ロココ様式とは?特徴を建築や絵画、家具や音楽などの実例を交えて解説

「ロココ様式ってどんなもの?」
「ロココ様式っていつの時代の様式?」
「ロココって言葉は聞いたことがあるけど…」

このようにお考えではありませんか?「ロココ様式」ときくと、なんとなくお姫様のようなドレス、レースやリボンなどの女の子らしいインテリアを思い浮かべる方もいるかもしれませんね。

ロココ様式とは、18世紀のヨーロッパ、特にフランスの宮廷で発展した美術様式で、「ロココ」という可愛らしい音の響きからもイメージができるように、繊細で柔らかい、フェミニンさが特徴です。ロココ様式の幅は広く、インテリアからファッション、音楽や絵画まで広がりました。

今回は、18世紀のフランス宮廷の文化に魅せられあらゆる本を読み漁った著者が、ロココ様式の魅力をご紹介します。

この記事を書いた人

一橋大卒 歴史学専攻

京藤 一葉

Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。

ロココ様式とは?簡潔に概要をまとめた

ロココ様式の天井画

ロココ様式とは、1710年代から1760年代までのヨーロッパ、特にフランス宮廷を中心にみられる美術様式のことをいい、この時期の文化全体を「ロココ文化」と呼ぶ場合もあります。「ロココ」とは、貝殻や石などを嵌め込んで飾った岩を意味する「ロカイユ」という言葉が語源となっています。

ロココ様式の流行は、太陽王と呼ばれたルイ14世が死去したことで、その支配から自由になった貴族たちがそれぞれの邸宅に戻り、荒れ果てた屋敷をリノベーションするのをきっかけに始まりました。ルイ14世時代の厳かで豪華絢爛なバロック様式から、優雅で親しみやすくリラックスできる空間であるロココ様式へと、インテリア全体が柔らかく女性的な印象に変化しました。

もう一つロココ様式の発展に影響を与えたのが、ルイ15世の時代に流行した「ブードワール」と呼ばれる隠れ家的な女性専用サロンです。この小さなサロンに置くための可愛くエレガントなロココ様式の家具が、宮廷の貴婦人達の間で大人気となりました。

ロココ様式の2つの特徴

特徴1「優雅でエレガントなデザイン」

ロココ調のデザインの化粧台

ロココ様式のデザインの特徴は、優雅でエレガントな曲線です。ルイ14世時代の威厳あふれるデザインよりも、自由でリラックスできるデザインが特徴です。ロココ様式のデザインは「S字形」と「C字形」がポイントで、家具の足がゆるやかなS字になっていたり、C字にカールした装飾が主に使われています。

ロココ様式で使われたモチーフは、流れるようなリボン、つる、貝殻、アカンサス模様や花柄など可愛らしく女性的なものです。バロック様式で多く使われた天使や植物のモチーフはそのまま引き継いだものの、リボンや貝殻、アンカンサス模様などが彫られたテーブルや椅子などの家具、鏡や額縁などの小物が流行しました。

特徴2「女性的で柔らかい色使い」

プチ・トリアノン宮 王妃の寝室

ロココ様式のもう一つの特徴は、柔らかい色使いです。王の威厳や権力を象徴するかのような黄金の輝きや華美な色が好まれたバロック様式に比べ、ロココ様式では柔らかいパステル調の色合いが多く使われれました。バロック様式が荘厳で威圧的であったのに対し、ロココ様式は開放的で癒しであったと言えるかもしれません。

ロココ様式では、明るいブルーやローズピンク、白や薄紫などの色が多く使われ、中国などのオリエンタルなデザインも取り入れられました。シルクのテキスタイル産業の発展も加わり、インテリア全体が柔らかく女性的な印象に仕上がりました。

ロココ様式の時代を代表する人物は?

ポンパドゥール侯爵夫人

ポンパドゥール侯爵夫人

ポンパドゥール侯爵夫人は、フランスブルボン王朝のルイ15世の愛妾です。平民の出身にもかからず、その美貌と才能でルイ15世の心をつかみました。政治にうとく関心がないルイ15世に代わって、宮廷で権力を握り、外交政策や人事までも夫人が動かしていたといいます。

大変な才女であったポンパドゥー侯爵ル夫人は、自分のサロンでモンテスキューと文学を語り、ヴォルテールと哲学を論じ、さらに歌と踊りが得意でクラヴサンを弾き、絵を描いていたという、まさに才色兼備な女性であったようです。ルイ15世だけでなく宮廷のあらゆる人々の心を捉え、その人柄から王妃や国王の子供達からも歓迎されていたといわれています。

当時流行した女性専用サロン「ブードワール」は、ポンパドゥール侯爵夫人が主催したサロンが始まりであり、その後の流行のきっかけであったと言われています。

マリー・アントワネット

マリー・アントワネット

ルイ16世の妃であるフランス王妃マリー・アントワネットは、「ロココの王妃」「ロココの薔薇」と称されるほどロココの時代を象徴する人物です。ロココ様式の特徴である繊細さ、優雅さ、リラックスした雰囲気などを体現していたのがマリー・アントワネットであり、自身もロココ様式を愛した一人でした。

ロココの時代のファッションリーダーであり、良くも悪くも「ロココの王妃」と称されたアントワネットは、王妃としての務めよりもお気に入りの廷臣たちとの楽しみや遊びを優先してしまったと言われています。それが原因で多くの貴族たちが王妃の元を去っていき、フランス革命が起こった時には王妃の味方をする貴族は殆どいなかったと言われています。

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1 COMMENT

春木理恵

ロココ時代について調べてました。ロココ時代は、旧約聖書にも記載がある、即ち、2021年前からあった気合い、語録だと思いましたが、現在のスマホで調べるのは、困難ですね。

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