673年 – 40代頃「天皇として即位する」
673年に大海人皇子は天武天皇として即位し、鵜野讃良皇女が皇后に立ちました。天武天皇が目指したのは、一人の大臣もおかず皇族で周りを固めた皇親政治でした。この体制は天武の崩御まで続く、古代における天皇専制の頂点となったのです。
また宮中改革にも積極的に行い、日本を近代国家にする大事業を行いました。これは天武の在位中に完成しなかったものも多かったですが、後の大宝律令などの礎となったのです。また、日本古来の文化や宗教に対する保護も行い、多大な功績を残しました。
草壁皇子を皇太子にする
681年に天武天皇と皇后の間の皇子、草壁皇子が皇太子になったとされています。まず679年に天武天皇と皇后は、天武の子4人と天智の子2人とともに吉野宮に赴き誓いを立てました。天皇・皇后は6人を父母を同じくする子のように遇し、子はともに協力するという、吉野の盟約と呼ばれるものをさせたのです。
誓いの順番は、草壁皇子が最初、大津皇子が次、最年長の高市皇子が3番目に誓いを立て、この序列は天武の治世の間維持されました。そして草壁皇子が一番の後継者であることを示すものでもあったのです。
686年 – 60代頃「病気により崩御」
686年5月24日に天武天皇は病気になりました。仏教の祈祷を行い病気平癒を願いましたがその甲斐なく病気は平癒せず、7月11日に皇后と皇太子に政治を委ねました。そして7月20日に元号を改めて朱鳥と改めています。その後も神仏に祈りましたが9月11日に崩御しました。
そして、大和の檜隈大内陵に埋葬されました。道教の影響が見られる八角墳です。死後の鎌倉時代にこの陵は盗掘を受けました。その時に棺が暴かれましたが遺体はそのままで、頭蓋骨にはまだ白髪が残っていたと藤原定家の日記「明月記」に記されています。
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天武天皇についてのまとめ
いかがでしたでしょうか。今回天武天皇を執筆するにあたって感じたことは、古墳時代の人物とはまた違った謎の多い人物なのだなと改めて思いました。シャーマン的な能力を持ち、卑弥呼の時代からの価値観を踏襲しつつ、大陸の文化を取り入れて国をまとめていったということに改めて驚きました。
万葉集の歌を読んでいると、歴史書とは違った角度での歴史の人物たちが見えてきて非常に面白かったです。これを期に、再度万葉集を読んでみようと思いました。これを読んでいただいた皆さまも天武天皇や、飛鳥時代に少しでも興味を持ってもらえたら嬉しく感じます。最後まで読んでいただいてありがとうございました。