ロシア革命とは?原因や指導者、その後の影響を分かりやすく簡単解説

ロシア革命による影響やその後の動き

第一次世界大戦からの離脱

ブレスト=リトフスク条約に調印するドイツとロシアの代表団

十月革命で成立したレーニンの社会主義政権はドイツとの講和交渉に入りました。そして、1918年3月にドイツなどの同盟国とロシアはブレスト=リトフスク条約を締結します。

この条約では大幅な領土変更が行われました。ロシアはバルト三国やポーランド、フィンランド、ウクライナを放棄し大幅に領土を縮小させます。これにより、ロシアは3分の1とウクライナの穀倉地帯、石油・石炭・鉄鉱石などの資源産地の多くを失いました。

大幅な領土縮小と資源の喪失と引き換えに、ロシアは念願の戦争終結を成し遂げることができました。

列強の対ソ干渉戦争

他方、これまでロシアとともにドイツ・オーストリアなどの同盟国と戦っていた連合国はロシアの一方的な戦線離脱を許しませんでした。イギリス・フランス・アメリカ・日本などは革命政権を打倒するため、ロシアに干渉戦争を仕掛けます。これを対ソ干渉戦争といいます。

オレンジがボリシェヴィキの統治地域、青は白軍の最大進出ライン

ブレスト・リトフスク条約の調印後の1918年3月3日、イギリス軍とフランス軍は北極海沿岸のムルマンスクに上陸します。つづいて7月に白海沿岸のアルハンゲリスクにイギリス軍とアメリカ軍が上陸しました。

しかし、干渉戦争に大義名分がなかったことなどから連合軍の士気は低く、1919年の秋までに大半が撤退してしまいました。

日本によるシベリア出兵

赤軍に殺害されたチェコスロヴァキア兵
出典:Wikipedia

1918年に日本やイギリス、アメリカはシベリアへの出兵を決定します。その大義名分は、東シベリアで孤立したチェコスロヴァキア軍団の救出でした。

シベリア出兵を伝える日本の絵画

1918年8月、日米両軍を主力とするシベリア出兵が開始されます。この時、日本は事前の取り決めをはるかに上回る7万2千もの大軍を派遣しました。その一方、アメリカ軍は7千名にとどまります。

派遣された日本軍は慣れない寒冷地での戦闘で苦戦を強いられ、一向に戦果を挙げることができません。戦いはずるずると続き、1922年にようやく終わります。シベリア出兵は戦費10億を費やし、1万人以上の死者を出すという大失敗に終わりました。

ロシア革命に関連する作品

おすすめの書籍・本

『世界史劇場 ロシア革命の激震』

大手予備校河合塾で世界史を受け持っていた神野正史氏によるロシア革命の解説です。革命が起きる直前の様子から、十月革命でレーニンが権力を獲得するまでを描いた作品です。豊富なイラストと臨場感あふれる解説は、さすが予備校講師といったところでしょうか。

ロシア民衆、特に労働者の帝政に対する不満や彼らを動かして社会主義革命を達成しようとするレーニンなどの革命家の動きが手に取るようにわかる一冊でした。ロシア革命をより詳しく知りたい方にお勧めです。

『ロシア革命1900-1927(ヨーロッパ史入門)』

一般的にロシア革命といわれる1917年の二月革命や十月革命だけではなく、第一次ロシア革命とされる血の日曜日事件から、レーニン死後の新経済政策の終焉までを扱った著作です。

ロシア現代史の専門家でオックスフォード大学の教授であるロバート・サーヴィスが書いた本格的なロシア革命史です。ただ、内容はかなり難しいものも含むので、初心者向けというよりは上級者向けの本です。一般的なロシア革命の本に満足できず、もっと知りたい人にお勧めです。

おすすめの映画

『十月』

この映画はロシア革命10周年を記念して作成されたもので、監督は『戦艦ポチョムキン』などの作品で高い評価を受けたセルゲイ・エイゼンシュテインです。レーニン率いるボリシェヴィキが十月革命で権力を奪取する様子を生き生きと描きました。

帝政を打倒した二月革命からレーニンがロシアに帰国して行った「四月テーゼ」、ボリシェヴィキが弾圧された七月騒動、そして臨時政府を倒し、レーニンが社会主義政権を打ち立てた十月革命までの動きを克明に描きました。

1920年代の古い作品ですが、実際に十月革命に参加した人々が数多く出演しており、臨場感あふれる作品となっています。

ロシア革命に関するまとめ

いかがでしたか?

今回はロシア革命について取り上げました。首都ペトログラードでの「パンよこせ」デモを発端とした二月革命は300年続いたロマノフ朝を打倒します。その後、臨時政府が成立しましたが、戦争を継続したため国民の支持を失います。

行き詰まった状況を打開するため、レーニンは十月革命を起こし臨時政府を打倒します。革命の混乱の中、ロマノフ家の人々はエカテリンブルクで殺害されるという悲劇に見舞われました。革命後に成立したボリシェヴィキ政権は共産党を結成しソヴィエト連邦を樹立します。

この記事を読んで、「ロシア革命とはどんな革命か?」、あるいは「レーニンがどんな人か」などについて少しでも「そうだったのか」と思っていただける時間を提供できたら幸いです。

長時間をこの記事にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。

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