に初掲載され、2015年の芥川賞を受賞した芸人「ピース」の又吉直樹さん原作の中編青春小説。熱海の花火大会で出会った売れない芸人「スパークス」の徳永は、先輩芸人「あほんだら」の神谷に弟子入り志願するも、神谷から「伝記を書いてくれ」という条件をつけられ…と言う物語。

「タレントの純文学作品」という事で注目された作品ですが、又吉さん独特の言葉遣いと情景描写にどんどん惹かれていく、読みやすい作品となっていておすすめです。

みんなのレビュー

「諧謔心と人間ドラマの融合」 漫才にスポットを当てた点、現代純文学作品としては一見野暮ったく俗に思える文体が、作者渾身のお笑いに関する「体験」と人間に肉迫する「現実」とで、ユーモラスに感慨深く響き合い、結果、“笑い”の純粋なる熟考が文壇に新鮮である。

読書メーター

アルジャーノンに花束を

読んでみて

1959年に発表されたダニエル・キイス原作のSF中編小説。知的障害者であるチャーリィは、ある時、知能指数が上がる脳手術を受けることを勧められ、手術を受けることになります。そして、知能指数が飛躍的に上がるのですが、今まで見えなかった物が見え始め…という物語。

SF作品ではありますが、「知能を持つという意味」、「暴力による精神崩壊」というのがテーマとなっており、読み終えた後、様々なことを考えさせられる作品となっています。

みんなのレビュー

知的障害者の主人公が手術で利口になっていくが、それと同時に傲慢になったり、社会の醜さが見えてくるようになったりする。物語が進むにつれて、内側からも外側からも汚い描写が増えていくが、作品で言いたいことは利口よりも愚かでいることが素晴らしいという安易なメッセージではない。 賢くなると自尊心が強くなる。無学な頃のもっと世界を知りたいという純粋な知識欲はいつしかもっとよく見られたいという汚れた権力欲へと変わっていく。プラトンの引用から始まるこの本はいかに知るために知ることが難しいかを訴えている。

読書メーター

バッテリー

読んでみて

1996年から教育画劇より刊行され、1000万部以上のヒットを記録したあさのあつこさん原作の青春野球小説。岡山県へと引っ越してきた主人公の中学生ピッチャー・原田巧は、キャッチャーである永倉豪と出会い、バッテリーを組むことになるのですが…という物語。

全6巻あるシリーズ作品ですが、巧と豪の成長物語であり、中学生ならではの心情変化など、読みやすく表現されているおすすめの作品となっています。

みんなのレビュー

大人が好む“良い子ちゃん”ではない、強烈な個性と揺るぎない意思を持った、一人の少年の物語。大人を見下しながらも親の愛を求め、病弱な弟を疎ましく思いながら同時に愛する。手先は器用でも人間関係には不器用。ゴツゴツして、真っ直ぐで、わがままで、純粋。この少年像に強く惹かれます。生まれたばかりの息子に、10年後、読んで貰いたい本です。

読書メーター

名作文学

坊つちゃん

読んでみて

1906年に俳句雑誌「ホトトギス」の付録にて発表された夏目漱石原作の中編小説。「親譲りの無鉄砲で子供の頃から損ばかりしてきた」破天荒な主人公・坊っちゃんが愛媛県・松山の中学校へと教師として赴任し、ひと騒動を起こす物語。

漱石自身の経験を基にした作品であり、個性的な登場人物とスカッとする坊っちゃんの破天荒さに、すいすいと読み進めることが出来る名作となっています。

みんなのレビュー

現代小説では強烈なオチが用意されていることが多いが、この時代の小説はスッと物語の終末を迎える。だが、強烈なオチが無くとも口は悪いが小気味良い語りに引き込まれて読む手が止まらなかった。大人になって思うが、歳を食うと赤シャツみたいになる人間のなんと多いこと。漱石本人が愛媛で教師をしたときの経験が作品にかなり影響していると思われるが、田舎でよほど嫌な思いをしたのかなぁ…と感慨にふけった。

読書メーター

蜘蛛の糸

読んでみて

1918年に発表された芥川龍之介初の児童文学作品。天界に住むお釈迦様が、蓮の池から地獄を覗き見ると、様々な悪行を犯した罪人たちが苦しんでおりました。その中で、生前に蜘蛛を助けたことがある罪人・犍陀多という人物がおり、お釈迦様は彼を救い出そうと地獄へ蜘蛛の糸を垂らすのですが…という物語。

