世界大恐慌をわかりやすく紹介!原因と影響、各国の対応について簡単解説

自国を優先した結果、第二次世界大戦へ

経済回復の手段として戦争が選ばれてしまった

広大な土地を持ち、原料と市場を確保できる国(持てる国)とできない国(持たざる国)の格差は大きくなりました。

「持てる国」であったイギリスやフランス、アメリカは貿易を減らし排他的になると「持たざる国」は経済的に困ってしまいました。この状況は帝国主義国家だったドイツやイタリア、日本に戦争をする理由を与えてしまいます。

「持たざる国」は周辺国へ侵攻を始めました。戦争をしないための国際的な安全保証は意味をなさず、戦争による他国の領地の奪い合いは加速し、第二次世界大戦へとつながってしまったのです。

世界恐慌が各国に与えた影響を分かりやすく解説!生活や経済への影響は?

世界大恐慌とコロナ

大恐慌に発展する可能性があるコロナショック

2020年、世界はコロナウイルスにより世界的な大不況となり、コロナショックとも呼ばれています。さらに世界大恐慌以来の経済危機がくるのでは、とも言われていますが本当にそうでしょうか。

世界大恐慌時のチャートと世界大恐慌とコロナショックの類似点を紹介したあと、コロナショック後の未来を予想していきます。

世界大恐慌時の株価とチャート。最底値は1933年

ダウ平均株価を表すグラフ

まずは、世界大恐慌時の株価から見ていきます。上の図はアメリカの株価です。1924年から、アメリカでは投資を中心にお金が流れ込み、急上昇していました。しかし、ウォール街の株価大暴落を発端とする世界大恐慌以降、株価は下がり続けました。

株価下落は3年間続き、1933年ごろにようやく底を打ちます。1933年以降はニューディール政策による雇用回復もあり、少しずつ株価は上昇。1940年の第二次世界大戦でようやく好況時まで回復しました。

世界大恐慌とコロナの3つの類似点

世界大恐慌とコロナショックの類似点は大きく分けて次の3つです。

  • 株価の動き
  • 世界貿易の減少
  • 失業者の増大

まずは、株価の動きについて解説していきます。下の図は世界大恐慌時とコロナショックの株価の動きを表したものです。

株価の推移。(黒)世界大恐慌(赤)コロナショック
出典:ピクテ投信投資顧問

株価チャート自体は同じ動きをしているため、世界大恐慌と同じくこれからも株価が下がるのではないかと考えてしまいます。しかし、実は世界大恐慌とコロナショックには大きく異なる点があります。

世界大恐慌は銀行がお金を貸さなくなったことによる経済危機とすると、コロナショックは経済活動の停滞が問題になっているのです。つまり、世界大恐慌時とは背景がまったく逆になっています。

次の類似点は、世界貿易の減少です。どちらも理由は同じで自国の経済を守るためです。また、コロナショックの場合は、感染症による移動の制限も理由に加わります。

最後に失業者の増大です。アメリカを例にあげると、世界大恐慌時の失業者数が1300万人だったのに対して、コロナショックでは2200万人となっています。

世界大恐慌をはるかに凌ぐ数ですが、驚くことに世界大恐慌時は数年かけて1300万人だったのに対し、コロナショックではわずか数ヶ月でこれほどの失業者が出てしまったのです。失業者の数では、世界大恐慌以上に深刻と言えるでしょう。

コロナショック後は世界大恐慌の再来か?

実際の経済に大打撃を与えたコロナショック

「歴史は繰り返す」と言いますが、コロナショック後は世界大恐慌が再来するのでしょうか?上記であげた類似点とこれからあげる相違点から、答えは必ずしもそうとは言い切れない、です。

上記で触れたように、2つの背景は大きく異なります。加えて、世界大恐慌時とは違い各国が財政・金融政策を発動し、経済の悪化を阻止しています。

実は世界大恐慌時、特にアメリカのフーヴァー大統領が打ち出した政策はほぼ逆効果で、人災と言われるほど経済を悪化させるものでした。それを考えると、2020年9月までの経済政策はうまくいっていると言えます。

このままワクチンが開発され、コロナが終息に向かえば大恐慌のような経済危機には発展しないでしょう。

とはいえ、楽観視するにはまだ早いです。もし、コロナによる不況が長期化し移動規制も解除されない場合、倒産する企業が増えます。そうなったとき、世界大恐慌のように金融危機が起こり、失業者があふれる恐れがあるでしょう。

ワクチンが開発され、コロナが終息するまでは気が抜けない状態と言えます。

世界大恐慌に関するまとめ

世界大恐慌の原因と影響、各国の状況と対応について解説しましたが、いかがでしたか?最後に簡単に、記事の内容をまとめます。

  • 世界大恐慌の原因は、アメリカに依存した世界経済・生産過剰による商品の売れ残り・農作物の作りすぎによる物価の下落・ブロック経済による世界市場の縮小・失業者の増加の5つ
  • 世界大恐慌により各国で経済破綻し、いくつかの国は戦争による解決を選んだ

コロナショックは1929年の世界大恐慌以来、最悪の不景気になると言われています。しかしワクチンが開発されれば一気に回復するとも言われており、はっきりとしたことは言えません。したがって、コロナショックについては、今後も注意していく必要がありそうですね。

世界大恐慌に限らず、歴史は未来を予想したり、社会全体の状況を理解する助けになります。当サイトでは歴史やさまざまな偉人について紹介していますので、ぜひご覧ください。

長くなりましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

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