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ジャック・ザ・リッパー(切り裂きジャック)とは?事件概要や犯人像を紹介

ジャック・ザ・リッパーとは、1888年にロンドンで起こった連続猟奇殺人事件と、その犯人のことを示す通称です。現代でも犯人像は全くつかめておらず、世界史上でも名高い未解決事件として有名なため、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

ジャック・ザ・リッパー事件に関する当時の絵
出典:wikipedia

主に売春婦を狙い、殺害した人物の体を解体して臓器を持ち去るという異常で猟奇的な手口や、新聞に犯行声明を送りつけるという異例づくめの犯行スタイルから、この事件こそがいわゆる”劇場型犯罪”の元祖であるとも噂されています。

しかし一方で、「ジャック・ザ・リッパーって結局誰なの?」という疑問も至る所で見られ、正確な実像については浸透していないのが現状です。

ということでこの記事では、ジャック・ザ・リッパーと呼称される事件や、その犯人とされる人物などについて解説していきたいと思います。

ジャック・ザ・リッパーとはどんな人物か

名前不明
通称ジャック・ザ・リッパー
(切り裂きジャック)
誕生日不明(1800年代)
※その他全ての情報が未だに不明

ジャック・ザ・リッパー事件のハイライト

ジャック・ザ・リッパーを描いた当時の絵。あくまでイメージ図のため、犯人の顔は無個性に描かれている。
出典:switch news

ジャック・ザ・リッパー事件が始まったのは、1888年の8月31日とされています。被害者はメアリー・アン・ニコルズという42歳の女性でした。彼女は腹と喉を切り裂かれており、特に喉の傷は左右に二回、深くまで切り裂かれていたと記録されています。

第二の被害者、アニー・チャップマン
出典:wikipedia

そして次の事件が発生したのは9月8日。47歳のアニー・チャップマンが殺害され、子宮と膀胱が持ち去られた状態で遺棄される事件が発生します。同時期のロンドンでは”ホワイトチャペル殺人事件”と呼ばれる連続殺人事件が起こっており、ロンドンはにわかに殺人鬼の恐怖に包まれることになりました。

そして9月30日には、エリザベス・ストライドとキャサリン・エドウッズの2名が遺体として発見。そのうちエリザベスの方は、発見の数分前に殺害され、犯人と思しき人物が目撃されていたことがわかっています。

最後の被害者であるメアリー・ジェーン・ケリーは、非常に残虐に殺害されている。
出典:wikipedia

そしてジャック・ザ・リッパーの犯行が確実視される最後の事件が11月9日に勃発。被害者であるメアリー・ジェーン・ケリーは、全身のあらゆる場所を内臓含めてバラバラに切り刻まれるという凄惨な姿で発見されました。

そしてそれ以降、ジャック・ザ・リッパーのものと確実視される犯行は起こっておらず、同一犯説があるホワイトチャペル殺人事件も、1891年の2月を最後に犯行が起こらなくなりました。

こうして、犯行の動機も犯人の性別すらも不明なまま、ジャック・ザ・リッパーと名付けられた事件は未解決事件となったのです。

劇場型犯罪者の元祖である存在

稀代の怪盗であるアルセーヌ・ルパンの手口も、見方によっては劇場型犯罪といえる。
出典:wikipedia

予告状や脅迫文などを用い、物語の一部として聴衆を巻き込む形の犯罪を「劇場型犯罪」と呼びますが、ジャック・ザ・リッパー事件は、その元祖であると言われています。

エリザベス・ストライドとキャサリン・エドウッズが殺害される数日前、セントラル・ニューズ・エイジェンシーという新聞社に、ジャック・ザ・リッパーを名乗る署名付きの手紙が届けられていました。手紙には主に「売春婦を毛嫌いしている」ということと「犯行はまだ続く」という事が記されており、二人の殺害事件後の10月1日にも同様の手紙が同社に届けられています。

