【24年11月最新】中学生に人気のおすすめ小説ランキングTOP30

20位:舟を編む

読んでみて

2009年から2011年に女性ファッション雑誌「CLASSY.」にて連載されていた三浦しをんさん原作の作品。玄武書房の変人編集部員である主人公・馬締光也が個性豊かな編集者たち共に、辞典「大渡海」の編纂に挑む物語。

2012年に本屋大賞を受賞した作品であり、言葉を扱う編纂部が物語の作品であり、辞書作りの難しさや言葉の面白さなどが詰まった作品です。また、キャラクター達も個性的であり、どの人物も魅力的に描かれております。

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テーマが辞書作りのため、映像より文章の方が良いに決まっていると、映画には目もくれず真っ直ぐ手に取る。プロが集まって冷静沈着に編集作業をこなしているのかと思いきや、言葉への並々ならぬ情熱の漲る、辞書作りに命を懸けた人々の物語がそこにあった。最初の印刷に立ち会った岸辺による「なんてきれいなんでしょう」の台詞には実感が湛えられ、深く胸を打たれた。それだけに完成前の松本先生の逝去が惜しく、あの世でも用例採集していてほしいと願わずにはいられない。紙の辞書の厚みは言葉の重ねてきた年月の厚みであることを再認識した一冊。

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19位:いま、会いにゆきます

読んでみて

2003年に小学館から刊行された市川拓司さんの恋愛小説。1年前に妻である澪を亡くした主人公・秋穂巧とその息子・祐司は、澪が遺した手紙の言葉を信じ、1年後の雨の季節を待つと、そこには死んだはずの澪が生き返っており…という物語。

市川さん自身のエピソードなどが随所にちりばめられている作品で、家族の愛や夫婦の愛など、様々な愛情を感じられる作品となっています。また、2004年には映画化もされており、そちらも感動する一作となっています。

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まぁ泣くわ泣くわ、なお話でした。巧が解熱剤のせいでパニック起こす辺りから始まる澪の告白が感動的過ぎて、でもって澪の手紙のシーンでは泣きはしないものの素晴らしい感動物語が綴られてて、特に言うことはありませんね。映像化された作品も当時見たけれど、この作品は映像化も原作も、どっちもどっちでいい作品だと思う。映像化に当たって少し中身は変わるとこもあるけれど、原作も原作で十分楽しめるし、感動!の期待は全くもって裏切ってこないですね。何度出会ってもあなたに恋をする。そのために澪は巧に、佑司に会いにゆくのでしょうね。

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18位:カラフル

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1998年に理論社から刊行された森絵都さんのファンタジー小説。自殺した「ぼく」は、天国での抽選に当選し、中学生の小林真という少年の体に乗り移り、「前世の過ちを償うため」に下界での「修行」の日々を送ることになる、という物語。

会話のテンポなどもよく、読みやすい作品となっております。そして、読み進めていくうちに、自分の生きている世界は、実はとても色鮮やかであることを再認識させられる物語となっています。

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天国の抽選で当選し、前世で犯した罪を贖うためにこの世に魂だけ戻された主人公。服毒自殺した14歳の少年(小林真)の人格として二度目の人生(期限付き)がほぼ強制的に始まる。どん底の家庭環境と知らされるが、まわりにいる人間は自分がそうと思い込んでいるだけでさまざまな側面があること、真の周囲の人間と交流するにつれて白黒はっきりつけられないことばかりでこの世がカラフルであることを知る。衝突や傷つくことが怖くて自分の思い込みのまま自分も他人も決めつけがちだが、ちゃんと話すことで納得できることも許せることも増えていく。

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17位:モモ

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1973年にドイツの作家であるミヒャエル・エンデが発表した児童文学作品。「時間貯蓄銀行」に貯蓄されていた時間が、灰色の男たちこと「時間泥棒」により奪われてしまい、不思議な力を持つ主人公の少女・モモが時間を取り返すために奮闘する物語。

大人になるにつれ、時間の使い方というのが大事になってくる昨今。この作品を読むことで、時間との向き合い方について考えてみるきっかけになるのではないでしょうか。

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大人になるにつれてありとあらゆる点で時間による束縛が強くなる。合理的に効率的に全てを行おうとしている筈なのに、そんなことは微塵も考えていなかったこどもの頃の豊かさとは比べ物にならないくらいに自分自身がすり減っていく。ぼくたちの前にはモモは現れないのだから自分だけで時間どろぼうに立ち向かわなければならない。豊かさと幸せを求めて走るうちに何が目的なのかを人は往々にして見失ってしまうということを自覚し、たまに『モモ』を読み返し、ぼくにとっての真に豊かで幸福な在り方について考えるようにしたい

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16位:アルジャーノンに花束を

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1959年に発表されたダニエル・キイス原作のSF中編小説。知的障害者であるチャーリィは、ある時、知能指数が上がる脳手術を受けることを勧められ、手術を受けることになります。そして、知能指数が飛躍的に上がるのですが、今まで見えなかった物が見え始め…という物語。

SF作品ではありますが、「知能を持つという意味」、「暴力による精神崩壊」というのがテーマとなっており、読み終えた後、様々なことを考えさせられる作品となっています。

