ロココ様式を代表する建築は?
プチ・トリアノン宮(ヴェルサイユ宮殿敷地内)
プチ・トリアノン宮は、ヴェルサイユ宮殿の庭園内にある離宮で、ルイ15世が公妾ポンパドゥール侯爵夫人のために作ったものです。後に、ルイ16世が王妃マリー・アントワネットに贈り、王妃にとっての安らぎの場であり一番お気に入りの場所となりました。
こじんまりとした四角く小さな建物ですが、そのインテリアはルイ14世時代の豪華絢爛なヴェルサイユ宮殿に比べて、とてもシンプルで女性的なロココスタイルで整えられています。優雅で繊細、柔らかい色彩でまとめられたロココ装飾が施された室内は、ロココ様式の最高峰と言われています。
ヴィースの巡礼教会
ヴィースの巡礼教会は、ドイツのバイエルン州南部、ヴィースにあるドイツの世界遺産です。1745年~1754年にかけて「ドイツ・ロココの完成者」として著名なドミニク・ツィンマーマンによって建てられたキリスト教の教会で、完成後もドミニクが教会の近くに住み、亡くなるまで教会を見守ったほど愛情をもっていたと言われています。
シンプルな外観からは想像もつかないほど、内部は美しいロココ様式で彩られています。天井画は「天から降ってきた宝石」と称えられるほど美しく、教会内部のロココ様式の装飾は、ヨーロッパ随一と言われています。
サンスーシ宮殿
サンスーシ宮殿は、ドイツのブランデンブルク州のポツダム市にあるドイツを代表するロココ様式の宮殿です。フランス語で「憂いなし」の意味で、1990年に宮殿および庭園が「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」の一つとして世界遺産になりました。
サンスーシ宮殿は、プロイセン王国のフリードリヒ2世が夏の離宮として建て、やがて居城となりました。シンプルな外装に比べ、「フリードリヒ式ロココ」と呼ばれる内部は、花綱飾りやパステルカラーを多様し、壁から天井まで華やかな装飾で彩られています。
今に伝わるロココ様式で作られたもの
マイセン
マイセンは、ドイツのマイセン地方で作られる磁器で、西洋白磁の最高峰の名窯です。1709年、ザクセン選帝侯アウグスト2世が白磁を作るように命じ、1710年に「王立ザクセン磁器工場」がドレスデンに設立され、後にマイセン地方に工場が移されました。
初期のマイセンのデザインは、中国の五彩磁器や日本の伊万里焼の影響を受けていますが、1720年以降は、ヨハン・グレゴリウス・へロルトなど絵付師によってロココ調のデザインが主流になりました。特に、ロココの代表的な画家アントワーヌ・ワトーなどの絵画を参考に作られた音楽やダンスを楽しむ恋人たちの人形は、いまでもマイセンを代表するものとなっています。
セーブル磁器
セーブル磁器はロココの時代を代表する工芸で、フランスが世界に誇る磁器です。1756年、ポンパドゥール侯爵夫人の提案で、王家ご用達ヴァンセンヌ窯がパリからセーブルへ移されたのが始まりです。その後、ポンパドゥール侯爵夫人の支援をもとに発展し、王や王妃の日用品をはじめ、贈り物にも用いられるようになりました。
特に、「王者の青」「ローズ・ポンパドール」と呼ばれる独自の色や独特の風合のソフトペーストなど、繊細でありながら華麗で優美なセーブル磁器の芸術が、ヴェルサイユの宮廷文化で花開きました。
現在は、生産が6000ピースに限定され、手に入れることが難しい幻の磁器と言われています。
チッペンデール
チッペンデールとは、イギリス人の家具師トマス・チッペンデールがデザインした家具のことをいいます。チッペンデールが活躍した時代は、ヨーロッパにおけるバロック様式からロココ様式へと変わっていく時期であり、イギリスでもロココ様式の最盛期でした。チッペンデールは、イギリス・ロココの第一人者として名声を高めました。
チッペンデールがデザインした家具を「チッペンデール様式」といい、クイーン・アン様式にフランス・ロココの影響を受けたものです。家具の脚は猫足が多く、玉を掴む鷹の爪のデザインが多く使われています。現在手に入る家具で「チッペンデール」とうたっているものの多くは、チッペンデールが作ったものではなく、彼のデザインに基づいて作られたものとなっています。
ロココ時代について調べてました。ロココ時代は、旧約聖書にも記載がある、即ち、2021年前からあった気合い、語録だと思いましたが、現在のスマホで調べるのは、困難ですね。