童話としても知られているこの作品ですが、改めて読んでみると、その人間の強欲さというものをしっかりと感じる作品になっているかと思います。

みんなのレビュー

子供の頃、学校で読んだと思う。怖かった。大人になり読み返すと、その糸を手繰り寄せ登る人、登らない人、その糸が切れてしまう人、そのまま登り続ける人、糸は何本も有ります 選択は自由です。 釈迦は立ち去ったのではなく、新しい糸を取りに、探しに行ったと思う。

読書メーター

こころ

読んでみて

1914年に「朝日新聞」にて連載され、同年9月に岩波書店から刊行された夏目漱石原作の小説。先生と私、両親と私、先生と遺書の3部構成に分かれており、人間のエゴイズムについて深く考えさせられる作品となっています。

中には、国語の授業で習う人がいるかもしれませんが、全編読むことで、この物語に込められたメッセージ性と奥深さを感じることが出来ます。

みんなのレビュー

文豪の名作を耳読して唸り続ける閉じこもり生活。本作は耳読には長いのでkindleにて。電子読書に抵抗がないわけではなかったが、読んでみると意外と快適だった。高校時代の授業で抜粋を読んでおり、クライマックスを知っているにも拘らず新鮮に面白く一気読み。つい最近ある作家の「寝食を忘れて読まれることが目標」との言葉を読んだがまさにそんな感じ。さらには授業で議論し、定期テストにも出題された当時を思い出す。わたしと先生とKの「こころ」。人間は優しく弱い。当時の自分がどんな思いでこれを読んだかと思いを馳せる。

読書メーター

星の王子さま

読んでみて

1943年にアメリカで出版された小説家である飛行士のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの作品。操縦士である主人公の「ぼく」は、飛行機事故の為、サハラ砂漠へと不時着し、そこで一人の少年である小惑星の王子様と仲良くなるのですが…という物語。

一見すると、童話のような世界観ですが、その中でも、愛や生命の尊さと言った深いテーマが取り上げられている名作文学の一つです。

みんなのレビュー

内容はかなり昔読んでいて知ってはいるが、今回の翻訳は平明な文章でいろいろ想像しながら読める。翻訳者の河野真理子さんは『小さいころから海外の絵本が大好きで、字が読めるようになるとすぐ、作者や画家のカタカナの名前に並んで日本人の名前もあるのに気がつき、そこで「外国のお話を日本語にする」人がいるのを初めて知って、「わたしもそういう人になりたい」と思ったのを覚えています。』と言われており、そんな思いを実現されている所が良い。

読書メーター

赤毛のアン

読んでみて

1908年に発表されたルーシー・モード・モンゴメリ原作の長編小説。孤児院で男児を引き取るつもりだったマリラとマシューの兄妹の元へやって来たのは、赤毛の活発な女の子の主人公・アン・シャーリーだったのです…という物語。

アンの明るくて活発な姿に周囲の人物が徐々に動かされていく物語となっていて、名前は知っているけど読んだことない、という方にはおすすめの作品です。

みんなのレビュー

言わずと知れた名作ですが、初読みです。なんといっても、アンが尊い!アンと、アンを見守る周りの人々がとても魅力的。アンの想像力(妄想力)の泉から次々溢れ出る世界は、なんて素晴らしいのだろう。突然始まる長い長いおしゃべりが自由すぎて面白く、それに対するマリラさんのツッコミも可笑しい。アンの周りの人々が本当にアンを愛していることが伝わってくるのも温かい気持ちになれる。想像の翼を広げれば、こんなにも世界は素敵な姿に形を変えるのかと、心が浄化されるような気持ちでした。

読書メーター

銀河鉄道の夜

読んでみて

宮沢賢治の代表作であり、1924年ごろから初稿が始まり、没後の1934年に刊行された童話作品。主人公・ジョバンニと親友であるカムパネルラは、ある時、星祭りの夜に、銀河ステーション行きの銀河鉄道に乗り込んでおり…という物語。

様々な用語が登場し、様々な解釈をしながら楽しめる作品となっているので、何回も読みながら、物語を空想しながら楽しむことが出来ます。

みんなのレビュー

『銀河鉄道の夜』。子供の頃に何度読み返したか分からないくらい読みました。不完全なのが、賢治の悲しき生涯の象徴にさえ思える。他人の幸を願うことは簡単にできない。なのに苦しい思いをしているジョバンニが他者の幸せを願うをことが愛しい。大切な人を失うとしても、彼は絶望でなく希望を得る。だから、苦しく哀しくて、そして優しい物語。

