「クトゥルフ神話ってそもそもどのような神話なの?」
「クトゥルフ神話に登場する神々や用語が分からない」
「クトゥルフ神話の原作って何?」
本記事を見ている方は、このような疑問を抱いているのではないでしょうか?
クトゥルフ神話とは、作家のハワード・フィリップス・ラヴクラフトとその友人たちによって、小説内の設定を共有したことにより、作り上げられた架空の神話です。そのため、明確にこれがクトゥルフ神話の設定と決められたものはありません。
クトゥルフ神話を題材にしたアニメやゲーム、YouTubeでクトゥルフ神話TRPG(テーブルトークロールプレイングゲーム)のプレイ動画が投稿されるなど、以前に比べてクトゥルフ神話というワードを目にすること、耳にすることが多くなっていますよね。
そこで今回は、知っているようで知られていないクトゥルフ神話について、世界観や登場する神々、用語などを解説するとともに、クトゥルフ神話を題材にした小説についても紹介します。また、クトゥルフ神話TRPGについても簡単にまとめてみました。
この記事を書いた人
一橋大卒 歴史学専攻
Rekisiru編集部、京藤 一葉(きょうとういちよう)。一橋大学にて大学院含め6年間歴史学を研究。専攻は世界史の近代〜現代。卒業後は出版業界に就職。世界史・日本史含め多岐に渡る編集業務に従事。その後、結婚を境に地方移住し、現在はWebメディアで編集者に従事。
クトゥルフ神話とは
クトゥルフ神話はどんな話?概要を簡単に紹介
クトゥルフ神話とは、ラヴクラフトとその友人によって作り上げられた神話です。クトゥルフ神話では、今では地球から姿を消しているが、太古の地球は外宇宙から襲来した、人知を超える強力な力を持った異形の旧支配者と呼ばれる神々により支配されていました。
その旧支配者を現代に復活させることを共通のテーマに描かれています。クトゥルフ神話に登場する神々は私たち人類に寄り添い、ときに導いてくれるような存在ではありません。
旧支配者は邪神とも呼ばれ、人間をいたずらに弄び、彼らのやりたいように行動します。旧支配者と対立する旧神と呼ばれる神々もいますが、その神々でさえ、必ずしも人類の味方というわけではありません。
クトゥルフ神話の神々の思考や行動理念といったものを人間が理解することはできず、人類は神々に翻弄される存在として描かれました。そのため、神話と名前を冠しているにもかかわらず、ジャンルはホラーとして分類されます。
いつだれが作った神話なのか
クトゥルフ神話は20世紀のアメリカで、作家のハワード・フィリップス・ラヴクラフトとその友人であるクラーク・アシュトン・スミスやオーガスト・ダーレスなどによって生み出されました。彼らはお互いの小説に登場させた架空のキャラクターや地名、書籍などありとあらゆる物を自分の小説にも登場させることで一つの壮大な世界観を作り上げます。
ハワード・フィリップス・ラヴクラフトとはどんな人?生涯・年表まとめ
ラヴクラフトの死後、彼を師と仰いでいたオーガスト・ダーレスが彼の作品が忘れられないようにと、クトゥルフ神話としてまとめました。
本来、クトゥルフ(Cthulhu)は人間に発音できない音になっています。そのため、クトゥルフ神話が生まれたアメリカにおいてもどう発音するかは決められていません。
ラヴクラフトがファンに送った手紙では「一番近い発音の仕方は舌の先をピッタリと口蓋に押し付けて、不完全な2つの音節『Clhu-Lhu』を唸るように、吠えるように、咳き込むように言えば良いでしょう」と書かれています。日本では便宜上クトゥルフやクトゥルーと呼ばれています。
その背景には1974年に出版された、「ラヴクラフト全集」の存在がありました。その際、翻訳家の大西尹明がクトゥルフと表記した理由について、「発音されると考えられる許容範囲内で、その最も不自然かつ詰屈たる(難しい)発音を選んだため」と言われています。
他の神話との違いとは
クトゥルフ神話は先述の通りですが、ラヴクラフトとその友人たちの手によって作り上げられた世界観をもとに作られたため、あくまでも架空の神話でした。そこが、ギリシャ神話や北欧神話、日本神話など大昔から語り継がれてきた神話との大きく異なる点です。
ちなみにですが、クトゥルフ神話の世界では、これらの実在する神話は古代にクトゥルフ神話から派生したという形で描かれています。また、現在もラヴクラフトたちが作り上げたクトゥルフ神話の世界は、世界中の作家たちがシェアし、広がり続け、今では小説のみならず、アニメやクトゥルフ神話TRPGというゲームができるほどになりました。