フリーメイソンとは?マークや入会方法、歴史についてを分かりやすく解説

フリーメイソンに入会するには?

フリーメイソンに入会する5つの条件

入会条件はロッジによる

フリーメイソンに入会するには、次の5つの条件を満たしている必要があります。

  • 1.特定の宗教を信仰している。または神の存在を信じていること
  • 2.成人男性であること
  • 3.世間での評判がよく、道徳的品性を持っていること
  • 4.心身ともに健康であること
  • 5.定職に就き、一定の収入があること

基本的な条件は以上の5つですが、ロッジによっては加入条件がゆるい場合もあります。加入したいロッジに直接問い合わせると間違いがないでしょう。ちなみに入会金と年会費もかかるので、そちらも確認しておきたいですね。

フリーメイソンに女性は加入できない?

基本的に女性は加入できない

入会条件の中に「成人男性であること」とありましたが、実は女性のフリーメイソンも世界には存在します。というのも、前述したように加入条件がロッジごとに異なるからです。一部のロッジでは女性の入会を認めているところがあります。

しかし、ほとんどのロッジは伝統などの理由により、女性の加入を認めていません。代わりに第三階級マスター・メイソンの妻や母、姉妹だけが入会できる「東方の星」という組織があります。

フリーメイソンの起源と生まれた理由

起源は中世の石工組合

中世の城や教会、聖堂を建築していた石工

フリーメイソンの起源は中世の石工組合です。中世のヨーロッパではさまざまな職業の組合がありました。フリーメイソンも数多くある組合の一つです。石工という職業は地元から離れ、建築現場で寝泊まりすることが多い仕事でした。

組合はよその土地からやってきた石工の信用を担保する役割を持っており、仲間かどうか見分けるために秘密の合言葉やサインを設定しました。よく暴露本などで、フリーメイソンの握手の仕方などが紹介されていますが、それはこの頃の名残です。

時代が経つに連れてほとんどの組合がなくなってしまいましたが、フリーメイソンは石工組合としての役割を変化させて現在まで生き延びてきました。マークや合図、階級など、ところどころに石工組合時代の伝統を感じさせるものがあるので、探してみると面白いかもしれません。

今のフリーメイソンは啓蒙主義から生まれた

知識を求めた人々によって発展したフリーメイソン

現在のフリーメイソンは、1700年代に石工組合からあり方を変え、今の形になりました。そのことから石工のことを実践的フリーメイソン、石工ではない一般の会員を思弁的フリーメイソンと呼びます。

変化したきっかけは建築不況です。中世の末期になるとほとんどの建物が建てつくされ、石工たちの仕事が激減し、組織存続のために貴族や有力な人物をフリーメイソンに迎え入れるようになります。

当時の精緻な建築技術は一般人からすると神技だったため、有力者たちは石工たちの建築技術のもととなっている数学的知識に触れる目的でフリーメイソンに加入しました。また、1700年代は啓蒙主義が徐々に広まっていた時代であったこともあり、多くの会員が集まりました。

啓蒙主義とは、知識・教養によって人間社会を発展させようという思想のことです。

啓蒙主義者らは最先端技術を学べる、教会ではない団体を求めており、彼らのニーズにピッタリとあったのがフリーメイソンだったのです。

フリーメイソンの都市伝説

都市伝説1「アメリカの1ドル札」

アメリカの1ドル札。問題のマークは画面左下のピラミッド
出典:Wikipedia

フリーメイソンの都市伝説と言えば、アメリカの1ドル札に関する話が真っ先にあがるでしょう。

アメリカの1ドル札の裏側には、フリーメイソンの紋章が描かれています。陰謀論者によると、これは「フリーメイソンは世界の経済と金融を裏から操作しているのだ」という密やかな宣言なのだというのです。

しかし、この陰謀論はまったくの間違いです。

ピラミッドの中の目は、確かにフリーメイソンが象徴として使用することがありますが、初めに使ったのはアメリカです。そのため、世界経済をフリーメイソンが支配している、というのは荒無稽な話と言えるでしょう。

都市伝説2「ワシントンD.C.市街図に描かれた『悪魔の図形』」

ワシントンD.C.の悪魔の図形
出典:ドクター・ハオの日記

上記の1ドル札と同等の人気を集めているのが、アメリカの首都ワシントンD.C.に組み込まれた「悪魔の図形」です。

この話によると、ワシントンD.C.の西側のエリアには、ホワイトハウスを頂点とする逆五芒星と、その頂点を結び合わせた五角形が存在していると言います。この図形は、邪悪なものたちが住む領域から、悪魔などを召喚するために使用される黒魔術の呪符とされているのです。

これはフリーメイソンによって描かれたもので、彼らは邪悪な図形で市街を埋め尽くすことによって、世界征服を為すための悪の力を手に入れようとしているーーと陰謀論者の間でささやかれています。

では、実際のところどうなのかというと、これも1ドル札と同様に無理のある話です。ワシントンD.C.に描かれているという図形は、どれも一部が欠けていたり、そもそも全部抜けていたりするものがあります。

想像力によって補われた、根拠のない陰謀論と言って良いでしょう。

都市伝説3「切り裂きジャックのフリーメイソン説」

切り裂きジャックが取り上げられたアメリカの雑誌『Puck』
出典:Wikipedia

切り裂きジャックとは、1888年にロンドンで起こった未解決の惨殺事件の犯人を指す呼称です。この切り裂きジャックの正体が、フリーメイソンではないかと言われています。

この説は1976年、フリーメイソンの研究家スティーヴン・ナイトが発表した『切り裂きジャック最終結論』により提唱されました。これによると、ヴィクトリア女王のかかりつけ医だったウィリアム・ガルという外科医が真犯人であると言います。

しかし、事件当時のガルは72歳と高齢。加えて脳梗塞の後遺症により、身体中に麻痺が残っていました。惨殺事件を実行できる状態になかったと言えるでしょう。

さらに、ナイトに情報提供をした人物が「提供した情報はすべて嘘だった」と告白しており、説得力は完全に消えてしまいました。ですが、いまだにガルを「切り裂きジャック」とする見解が残っており、映画や漫画、小説といった形で受け継がれています。

確かに、物語の登場人物としてはインパクトがあってピッタリかもしれませんね。

ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)とは?事件概要や犯人像を紹介

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