クトゥルフ神話に登場する神々や生物
クトゥルフ神話には数多くの神々や生物が登場しますよね。その神々や生物がどのような存在なのか、どのような分類になっているのか、まとめました。
外なる神
外なる神は旧支配者の中でも上位の存在を表します。旧支配者は圧倒的な力を持ってはいますが、異星人や怪物的な、あくまでも生物としての要素を持ち合わせており、物理法則が適用されました。
しかし、外なる神には物理法則でさえも通用しません。外なる神はどちらかといえば、概念のような存在で、一例をあげますと、ヨグ=ソトースという外なる神はクトゥルフ神話作品において、「存在、大きさ、概念、範囲そのすべてを超越するもの」や「果てしない全ての物事、時間さえもがヨグ=ソトースの一部である」などと表現されました。
このことから、外なる神が規格外の神性を持つことをうかがえるのではないでしょうか?また、代表的な外なる神とその役割は以下の通りです。
- アザトース(万物の王)
- ヨグ=ソトース(外なる神の副王)
- ニャルラトホテプ(アザトースの使者)
ここで一つ注意が必要なのですが、外なる神という分類はラヴクラフト自身が作ったわけではありません。後年の作家が旧支配者の中でも別格の存在を分類するために作ったため、厳密に旧支配者と外なる神を分けることはできないとされています。
旧支配者
旧支配者はその名の通り、古代の地球を支配していた強大な力を持った、悪の神々で邪神として分類されました。旧支配者はダーレスによって火・水・風・地の四大霊に分類され、派閥のようなものがあり、複雑怪奇な共存・対立関係が存在します。
クトゥルフ神話作品では、しばしば旧支配者の復活や召喚を試みる、彼らを神と崇め奉るカルト教団などの存在も描かれ、物語の重要な役割を果たしてきました。クトゥルフ神話の名前にも採用されているクトゥルフという神も旧支配者に分類されます。
クトゥルフの姿はイカやタコのような頭部に6つの眼があり、顎には数え切れないほどの触手が生え、巨大なかぎ爪を持った手足で、人間と同じように2本の足で歩くと言われていました。さらには、全身は緑色で、ぬめりのある鱗かゴム状の瘤に覆われており、大きさは数百メートル、背中には竜のような翼を持つと言われています。
クトゥルフ神話に登場する神々は、基本的に異形の姿をしており、人には想像もできない姿をしていることも、ラヴクラフトが理想とした、コズミックホラ―を体現しているのではないでしょうか?代表的な旧支配者と四大霊の分類は以下の通りです。
- クトゥルフ(水)
- ハスター(風)
- クトゥグア(火)
- ツァトゥグア(地)
旧神
旧神は旧支配者と対をなす善の神々とされ、旧支配者が旧神に反乱を起こした際に、旧支配者を封印しました。旧神は「善なるもの」とされていますが、あくまで神々の視点における「善」という定義で、人間にとって「善」であるとは限りません。
クトゥルフ神話における善悪は、人間に理解できるものではなく、旧神の中でも、人間をいたずらに弄ぶものもいれば、旧支配者の中にも、自分を崇拝する人々に知識や恩恵を与えるものもいました。これらは、ラヴクラフトのあまりにも強大な神々の行動は人間には理解できない、というスタンスが現れています。
そのため、ノーデンスという旧神は比較的、人類に友好的と言われ、まれにですが人間を助けることもありました。しかし、その友好的と言われるノーデンスでさえ、助けた後の人間がどうなろうとかまわないという考えであり、助けられても手放しでは喜べない状況に陥ることもあります。
クトゥルフ神話において、人間はただ神々に振り回される存在であることが嫌でも分かりますね。代表的な旧神は以下の通りです
- ノーデンス
- 星の戦士
- バースト
その他の神々や生物
クトゥルフ神話には地球本来の神々(大いなるもの)、異種族、架空の書籍なども登場しました。地球本来の神々(大いなるもの)は旧支配者や旧神など地球の外からやってきた神々の対義語で、ギリシャ神話に登場する神々やクトゥルフ神話に登場する、夢を見ることでしかいけない架空の土地、「ドリームランド」に住む神々のことを表します。
彼らは人間と似た姿をしていますが、その力は旧支配者や旧神などには到底及ばないものでした。また、グールや深きものと呼ばれる魚人のような異種族なども存在し、彼らは旧支配者や旧神に奉仕したり、崇拝する種族や独自に生きる種族などが登場します。
その他、「ネクロノミコン」「ルルイエ異本」などの架空の書籍も登場し、これらは全て魔導書として
描かれています。特にネクロノミコンは現在ではクトゥルフ神話とは関係ない作品においても、魔導書の代名詞として使われるほど有名なものになりました。
このような独自の様々な要素が複雑に絡み合うことで、クトゥルフ神話の壮大な世界観は構成されています。