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知的障害者の主人公が手術で利口になっていくが、それと同時に傲慢になったり、社会の醜さが見えてくるようになったりする。物語が進むにつれて、内側からも外側からも汚い描写が増えていくが、作品で言いたいことは利口よりも愚かでいることが素晴らしいという安易なメッセージではない。 賢くなると自尊心が強くなる。無学な頃のもっと世界を知りたいという純粋な知識欲はいつしかもっとよく見られたいという汚れた権力欲へと変わっていく。プラトンの引用から始まるこの本はいかに知るために知ることが難しいかを訴えている。

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15位:君たちはどう生きるか

読んでみて

1937年に新潮社から書き下ろしとして出版された児童文学者・吉野源三郎原作の小説。旧制中学2年生である主人公・本田潤一はコペル君と呼ばれ、学校生活を送る中で、物の見方や社会の構造などをノートに記録し、叔父さんに見せておりました、という物語。

少年少女たちが思いのままに感じ取った感性をそのまま描いた作品で、2017年には漫画化もされ、話題を集めた作品となっております。

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中学生の時に読み、内容をおぼろ気に覚えていた。最近話題の本になっているので、少年時代を思い出しながら読んだ。本書は戦前に発行された本であるが、今だに人気があるのは何故だろう。多くの少年が感じたり悩んだりする事を的確に描写し、いつの時代の少年達の心を掴むからではないだろうか。つまり、時代は変わっても、少年の本質はいつの時代でも変わらないということなのではないだろうか。

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14位:赤毛のアン

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1908年に発表されたルーシー・モード・モンゴメリ原作の長編小説。孤児院で男児を引き取るつもりだったマリラとマシューの兄妹の元へやって来たのは、赤毛の活発な女の子の主人公・アン・シャーリーだったのです…という物語。

アンの明るくて活発な姿に周囲の人物が徐々に動かされていく物語となっていて、名前は知っているけど読んだことない、という方にはおすすめの作品です。

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言わずと知れた名作ですが、初読みです。なんといっても、アンが尊い!アンと、アンを見守る周りの人々がとても魅力的。アンの想像力(妄想力)の泉から次々溢れ出る世界は、なんて素晴らしいのだろう。突然始まる長い長いおしゃべりが自由すぎて面白く、それに対するマリラさんのツッコミも可笑しい。アンの周りの人々が本当にアンを愛していることが伝わってくるのも温かい気持ちになれる。想像の翼を広げれば、こんなにも世界は素敵な姿に形を変えるのかと、心が浄化されるような気持ちでした。

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13位:こころ

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1914年に「朝日新聞」にて連載され、同年9月に岩波書店から刊行された夏目漱石原作の小説。先生と私、両親と私、先生と遺書の3部構成に分かれており、人間のエゴイズムについて深く考えさせられる作品となっています。

中には、国語の授業で習う人がいるかもしれませんが、全編読むことで、この物語に込められたメッセージ性と奥深さを感じることが出来ます。

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文豪の名作を耳読して唸り続ける閉じこもり生活。本作は耳読には長いのでkindleにて。電子読書に抵抗がないわけではなかったが、読んでみると意外と快適だった。高校時代の授業で抜粋を読んでおり、クライマックスを知っているにも拘らず新鮮に面白く一気読み。つい最近ある作家の「寝食を忘れて読まれることが目標」との言葉を読んだがまさにそんな感じ。さらには授業で議論し、定期テストにも出題された当時を思い出す。わたしと先生とKの「こころ」。人間は優しく弱い。当時の自分がどんな思いでこれを読んだかと思いを馳せる。

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12位:DIVE!!

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2000年から2002年にかけ、講談社から全4巻が刊行された森絵都さん原作のスポ根青春小説。飛び込み競技を題材にした作品で、赤字に瀕したダイビングクラブを立て直すべく、五輪出場を目指すコーチとそのクラブの生徒達の群像劇を描いた物語。

一見すると馴染みのない競技に思える飛び込みですが、読み進めていくうちにその競技の奥深さなどを知り、次の五輪の時には注目しながら見れるスポーツになっているかもしれません。

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主人公は中2の飛び込み選手。存続の危機にあるダイビングクラブで、パッとしない戦績、ハンパな意欲のまま過ごしていた彼が、新コーチに期待をかけられ、努力することで手応えを感じ、内なる力を覚醒させていきます。“つねに全力で体当たりできる何かが必要”というコーチの熱意が周囲を巻き込んでいくさまが面白いですね。「憂鬱な日は気持ちを前にもっていくため、あえて心とは反対の行動をとることにしている」という発想もユニーク。時速60キロで飛び込むのは私には無理っぽいけど、この種目、楽しいかも。(対象年齢は12歳半以上かな?)

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11位:君は月夜に光り輝く

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2017年、メディアワークス文庫より刊行された佐野徹夜さん原作の恋愛小説。発光病という不治の病を患った女子高生・渡良瀬まみず。その同級生である岡田卓也は彼女が死ぬまでにやりたいことを叶えるべく、まみずの夢を手助けする、という物語。

2016年に電撃小説大賞を受賞した作品で、王道な設定ながらも、その美しい描写と、懸命に生きようとするキャラクター達の動きに、グッとくる作品となっています。

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『この世界の隅々まで沢山のことを聞いて、見て、体験してください』 限りある命の終わりを自分で決めてしまうのは、本当にもったいない。 生きたくても生きられない人たちだっている。 誰かは誰かの大切な人であり、大切な人には生きててほしいって願うものだから、生きることそのものを大切にしてほしいし、自分もそうありたいとおもう。

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