「ヤクザとは必要悪という言われるけどなぜだろう?」
「犯罪行為しているのにヤクザはどうして無くならないの?」
映画やテレビなどで「ヤクザ」を見ていると、「必要悪」という表現を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。裏社会を取り仕切っているヤクザは、犯罪行為を犯していながら現在も撲滅されずに組が存在するのが現状です。
ヤクザが「必要悪」といわれ、逮捕されないのにはどんな理由があるのか?この記事ではヤクザが本当に必要悪なのかを中心に解説していきます。
この記事を書いた人
フリーランスライター
フリーランスライター、高田里美(たかださとみ)。大学は日本語・日本文学科を専攻。同時にドイツ史に興味を持ち、語学学校に通いながら研究に励む。ドイツ史研究歴は約20年で、過去に読んだヨーロッパ史の専門書は100冊以上。日本語教師、会社員を経て結婚し、現在は歴史研究を続けながらWebライターとして活躍中。
そもそも「必要悪」とは?
しばしば議論される「必要悪」という言葉ですが、まずはどういった意味があるのかを調べてみると、
「悪ではあるが、社会の現状からいって、やむを得ず必要とされるような事柄」
広辞苑
とあり、悪ではあるものの、社会の現状のため必要とされているという認識ということになります。悪と分かっているけれども、無くすわけにはいかないという意味で「ヤクザは必要悪だ」という言葉が使用されていると推察できそうです。
ヤクザが必要悪といわれる3つの理由
ヤクザはなぜ「必要悪」といわれることがあるのか?ここでは考えられる理由を3つ紹介していきます。
1.暴力団しか居場所がない人も
ヤクザは一般社会に馴染めていない、はみ出し者の受け皿となっている一面もあります。そういう面では必要とはいいませんが、やむを得ず受け皿になっており、ある種の社会的役割といえそうです。
もし暴力団対策によって組織を弱められたとしても、はみ出し者の受け皿がなくあぶれるために、逆に治安が悪化する懸念があるのだそう。暴力団は闇社会とはいえ一定の秩序があるため、法権力が監視できる暴力団にいたほうがまだ犯罪を抑止できるという意図があるといいます。
2.海外マフィアを抑制している面も
ヤクザは海外マフィアの日本進出を抑制している一面があります。もしヤクザが無くなれば、次は例えばチャイニーズマフィアやロシアマフィアなどが裏社会に進出してしまう可能性が高いそうです。
異国の構成員は不法入国で入っており、実態が掴みにくいといわれています。それに対しヤクザの場合は長年の慣習で、警察とヤクザが情報を共有している面もあるのです。そのために得体がしれない海外マフィアよりも、国内のヤクザの方が幾分「マシ」と感じている面があるといいます。
3.暴力団を必要としている仕事もある
日本社会において、暴力団の力を必要としている仕事があるのも事実です。例えばトラブル処理などで暴力団の力を借りて解決している人もいます。バックにヤクザがつくことで安心して仕事をしているという人もいるので、必要悪とは言いすぎですが一定の需要があるのが現実といえそうです。暴力団を容認する人もいるため、現在も存続しているといえるのかもしれません。
ヤクザ・暴力団の仕事内容とは?何してるの?1日のスケジュールも紹介
暴力団はなぜ捕まらないのか?
ヤクザが無くなるとより悪い状況が起こるために残している意図があるといいますが、その他にもヤクザが逮捕されない理由があります。逮捕されない理由は「宗教結社の自由」という組織を作る権利が認められているためです。
そのために、「暴力団」とわかってはいるものの警察は簡単に逮捕できません。ただし近年は1991年に暴対法が制定されたことにより、ヤクザの行動に対する規制が増えているのです。この法令に違反した場合は、即逮捕されるようになっています。
詳しくは以下の記事を参照してください。
ヤクザや暴力団はなぜ捕まらないのか?理由や逮捕された事例も紹介