在原業平とはどんな人?性格や伝説、百人一首にも選ばれた有名和歌も紹介

862年 – 37歳「再び従五位下に叙される」

隅田川の浮世絵、東下りでは隅田川の渡し船に乗ったといわれている
出典:Wikipedia

862年に在原業平は再び従五位下に叙されました。ここで、再度従五位下の人事があるために、降格されていたのではないかと考えられています。そもそも本当に降格していたのか、なぜ降格したのかははっきりと記録に残っていませんが、もし降格していたならば藤原高子とのスキャンダルによる結果だったのかもしれません。

またこれもはっきりわかっておらず憶測になりますが、862年は母の伊都内親王が薨去した年でもあり、母の喪中に東下りをしたのではないかと推測されているそうです。

865年 – 40歳「伊勢斎宮との密通という前代未聞のスキャンダルを起こす」

伊勢斎宮の再現
出典:Wikipedia

865年に清和天皇の勅により、伊勢に下向。そこで伊勢斎宮である恬子内親王と密通し、更の妊娠させてしまうという前代未聞のスキャンダルを起こしてしまいます。この時業平は翌日尾張に行くスケジュールだったために一晩だけの関係だったそうですが、懐妊したといわれています。

この時恬子内親王は男子を出産し、当時神祇伯だった高階峰緒の息子の養子として引き取ったといいます。このため高階家は伊勢神宮に参拝出来ない一族となり、その余波は100年以上後の一条天皇の後継者問題まで尾を引くこととなります。

879年 – 54歳「蔵人頭に任じられる」

在原業平と藤原高子、昔の事として良い思い出となっていたのかもしれない
出典:Wikipedia

徐々に昇進していった在原業平ですが、879年に蔵人頭に任じられています。天皇の秘書的な業務をこなす蔵人所の責任者になったのです。この人事には、皇太夫人である藤原高子の推挙があったのではと考えられています。

想像にはなりますが、天皇に嫁ぎ国母となった高子は、かつての恋人・在原業平に対して悪い印象を持っていなかったのかもしれません。高子とは屏風の歌を献上したり、臣下として付き合いを続けていたようです。

880年 – 56歳「在原業平死去する」

56歳でスキャンダルで波乱に満ちた生涯を閉じた

880年に在原業平は死去します。死因はわかりませんが、当時の平均年齢が40歳ということを考えると、大往生だったといえるでしょう。最終官位は蔵人頭従四位上行右近衛権中将兼美濃権守。墓所はわかっていません。

在原業平の関連作品

おすすめ書籍・本・漫画

令和版 全訳小説 伊勢物語

伊勢物語の現代語訳です。雅な色好みの世界を思う存分堪能できます。現在の価値観ではいまいちわかりづらいことも、意訳してあるので理解しやすいです。古典文学の世界に興味があるけど、古文を読み解くことが苦手という人におすすめです。

古今和歌集 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫 88 ビギナーズ・クラシックス)

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月蝕 在原業平歌解き譚 (小学館文庫)

在原業平を主人公とした和歌の謎解きをする漫画です。絵柄も美しく、特に女性の方に嬉しい本です。漫画ではあるけれども、平安時代に興味がある方は入門的に読んでもらうと楽しめる1作です。

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在原業平

在原業平をさっくり6分間で説明してあります。要点を押さえて端的に説明してありますので、在原業平がどんな人なのかざっくり知りたいという人におすすめです。

和歌の世界①:古今和歌集「仮名序」

古今和歌集の仮名序を解説してくれています。紀貫之のあまりにも有名な序文をわかりやすく読み砕いてくれているため、「和歌」がそもそもどういったものなのかを認識できるため、和歌を知りたいという人はまず聞いてもらいたい内容です。

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在原業平についてのまとめ

いかがでしたでしょうか?筆者は在原業平の歌が好きなので、執筆することによって作品を見直すこともでき、美しい歌に平安ロマンを感じています。その一方、在原業平の恋愛が派手だということはうっすら覚えていたのですが、今回執筆にあたり見直していいて、記憶以上にスキャンダルが多く当時の貴族たちも驚いただろうなという感想です。

そして美男子で和歌の上手い高貴な貴公子は、非常に憧れの的だったんだろうなと想像ができました。彼自身の人生が物語のように濃いものだったからこそ、物語の主人公として今も語り継がれているのだなと実感しています。この記事を読んで、古典や平安時代の人物に興味を持ってもらえたら嬉しく感じます。最後までお読みいただきありがとうございました。

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1 COMMENT

michika

すごくわかりやすい記事でした!
夏休みの自由研究に使わせていただきます!

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