また、10月16日にはホワイト・チャペル自警団の代表に、ジャック・ザ・リッパーからの小包が届けられています。内容は「地獄より」という書き出しで始まる犯行声明文と、アルコール保存された人間の女性の腎臓であったと確認されており、ジャック・ザ・リッパーの異常性の裏付けとして現在も語り継がれる事件となっています。

ジャック・ザ・リッパーは実在するのか

「ジャック・ザ・リッパーの実在」については、論点を明確にするところから始めなくてはならない。
出典:switch news

「ジャック・ザ・リッパーは実在するのか」という問いに答えるためには、”ジャック・ザ・リッパー”という言葉の持つ意味を明確化しなくてはなりません。

まず、「ジャック・ザ・リッパーという”事件”」については、これは間違いなく実在した事件であると言えます。同時期に起こったホワイトチャペル殺人事件と同一化される部分もありますが、1888年にロンドンを騒がせた猟奇殺人事件として、ジャック・ザ・リッパーは間違いなく記録に残る事件です。

しかし一方で「ジャック・ザ・リッパーという”殺人鬼”」については、実在していたことは確かですが、犯人の名前や経歴などは全く明らかになっていません。当時の捜査で辛うじてわかっているのは「人体に関する高度な知識を持っている」というだけで、プロフィールに関する情報は何一つとしてわかっていないというのが現状になっています。

そもそも通称として用いられる「ジャック」という名前も、日本で言うところの「名無しの権兵衛」のようなものでしかないため、実際に事件を起こした人物がジャックという名前だったわけではありません。

全く確定していない犯人像

ジャック・ザ・リッパーの犯人像は、不自然なほどに何もわかっていない。
出典:GANREF

ジャック・ザ・リッパー事件におけるもっとも奇妙な点は、犯人とされる人物の素性が全く確定しないという点でしょう。

犯人として候補に挙げられた人物は複数名存在していますが、そのほとんどが共通点のない人物であり、年齢層や社会的な身分、更に人種や性別すらもまったく確定させることができません。

「遺体を解体して臓器を持ち去った」という点から、職業としては医学関係者や精肉業者が怪しまれることが多く、「犯人の素性が確定しなさすぎる」という点から四方や王室関係者なども疑われていますが、ここも現代に至るまで、全く確定していないのが現状となっています。

唐突な犯行の終わり

最後の被害者であるメアリー・ジェーン・ケリー。その残忍な殺害以降、ジャック・ザ・リッパーは沈黙した。
出典:wikipedia

ジャック・ザ・リッパーの仕業と確実視される犯行は、1888年11月9日のメアリー・ジェーン・ケリーの殺害を最後に途切れています。

ホワイトチャペル殺人事件の犯人をジャック・ザ・リッパーだと仮定した場合も、1891年の2月を最後に犯行が途絶えており、ジャック・ザ・リッパーという殺人事件は最長でも2年半ほどの期間で終わりを迎えたことになります。

ホワイトチャペル殺人事件においては、ジェームズ・サドラーという男性がジャック・ザ・リッパーの疑いを掛けられて逮捕されていますが、彼も証拠不足で釈放され、結局有力な証拠などは出てくることなく、ジャック・ザ・リッパー事件は現在も未解決のままになっています。

現代に描かれるジャック・ザ・リッパー

一見すると可愛らしい少女キャラクターだが、これも現代に描かれるジャック・ザ・リッパー像の一つ。
出典:GameWith

ロンドンという大都市を騒がせ、最後まで痕跡すら掴ませることなく消えたジャック・ザ・リッパーは、現代でも多くの創作に登場しています。

そのキャラクター性は非常に様々で、理由のない凶悪な猟奇殺人者であることもあれば、何かしらの理想に燃えた人物。あるいはこの世の存在ではない悪魔や死神、当時のロンドンで社会問題となっていた堕胎された子供の霊の集合体など、様々なキャラ付けで描かれています。

