古代エジプト最後の女王「クレオパトラ」
クレオパトラはプトレマイオス朝の女王で正しくはクレオパトラ7世といいます。ギリシア人プトレマイオスが始めた王朝なので、クレオパトラも厳密にはエジプト人ではなくギリシア人です。
クレオパトラが生きた時代、地中海では共和政ローマの領土が急拡大していました。彼女はローマの有力者であるカエサルやアントニウスと結びつくことでプトレマイオス朝を維持しようとします。カエサルとの結びつきはプトレマイオス朝のエジプト支配安定に貢献します。
しかし、ローマの政局に深くかかわりすぎた結果、オクタウィアヌスとアントニウスの戦いに必要以上に参加してしまいます。その結果、オクタウィアヌスにエジプト征服の口実を与えてしまいました。アクティウムの海戦でアントニウスが敗北したのち、彼女は自殺。プトレマイオス朝は滅亡しました。
古代エジプトの神々
太陽神「ラー」
古代エジプトで太陽を意味する「ラー」という言葉は、同時に太陽神「ラー」を表す言葉です。古代エジプトでは、太陽はとても重要な役割を担っていました。エジプトを統治するファラオがラーの息子と考えられたからです。
時がたつにつれ、ラーに対する信仰は衰えていきました。するとラーはセクメトという神をつかわして自分を敬わない人間を滅ぼそうとします。しかし、オシリスなどがラーをいさめたため、ラーはセクメトを無力化し人々の殺戮をやめさせました。
冥界の神「オシリス」と豊穣の女神「イシス」
オシリスとイシスは大地の神ゲブと天空の神ヌトの子です。やがて、オシリスとイシスは結婚し、太陽神ラーから神々の王の座を譲られました。しかし、これに弟のセトが嫉妬しオシリスを切り刻んでしまいます。
すると、イシスはオシリスの体をつなぎ合わせ強力な魔術で復活させました。ところが、この時オシリスの男根の部分だけが見つかりません。その理由は、魚がオシリスの男根を飲み込んでいたからです。そのため、オシリスは現世で復活できず冥界の王となりました。
ミイラづくりの神「アヌビス」
古代エジプト人がミイラを作らせたのは、最後の審判のあと復活を遂げるために肉体が必要だと考えたからです。その肉体を現世にとどめるためにつくられるミイラのプロともいえるのが犬(またはジャッカル)の頭を持ったアヌビス神です。
オシリスがセトに殺された時、ミイラにして復活を手助けしたのがアヌビスでした。それゆえ、アヌビスはミイラづくりの監督官とされます。また、死者の魂を明快に運ぶ役割を担っているため、足が速いとされました。
テーベの守護神「アメン」
アメンはもともとナイル川中流域の都市テーベの守護神として信仰されます。ラーやオシリス、イシスなどと比べると重要な神とみなされていませんでした。しかし、テーベの支配者が中王国をおこすと、アメンの地位は一気に向上し国家の神となります。
中王国時代以後、アメンはラーと一体化し「アメン=ラー」となり、エジプトの神々のトップとして扱われます。以後、ファラオはアメンの子と考えられるようになりました。新王国時代になるとアメン神官団の勢力が強大化し、王権に対抗する力をもちました。アメン神官団の強大化がイクナートンのアマルナ宗教改革の動機となったと考えられます。
古代エジプトの壁画
古代エジプト人は神殿や墓などに数多くの壁画を残しました。彼らの絵の描き方は非常に特徴的です。まず、顔は必ず横向き。胴体は正面を向き、遠近法は原則用いません。彼らが大きく描くのは神々や王など地位が高い人たちでした。
また、古代エジプトの壁画には「ホルスの目」とよばれる独特の目が描かれます。ホルスはオシリスの子で太陽神です。彼はオシリスを殺したセトと何度も戦って神々の王の座を手に入れました。古代エジプト人は目の形を崩すことなく、すべて同じ形で描きました。神の目を崩すことを恐れたからだとも言います。
さらに、壁画には神々や人間だけではなく犬や猫、鳥など当時の人々にとって身近な存在だった動物たちも描かれました。人々の生活や動物なども描かれた壁画は古代エジプトを知るための重要な手掛かりとなっています。
古代エジプトに関するまとめ
いかがでしたか?
今回は古代エジプトについてまとめました。古代エジプトはその始まりである古王国時代から最後のプトレマイオス朝までおよそ3000年間にわたって繁栄しました。彼らはパンとビールを主食とし、腰布やワンピースを身にまとう生活をしていました。上流階級となると、現代人も驚くほど豊かな食生活を送ります。
エジプトを支配したファラオたちの中にはクフ王やツタンカーメン王など日本人にもなじみがあるファラオだけではなく、個性豊かな人たちもいます。また、数多くいるエジプトの神々も特徴があり魅力的です。
この記事を読んで古代エジプトの歴史や彼らの生活、歴史上有名なファラオや代表的な神々について少しでも「そうだったのか」と思っていただける時間を提供できたら幸いです。
長時間をこの記事にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。