ジェフリー・ダーマーとはどんな人?ミルウォーキーの食人鬼の全て

ジェフリー・ダーマーの簡単年表

1960年 – 0歳
ウィスコンシン州、ミルウォーキーにて生まれる

ジェフリー・ダーマーは、この年、ウィスコンシン州、ミルウォーキーにて生を受けました。しかし、様々な要因が組み合わさって、ほとんど愛情を注がれることなく育った彼は、精神的に不安定な少年として成長していくことになります。
1966年 – 6歳
弟の誕生と共に、異常な行動を見せ始める
誰かがこの時、ジェフリーに寄り添っていれば、彼の運命は大きく変わったのかもしれない。

家庭を顧みない父と、精神的に不安定なかんしゃく持ちの母に挟まれて育ってきたジェフリーでしたが、この年には弟のデイビッドが誕生することになります。

しかしジェフリーは、母が弟の出産準備に入ると、1日中座り込んだまま動かなくなるという奇妙な行動を見せるようになりました。余談ですが、この頃のジェフリーは、全く笑わない子供だったと言います。

1968年 – 8歳
同級生からの性的虐待を受けていた?

ゴシップ的な噂ですが、小学校に入学したジェフリーは、同級生たちから性的な虐待を受けていたとも言われています。

真偽は不明の、あくまでゴシップ的なうわさ話ですが、そうした経験がジェフリーの人格を培ったと考えれば、確かにつじつまが合うとも思えます。

1978年 – 18歳
高校卒業、そして最初の殺人
深い孤独を癒すための衝動的な殺人が彼の源流であり、同時に彼のトラウマとなった。

高校を卒業したジェフリーでしたが、同時に両親から半ば見放される形で、そのまま社会に放り出されることになりました。

そしてそんな孤独の中で、彼は最初の殺人を犯すことに。衝動的だったこの殺人は、ジェフリーには根深いトラウマとして刻み込まれたようですが、一方で殺人鬼としてのジェフリーは、この時に目覚めてしまったとも言えるでしょう。

1981年 – 21歳
陸軍を名誉除隊し、酒浸りの生活へ

アルコール依存症のせいで、勤めていた陸軍を除隊させられたジェフリーは、そのまま酒浸りの生活を送ることになりました。血液銀行での売血で生計を立てていた彼は、次第にブラックリストに載せられるようになり、生活は悪化の一途をたどっていたと言います。
1986年 – 26歳
保護観察処分を言い渡される

チョコレート会社に就職したジェフリーでしたが、ほどなくして「12歳の少年二人に自慰を見せた」として保護観察処分を受けることになります。

この頃には、行きつけのゲイバーでも「睡眠薬入りの酒を呑み仲間に飲ませた」として出入り禁止の処分を下され、彼は着々と社会における居場所を失っていくことになります。

1987年 – 27歳
第二の殺人

保護観察処分を終えたジェフリーでしたが、その直後に彼は、泥酔した中で行きつけのゲイバーのコック見習いを殺害。彼自身は犯行を覚えていなかったようですが、死体の損壊と隠滅を行い、着々と殺人鬼へと堕ちていくこととなりました。
1988年 – 28歳
止められない異常性
彼自身にも止められない異常性。しかし周囲の社会はまだ、ジェフリーに対して無関心を貫いていた。

この頃になると、彼の異常な行動は、もはや彼自身にも止められなくなっていたようです。

ジェフリーはこの年、二人を殺害し、一人の少年を性的暴行目的で誘拐。少年が逃げ出したことで、彼は性的暴行罪で逮捕されましたが、保釈金を積んだことで釈放されてしまいました。