読書メーター

十五少年漂流記

読んでみて

1888年にフランスで発表された作家・ジュール・ヴェルヌ原作の冒険小説。ある事がきっかけで、帆船であるスルギ号により漂流してしまった14人の小学生と1人のボーイ、合計15人の少年たちが様々なサバイバルを繰り広げる物語。

明るい冒険活劇となっており、児童向けの作品となっておりますが、学生の時に読んでも面白い名作文学となっております。

みんなのレビュー

読んだ! ジュール・ヴェルヌの十五少年漂流記。子供のころ読んだのかなぁ。記憶にない。大人が読んでもとても楽しかった。 興味深いのは、主人公がフランス人ということ、文体が冗長なこともあり、発刊当初欧米では流行らなかったそうな。日本では、森田思軒さんが英語版から邦訳した際に、メリハリがつく文章に訳しなおした影響で日本では大流行したとか。 次は「海底二万里」でも読んでみようかな~。

読書メーター

人間失格

読んでみて

1948年7月に筑摩書房から刊行された太宰治原作の中編小説。「恥の多い生涯を送って来ました」という、書き出しから始まり、人とは違う感性を持つ自分に対し、あえて道化を演じる男として自分の本性を隠し続けてきた男の生涯についての物語。

私小説的な意味合いが含まれている作品であり、暗い作品ではあるものの、こういった作品から、今後生きていく上での何か新しい発見があるかもしれません。

みんなのレビュー

中学のときは読みきれなかったんだけど、今読むと短くて驚いた。 読後感はとても悪い……。 幼少期から人間らしくなかった主人公が3人の女と出会って少しだけ人並みを手に入れ、周りの人間は誰も責めていないのに自分ですべてを投げ捨てる。 ヤク中になり隔離病棟で「人間失格」を思い浮かべる。 いつから人間失格だったのか、人間とはなにかを考えさせられる

読書メーター

君たちはどう生きるか

読んでみて

1937年に新潮社から書き下ろしとして出版された児童文学者・吉野源三郎原作の小説。旧制中学2年生である主人公・本田潤一はコペル君と呼ばれ、学校生活を送る中で、物の見方や社会の構造などをノートに記録し、叔父さんに見せておりました、という物語。

少年少女たちが思いのままに感じ取った感性をそのまま描いた作品で、2017年には漫画化もされ、話題を集めた作品となっております。

みんなのレビュー

中学生の時に読み、内容をおぼろ気に覚えていた。最近話題の本になっているので、少年時代を思い出しながら読んだ。本書は戦前に発行された本であるが、今だに人気があるのは何故だろう。多くの少年が感じたり悩んだりする事を的確に描写し、いつの時代の少年達の心を掴むからではないだろうか。つまり、時代は変わっても、少年の本質はいつの時代でも変わらないということなのではないだろうか。

読書メーター

モモ

読んでみて

1973年にドイツの作家であるミヒャエル・エンデが発表した児童文学作品。「時間貯蓄銀行」に貯蓄されていた時間が、灰色の男たちこと「時間泥棒」により奪われてしまい、不思議な力を持つ主人公の少女・モモが時間を取り返すために奮闘する物語。

大人になるにつれ、時間の使い方というのが大事になってくる昨今。この作品を読むことで、時間との向き合い方について考えてみるきっかけになるのではないでしょうか。

みんなのレビュー

大人になるにつれてありとあらゆる点で時間による束縛が強くなる。合理的に効率的に全てを行おうとしている筈なのに、そんなことは微塵も考えていなかったこどもの頃の豊かさとは比べ物にならないくらいに自分自身がすり減っていく。ぼくたちの前にはモモは現れないのだから自分だけで時間どろぼうに立ち向かわなければならない。豊かさと幸せを求めて走るうちに何が目的なのかを人は往々にして見失ってしまうということを自覚し、たまに『モモ』を読み返し、ぼくにとっての真に豊かで幸福な在り方について考えるようにしたい

読書メーター

まとめ

上述で紹介した作品以外にも、魅力的な作品は山のようにあります。そういう場合は、近くの図書館や学校の図書室、Kindleの無料作品などを利用すると、より新しい本に触れることが出来ます。直感で、「読んでみたい!」と思う本との出会いがあれば、なおいいかもしれません。

近年は、動画サイトの普及などにより活字離れが嘆かれる世の中ではありますが、本には本にしかない魅力が詰まっているかと個人的には思います。この記事をきっかけに、読書好きな方が増えてくれれば、幸いです。

コメントを残す