また、事件としても様々な描かれ方が成されており、フィクションの登場人物が多分に関わった事件として描かれることもあれば、舞台設定として「ジャック・ザ・リッパーが徘徊するロンドン」という設定が用いられることも多く、これもまた千差万別な描かれ方だと言えるでしょう。

”未解決事件”として名高いジャック・ザ・リッパー事件は、ある意味で現代における様々な創作の題材として親しまれているのかもしれません。

ジャック・ザ・リッパーの主な被害者

メアリー・アン・ニコルズ

最初の被害者であるメアリー・アン・ニコルズ
出典:wikipedia

ジャック・ザ・リッパーの犯行が確実視される事件の、最初の被害者です。享年は42歳であり、貧しい生活を送る売春婦の女性でした。

喉を切られて殺害され、死後に腹を切り刻まれるという凄惨な殺害方法を取られ、歯が抜かれていたり舌に切れ込みが入れられていたりと、ジャック・ザ・リッパーの異常性を知らしめる被害者として、現在も比較的詳細な記録が残っています。

アニー・チャップマン

第二の被害者、アニー・チャップマンは、ジャック・ザ・リッパーの犯行の手口を世に知らしめた。
出典:wikipedia

ジャック・ザ・リッパーによる殺人の、二人目の犠牲者とされる女性です。酒乱の傾向こそあったようですが、酒が絡まないときは親切な女性だったという証言が残されています。

彼女の遺体からは子宮と膀胱が持ち去られており、その凄惨な犯行手口は多くの憶測や風雪と混ざり合って、ロンドンの街を恐怖に突き落とすことになりました。

エリザベス・ストライド

第三の被害者であるエリザベス・ストライドは、遺体発見の数分前に殺害されたと言われる。
出典:wikipedia

三人目の被害者とされる女性です。後述のキャサリン・エドウッズと同じ日に遺体で発見されており、彼女の殺害でのみ、犯人と目される人物が目撃されています。

エリザベスは遺体が発見されるほんの数分前に殺害されたとも言われており、しかも犯人の目撃証言があったという事件ではありましたが、結局決め手が存在せず、ジャック・ザ・リッパーの逮捕には至りませんでした。

キャサリン・エドウッズ

共同墓地に現存する、キャサリン・エドウッズの墓標。
出典:wikipedia

前述のエリザベス・ストライドと同じ日、エリザベスの殺害から約1時間ほどの間に殺害されたとみられる被害者です。

彼女の遺体からは左の腎臓と子宮が持ち去られており、犯人のプロファイルとして医学関係者や精肉業者などが持ち上がることになりましたが、これもジャック・ザ・リッパーの逮捕につながることはありませんでした。

メアリー・ジェーン・ケリー

最後の被害者であるメアリー・ジェーン・ケリー。以降、ジャック・ザ・リッパーの犯行は確実視されていない。
出典:wikipedia

ジャック・ザ・リッパーの犯行が確実視される事件の内、最後の被害者とされる人物です。類を見ないほど残虐な方法で殺害され、遺体はほとんど原形をとどめていなかったと言われています。

しかし一方で、以前までの4人の被害者と比べて年齢が若いことなどから、ジャック・ザ・リッパーの犯行に似せた模倣犯の可能性がささやかれるなど、彼女の殺害にはとりわけ大きな謎が残されています。

ホワイトチャペル殺人事件の被害者

ホワイトチャペル殺人事件も、ジャック・ザ・リッパーの関与が疑われる事件の一つ。
出典:wikipedia

ジャック・ザ・リッパー事件と同時期にロンドンで起こっていた殺人事件が、ホワイトチャペル殺人事件です。この事件についても、ジャック・ザ・リッパーによる事件であると語られることがあります。

この事件も含めると、ジャック・ザ・リッパーによる被害者は18人に及ぶことになりますが、どれもジャック・ザ・リッパーによる犯行を立証する証拠がないため、この事件もまた迷宮入りとなってしまっています。

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