1989年 – 29歳
殺人の習慣化

少年に対する性的暴行容疑での公判中も、ジェフリーは欲望のままに殺人を実行。

この頃にはもう、彼の殺人の特徴である、「睡眠薬入りの酒を飲ませ、被害者を絞殺してから解体し、ゴミ袋に詰める」というルーティーンが完成していたようです。

1990年 – 30歳
初めての食人

少年への暴行に対する保護観察を終えた彼は、オックスフォード・アパートメントに居を移し、そこでも殺人を実行。

この頃のジェフリーは、連れ込んだ黒人青年の肉を食べるなど、殺人犯としても異常な行動を見せるようになっていました。

1991年 – 31歳
殺人の連鎖、ロボトミー手術、そして逮捕
ようやく逮捕されたジェフリーだったが、この時にはもう、犠牲者は17人になっていた。

この頃には、ジェフリーの犯行はかなり場当たり化しており、翻ってそれは、ミルウォーキー警察の無能を明らかにすることにも繋がりました。

この年だけで7人もの青年を手に掛け、その一部にはおぞましいロボトミー手術を施そうとしたジェフリーは、次の犠牲者となるはずだった青年が脱走し、警察に助けを求めたことでようやく逮捕されることになったのです。

1992年 – 32歳
936年の禁固刑を言い渡される

裁判に掛けられたジェフリーは、15件の殺人罪や死体損壊罪などの罪状を認定され、936年の禁固刑――実質的な終身刑を受けることになりました。

逮捕されたジェフリーは、元FBI捜査官のロバート・K・レスラーとの対談などを行い、異常犯罪の研究目的の対談などにも、積極的に応じていたことが記録されています。

1994年 – 34歳
服役中に撲殺され、この世を去る

11月28日、シャワールームの清掃作業を行っていたジェフリーは、同じ作業をしていた黒人収容者、クリストファー・J・スカーヴァーによって撲殺され、この世を去りました。

その動機については詳しくは分かっていませんが、専門家の間では「人種差別にまつわる感情」が動機の根本を成していたと考えられています。


ジェフリー・ダーマーの関連作品

おすすめの映画、ドラマ

ジェフリー・ダーマー

ジェフリー・ダーマーの事件を描いた映画作品です。

全体的に若干間延びした印象が強く、作品として惹かれる部分はあまりありませんが、主演でありジェフリーを演じるジェレミー・レナーの演技は必見。鬼気迫る狂気の演技が素晴らしい作品ですので、前提知識を持ったうえで、演技を楽しむつもりで見てほしい作品だと思います。

羊たちの沈黙

ジェフリー・ダーマーをモデルにしたとされる、ホラー映画史上に残る殺人鬼、ハンニバル・レクターが登場する作品です。

「食人」というある種の禁忌を描いたホラー作品は、少々古めではありますが今見ても背筋が凍る一級品のホラー作品となっています。ジェフリーについて知った皆さんなら、この作品から新たなものを見出せるかもしれません。ぜひお試しください。

HANNIBAL/ハンニバル

上記の『羊たちの沈黙』をリメイクしたドラマ作品です。

現代的にリメイクされている分、そのブラッシュアップされた恐怖も折り紙付き。とりわけ「ハンニバルの料理シーン」は、美しくも冷酷な、不思議な魅力のあるシーンとして完成されています。

ジェフリー・ダーマーという殺人鬼の所業が、結果的にこの作品を生んだと考えると、中々複雑な心境にさせられること請け合いです。

関連外部リンク

ジェフリー・ダーマー – Wikipedia

ジェフリー・ダーマーについてのまとめ

あらゆる意味で「異常」と評する他ない殺人を数多く犯し、犯罪史上に残る人物となったジェフリー・ダーマー。書いていて気分が悪くなる部分も多々ある、同情できない人物である一方で、様々な社会的な問題に対して考えるきっかけにもなり得る人物だと思います。

現代においても、性的マイノリティや人種差別の問題は、ジェフリーが生きた時代とほとんど変わらず議論が続けられています。

大多数のマジョリティからすると「関係ない」と目を塞ぎそうになる議論ですが、ジェフリー・ダーマーのような存在を生まないためにも、それらの事柄について、今一度マジョリティの立場から考えてみる必要性を感じました。

それでは、このようなショッキングな記事にここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました。この記事が皆様にとって、少しでも学びとなっていれば光栄に思います。

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