ロココ様式とは?特徴を建築や絵画、家具や音楽などの実例を交えて解説

様々な分野から見るロココ様式

ロココ様式の音楽

フランソア・クープラン

ロココ様式の音楽「ロココ音楽」は、18世紀のフランスを中心とする音楽で、その影響を受けたドイツやイタリアの音楽にも広がっていきました。バロックの劇的な対比性や壮大な様式と異なり典麗、優雅な音楽で、透明で薄い音響、優美で叙情的な旋律が特徴です。フランソア・クープランのクラブサン音楽や室内合奏曲が典型的なロココ音楽といえます。

18世紀後半になるとギャラント様式に移り、ドイツではロココ様式を独自に継承した多感様式が生まれました。ロココ音楽を代表する音楽家には、F・クープラン、J・ラモー、L・ダカン、そして、バッハの息子でベルリンとハンブルクで活躍したカール・フィリップ・エマヌエル・バッハなどがいます。

ロココ様式の服装

ロココ様式のファッション Rococo Clothing

ロココ様式の服装は、優雅で洗練された芸術ともいえるもので、18世紀フランスの貴婦人たちの間で大流行しました。典型的なロココの女性の正装は、ガウンとペティコート、三角形のパネル状のストマッカーから成っており、背中に大きな襞がたたまれていました。

装飾品として最も人気があったのは、「花」と「レース」です。ロココ様式を代表するポンパドゥール侯爵夫人の肖像画でも描かれているように、衣装やアクセサリーにも花飾りやレースが盛り込まれており、高価できらびやかな宝石はあまり身に着けられませんでした。

ロココ様式の絵画

フラゴナールが描いたぶらんこ

ロココ美術とは、優雅で軽やか、装飾性に富んでいた美術の様式のことをいい、「ロココ」という名を付けたのは、新古典主義のダヴィットという画家でした。絵画で扱われた題材は、バロック様式の絵画とは変わりませんが、より陽気で軽快、開放的なものとなりました。

ロココ様式を代表する画家は、ジャン・オノレ・フラゴナール、アントワーヌ・ヴァトー、モーリス・カンタン・ド・ラ・トゥール、フランソワ・ブーシェ、ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロがいます。中でも、ラ・トゥールが描いた「ポンパドゥール夫人の肖像」は、ロココ美術における最高の肖像画と言われていますし、フラゴナールが描いた「ぶらんこ」は、自由な恋愛を楽しむ当時の様子を上品に描き、評価されています。

ロココ様式関連作品

本・書籍

ロココの世界―十八世紀のフランス

18世紀のフランスに特化した一冊です。政治・経済や王族・貴族の生活、市民の日常、芸術、料理、マナー、ファッションなど、18世紀のフランスの全てを網羅しているので、18世紀のフランスを知りたい方には満足していただける一冊です。

マリー・アントワネットの衣裳部屋

マリー・アントワネットの時代のファッションについて、マリー・アントワネットの生涯とともに解説しています。当時の衣装に使われるコルセット・レース・ボタン・羽飾り・扇子・靴・髪型・刺繍について詳しく、図説も用いて説明されているので分かりやすいです。

ポンパドゥール侯爵夫人

ロココの時代を代表するポンパドゥール夫人について、史実に基づき、夫人とルイ15世の出会いから夫人の死まで書かれています。この一冊を読めば、ポンパドゥール夫人について分かるようになっていておすすめです。

ロココ様式に関するまとめ

ロココ様式についてご紹介しました。威厳ある煌びやかなバロック様式が主流だったヨーロッパで、少し疲れてしまった貴族たちの間で広まった癒しのロココ様式ですが、それはインテリアからファッション、芸術にまで幅を広げ流行しました。

ロココ様式ときくと、お姫さまのようなドレスや、少女趣味のようなイメージが先行してしまいがちですが、当時の貴族たちにとってはロココは癒しであり、リラックスであり、お洒落の最先端だったんですね。

今回の記事がきっかけでロココ様式の魅力に気づいてくれる人が一人でも増えてくれたら嬉しく思います。

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1 COMMENT

春木理恵

ロココ時代について調べてました。ロココ時代は、旧約聖書にも記載がある、即ち、2021年前からあった気合い、語録だと思いましたが、現在のスマホで調べるのは、困難ですね。

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